日本の国家元首については議論がある。その候補には、天皇、内閣総理大臣、その他の機関などが挙げられる。もっとも、そもそも「元首」が日本において何を意味するかについて議論が錯綜しているため、水掛け論になりがちである。
天皇が元首であることの根拠には、日本国憲法の規定から、次の3点が挙げられる。まず第一に、天皇を「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」たる地位であると定めていること(1条)。第二に、行政権の属する内閣の長である内閣総理大臣の任命(6条1項。国会の指名に基づく。)や、司法権を行使する最高裁判所長官の任命(同条2項。内閣の指名に基づく)、および「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」(41条)である国会の召集(7条2号)・解散(7条3号)など、内政上の重要な行為の多くを「国事に関する行為」(国事行為)として天皇が行う(主催する)と定めていること(7条。内閣の助言と承認による)。第三に、これも国事行為として、「全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証」すること(公証行為、7条5号)、「批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証」すること(公証行為、7条8号)、「外国の大使及び公使を接受」すること(7条9号)など、通常元首が行うとされている外交上の重要な行為を天皇が行うと定めている(対外代表性)ことなど。これらの規定から、対内的にも対外的にも、天皇が元首であるとする。
また、内閣総理大臣が元首であることの根拠は、主要国首脳会議(サミット)などの国際会議で日本国を代表する立場にあることなどが挙げられる。また天皇の国事行為にはすべて内閣の助言と承認(第3条)を必要とし、天皇は国事行為には無責任であることから、行政権の属する内閣あるいはその筆頭である内閣総理大臣を元首であるとするなど、特定の組織や職権を元首とする意見もある。
政府の公式見解では、天皇は元首であるとする(1990年(平成元年)5月14日の参議院予算委員会における内閣法制局長官答弁)。もっとも、「天皇は国の象徴であり、さらにはごく一部では…外交関係において国を代表する面」もあるという限定された意味における「元首」であるとする。
憲法上は国会を「国権の最高機関」と定め、「国の唯一の立法機関」とすることから、付与される政治上の権力は国会が最も大きい。しかし、憲法は内閣にも法案提出権を付与し、国会で成立する法案の大半は内閣提出法案であることから、実質的には内閣の権限が最大となっており、いわゆる行政国家現象が顕著である。さらに、内閣提出の法案は、内閣の下にある行政組織が作るため、行政組織の幹部職員、いわゆる官僚(キャリア公務員)が実権を握る官僚国家であるとも言われる。
また、裁判所には違憲立法審査権が付与される。裁判所は、法律をはじめとする国の法令や行政行為について、それが憲法に反していることを宣言することができる。この権限は、国家の行為の適否について、終局的に判断する権限であることから、最も強い権限のはずである。このような体制を指して、司法国家と言われる。しかし、裁判所はいわゆる司法消極主義に立つとされ、国会や内閣(いわゆる政治部門)の判断に対し、異議を差し挟むことには謙抑的である。
政治制度(国)日本の統治機構:<注>日本国憲法では、「第1章天皇、第1条(天皇の地位・国民主権)天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と制定されている。
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日本国憲法は、国会を「国権の最高機関」であり「国の唯一の立法機関」と定める。国会は、衆議院と参議院からなる(二院制)。いずれも国民から直接選挙され、全国民を代表する国会議員で構成される。衆議院議員と参議院議員を兼ねることはできない。
衆議院議員の任期は4年だが、衆議院が解散された場合には任期前に資格を失う。衆議院解散は内閣が決定し、天皇が行う。内閣は、衆議院で内閣不信任の決議案が可決され、または信任の決議案が否決された場合(69条解散)、または憲法7条に基づいて(7条解散)、衆議院の解散を決定する。衆議院議員の選挙を総選挙という。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。参議院議員の選挙を通常選挙という。
衆議院の総選挙は小選挙区制と比例代表制(拘束名簿式)が併用される小選挙区比例代表並立制が採用され、参議院の通常選挙は選挙区制(大選挙区制、中選挙区制)と比例代表制(非拘束名簿式)が併用される。定数は、衆議院が480(小選挙区選出議員300、比例代表選出議員180)、参議院が242(選挙区選出議員146、比例代表選出議員96)。
国会は毎年1回の召集が義務づけられており、これを常会(通常国会)という。また、内閣が自ら、あるいは一定数の国会議員の要求により、内閣が臨時に国会の召集を決定することもでき、これを臨時会(臨時国会)という。1992年以降は例年1月に常会が召集され、9月頃に臨時会が召集される。衆議院議員総選挙後には特別会(特別国会)が召集され、内閣総理大臣を指名する。
国会は会期制が採られており、会期不継続の原則と一事不再議の原則が定められている。会期不継続の原則とは、会期独立の原則ともいわれ、継続審議の議決がなされない限り、会期中に議決に至らなかった議案は廃案(消滅)となる原則である。一事不再議の原則とは、一度議決された議案は、同一会期中に再度提出できないという原則である。
常会の会期は150日間で、延長は1回のみ可能。臨時会と特別会の会期はその都度両院一致の議決で定め、延長は2回まで可能。