論文式試験は、法曹となろうとする者に必要な専門的学識並びに法的な分析、構成及び論述の能力を有するかどうかを判定するために行われる試験である。日程は、5月下旬の3日間(短答式試験の翌日・3日後・4日後)である(平成18年度は5月20日(土)、22日(月)、23日(火)。平成19年度は5月16日(水)、18日(金)、19日(土))。
2日日:選択科目(3時間、2問、計100点満点)公法系科目(4時間、2問、計200点満点)
3日目:民事系科目第1問(2時間、100点満点) 民事系科目第2問(4時間、200点満点)
4日目:刑事系科目(4時間、2問、計200点満点)
の時間割で、文章にて解答する形式で行われる。
選択科目は、
倒産法
租税法
経済法
知的財産法
労働法
環境法
国際関係法(公法系)(国際法(国際公法)、国際人権法及び国際経済法)
国際関係法(私法系)(国際私法、国際取引法及び国際民事手続法)
の8科目から1科目を選択する[2]。
法律上の論点を含む比較的長めの事例(何ページかにわたる資料が付いている場合もある。)が与えられ、それに対する法的判断を問われるものが中心である。
参照物として、「新司法試験用法文」とよばれる最小限の条文のみが記載された小型六法が貸与される。
論文式試験においても最低必要点が設定されており、1科目でも満点の25%に満たない場合には不合格となる。
問題の難易度は、まだ確かな傾向が定まっていないため評価が難しい。
短答式試験の合格者の中から論文式試験のみで不合格となった者を除外した上で、短答式試験の成績と論文式試験の成績を総合評価して合格者を決定する。
短答式試験と論文式試験の比重は1:4とし、判定に当たっては論文式の素点に1.75倍したものに短答式の素点を加算して判定する。
合格発表は、9月下旬(平成18年度は9月21日、平成19年度は9月13日)になされる。合格者は、司法修習生に採用された後、11月下旬より約10か月間の実務修習を受ける(平成18年度(新60期)のみ、1か月程度の導入研修(実務修習前集合修習)が行われた)。このうち8か月間は、民事裁判修習、刑事裁判修習、検察修習、弁護修習にあてられる。残りの2か月間は、選択型実務修習として、司法修習生各人の希望を踏まえ、総合的な法曹実務を修習することとなる。その後、2か月間、最高裁判所付属の司法研修所(埼玉県和光市)で集合研修を受ける(新司法試験では合格者が多いため、修習生によっては選択修習と集合修習の順序が逆になる)。そして、裁判所法67条1項の国家試験(司法修習生考試)を受け、これに合格すれば法曹となる資格を得る。
2006年(平成18年)に行われた第1回の新司法試験の出願者数は2137人、出願者のうち大学院を修了して受験資格を有した者が2125人で、1日目の受験者数は2091人であった。
なお、平成18年新司法試験受験回数調(平成18年9月26日付け法務省大臣官房人事課作成)によれば、平成18年新司法試験においての受験回数別内訳(旧司法試験受験を含む)は、1回目が1669名、2回目が402名、3回目が20名で合格者は1回目が748名、2回目が247名、3回目が14名。少なくとも6名の者が受験回数制限により司法試験本試験の受験資格を喪失したことが推定される。
2007年(平成19年)の新司法試験の出願者数は5401名、受験資格を得た者は5280名であり、合格者は1851名であった。既修・未修の別は、出願者既修2885名、未修2516名に対し合格者は既修1216名、未修635名であった。受験回数別内訳(旧司法試験受験を含む)は、1回目が4061名、2回目が1197名、3回目が143名であり、合格者は1回目が1250名、2回目が525名、3回目が76名であった。
2006年に行われた第1回の新司法試験では、有受験資格者2125人中、合格者は1009人だった。合格率は48.35%となり、数%の合格率であった旧司法試験よりも数字上は大幅に競争が緩和された。また、2007年(平成19年)新司法試験の合格者数1851名であった(出願者数比合格率34.27%、有受験資格者数比合格率35.06%、受験者数比合格率40.18%)となった。
2007年6月22日に司法試験委員会は合格者数の目安として、2008年は2100~2500人、2009年は2500~2900人、2010年は2900~3000人とすることを発表した。
旧司法試験の廃止に伴って、2011年以降に実施される予定の試験。法科大学院を修了せず新司法試験を受験するには予備試験の受験が必要。受験制限は無く、旧司法試験と同じく短答・論文・口述の3種を受験する。合格すると新司法試験の受験資格を得られる。法科大学院修了者と同じく、3回の不合格もしくは5年間で受験資格は失われる。
科目は短答式が憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教育科目の8科目、論文式が憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教育科目、法律実務基礎科目の9科目、口述が法律実務基礎科目。
公明党などからは「バイパスを設けるのは法科大学院を設置した意味がなくなる」と廃止の声も上がっている。
2007年度の新司法試験において、司法試験委員会の考査委員である慶應義塾大学の教授(行政法)が試験実施前の2〜3月において、同大学の法科大学院の学生に対して、実際に出題された問題と同じ論点の問題を出題して答案練習会を開催していたことが問題となった。
同教授は、実際に出題された問題の入管法について問題となった執行停止や原処分主義と裁決主義などの論点について指導するとともに、同時に出題された都市計画法についても出題をしていた。また、同教授は、法科大学院の修了生に対し試験の採点終了後、再現答案を送付したら採点して返却しているという旨のメールを送付しており、秘密とされていた採点基準を公開することにつながりかねない行為を行おうとしていた点も問題とされている。法務省ではこの件に関して教授から事情を聴取。
2007年6月29日法務省は、試験前の答案練習会で試験問題と類似の論点を学生に教えていたことについて、同教授の考査委員の職を解任した[3]。のちに当該教授は、メールの中で重要判例と紹介した最高裁判例について、本試験に出題される予定を事前に知っていたことも明かした[4]。これら、漏洩疑惑問題の発端となったのは2ちゃんねる内の司法試験@2ch掲示板などのネット掲示板であった[5] が、その後とくに主だった動きは見られない。
なお、結局2007年度新司法試験においては、2007年8月3日に試験への影響はなかったとして特別の措置は一切採られないことと決定した。