「體」は骨偏に属し音は「タイ」、「肉体、からだ」を意味している。一方、「体」は人偏を部首とし音は「ホン」、「あらい、そまつな」と言う意味を持っている。つまり、もともとは「體」と「体」は全くの別字であった。だが、「体」が「體」の略字として古くから混用されていたため、新字体に採用され、中国でも簡体字に入れられている。因みに「体」を本来の音である「ホン」と読む熟語には「体夫」がある。これは「ホンプ」と読み、棺を担ぐ人足を意味している。
現在、「旧」は「舊」(意味は「ふるい」)の新字体として用いられている。しかし、かつては「旧」は「臼」(意味は「うすという道具」)の異体字であった。つまり、「臼」の異体字が別字の「舊」の新字体として用いられているのである。これは「舊」の音符に「臼」が用いられていることからきている(音はともに「キュウ」)。「旧」は「臼」の異体字であったが、時代が下るにつれ「舊」の略字として混用されるようになっていった。また、「稻」を「稲」、「兒」を「児」と書くように「臼」の部分を「旧」に置き換えた漢字も多く見られるようになった。つまり、「旧」は音は同じだが意味の全く異なる二つの漢字の略字に用いられるようになっていったのである。結果、新字体採用に当たって、「旧」を「舊」の新字体とすると同時に、字の中の「臼」の部分を「旧」に置き換えた漢字もいくつか新字体に採用された(例字として「稲」「児」)。尚、中国では「旧」を「舊」の簡体字としているが、「旧」は「臼」の簡体字にはなっておらず、「臼」を略した簡体字は存在しない。大抵は「稻」のようにそのまま繁体字で用いられるが、「兒」を「儿」と略すように日本の新字体と異なる簡体字になって用いられている漢字もある。
「亙」はコウ、わたる、「亘」はセン、のべるの音義をもっている。しかし楷書では昔から「亙」を書きやすい「亘」に書いてきたため両者は現在同一字種とされている。なお、この字種は常用漢字の範囲外である。
新字体は、本来当用漢字ないし常用漢字のみに適用されるものであるから、表外字(常用漢字でない漢字)では今も旧字体が正式である。たとえば「擧」は「挙」に簡略化されたが、「欅」は同じ「擧」の部分を含んでいながらも常用漢字外であるため簡略化されない。しかし、JIS漢字では表外字も広く常用漢字に倣って簡略化され、「黶vという字体もある。また、朝日新聞は独自に表外字の簡略化を徹底した字体に作った時期があった(朝日文字参照)。また、灘はさんずい以外の部分が難と同じように略されていたが、JIS X 0213では、くさかんむり状の部品が「廿」の形となったものへ改められている。
関連項目
簡体字 - 中華人民共和国での画一的な簡略化漢字
新字形 - 中華人民共和国での標準印刷字体
拡張新字体
カテゴリ: 日本の漢字
更新日時:2008年10月6日(月)14:38
取得日時:2008/10/12 02:59