平成の大合併に際して市町村合併を行った自治体には、期間限定で運用基準の緩和がなされることになった(沿革参照)。すなわち、「近い将来100万人を超える見込み」がない市[16]への指定が可能になった。静岡市を先例として、「70万程度の人口」があれば指定都市になれると言われている[17]。
2005年(平成17年)4月1日に静岡市(70.7万人。70.2万人)が指定都市移行。
2006年(平成18年)4月1日に堺市(83.1万人)が指定都市移行。
2007年(平成19年)4月1日に新潟市(81.4万人。81.3万人)、浜松市(80.4万人。80.7万人)が指定都市移行。
なお、以上の4市は、指定都市史上初めて、特別区最大の人口を擁する世田谷区を下回る人口で指定された。
都市機能や行財政能力については特に法令で規定されていないが、これまで政令指定都市に指定された都市では主に次のような要件を満たしており、これに遜色ない条件を満たす必要があるとされる。
第1次産業就業者比率が10%以下であること
都市的形態、機能を備えていること
移譲事務処理能力を備えていること
行政区の設置、区の事務を処理する体制が整っていること
政令指定都市移行に関して県と市の意見が一致していること
政令指定都市移行の手続きは特に法令で規定されていないが、これまで政令指定都市に指定された都市では主に次のような手続きを経た上で、指定がなされている。
市議会で政令指定都市に関する意見書を議決
知事・県議会に対し、政令指定都市の実現への要望書を提出
県議会で政令指定都市に関する意見書を議決
総務大臣に対し、政令指定都市の実現への要望書を提出
関係省庁との協議
政令指定都市移行の閣議決定
政令の公布
政令指定都市は権限の移譲等により都道府県の影響力が少なくなることから、実質的に都道府県と同格に扱われ、県の中に県ができると見られることもある。都道府県に準じた権限を手にする事で、自由に様々な事に取り組めるようになる一方、何かあった場合の責任は重くなると言われている。
県を通さずに直接国と接触できるようになる。
統一地方選挙において行われる政令指定都市の市長・議会選挙は都道府県知事・議会選挙と同じいわゆる前日程で実施される。
慣例として、政令指定都市の住所を表記する際は都道府県名を省略することが多い(例:愛知県名古屋市中区栄 → 名古屋市中区栄)。これは慣例というよりは、昭和45年の旧自治省通達により、政令指定都市および、県名と同じ県庁所在地市以外は、公文書において県名を省略してはならないとされたことの裏返しである。
スポーツ大会の場合でも一部で特別扱いされており、全国障害者スポーツ大会と全国健康福祉祭(ねんりんピック)では各都道府県の他に指定都市独自でチームを組むことが可能となっている。
市のドメイン名として "city.市名.都道府県名.jp" の代わりに "city.市名.jp" を使えるようになる。ただし、堺市と浜松市については、該当ドメインが他者によって取得済みであったため、"city.市名.jp" を使用できなかった。公共機関については"city.市名.lg.jp"で地方公共団体ドメイン名の代替はあるが、一般地域型ドメイン名"区名.city.市名.jp"は使用できないの公共機関以外は救済されない。
職員採用において、大学卒業程度の採用試験が道府県と同じ日程の6月の第4日曜日(俗に「地方上級」と称される。)に行われる。短大卒業程度・高校卒業程度の採用試験が道府県と同じ日程の9月の第4日曜日(俗に「地方中級」・「地方初級」と称される。)に行われる。また、択一試験の問題は道府県と一部を除き同一のものが使用される。
地方債において、都道府県と同様に市場公募債を発行出来るようになる。ただし、利回りが市場によって決められてしまうため、財政状況や信用力により資金繰りに差が出る。
指定都市の所属道府県に対する人口比率
北海道および札幌市のみ登録人口。それ以外は推計人口。
市人口道府県人口比率統計日
札幌市1,883,996人北海道5,573,082人33.8%2008年6月30日
仙台市1,030,570人宮城県2,343,640人44%2008年8月1日
さいたま市1,200,342人埼玉県7,134,583人16.8%2008年9月1日
千葉市0,946,526人千葉県6,144,070人15.4%2008年9月1日
横浜市3,650,018人神奈川県8,953,788人40.8%2008年9月1日
川崎市1,389,613人神奈川県8,953,788人15.5%2008年9月1日
横浜+川崎5,039,631人神奈川県8,953,788人56.3%2008年9月1日
新潟市0,812,103人新潟県2,395,567人33.9%2008年9月1日
静岡市0,709,728人静岡県3,797,762人18.7%2008年9月1日
浜松市0,812,788人静岡県3,797,762人21.4%2008年9月1日
静岡+浜松1,522,516人静岡県3,797,762人40.1%2008年9月1日
名古屋市2,246,174人愛知県7,393,129人30.4%2008年8月1日
京都市1,467,497人京都府2,635,612人55.7%2008年8月1日
大阪市2,651,133人大阪府8,832,712人30%2008年8月1日
堺市0,835,794人大阪府8,832,712人9.5%2008年8月1日
大阪+堺3,486,927人大阪府8,832,712人39.5%2008年8月1日
神戸市1,533,086人兵庫県5,595,801人27.4%2008年8月1日
広島市1,165,976人広島県2,870,008人40.6%2008年8月1日
北九州市0,985,102人福岡県5,059,623人19.5%2008年8月1日
福岡市1,436,608人福岡県5,059,623人28.4%2008年8月1日
北九州+福岡2,421,710人福岡県5,059,623人47.9%2008年8月1日
指定都市自体が、独自に警察を設置・運営することはできない。ただ警察本部は、その管轄区域内に指定都市がある場合、指定都市に対応する市警察部を設置する(警察法52条)。市警察部の役割は警察本部によって異なるが、主に指定都市と警察本部の連絡や指定都市に所在する警察署の管理に関する業務を行う。
なお、自治体警察 (旧警察法)を参照のこと。
推計人口で、東京都の世田谷区は85万人以上、練馬区は70万人以上の人口を有するものの、現在の法律では、政令指定都市への移行は市に限られるため、これら特別区は政令指定都市となることができない。因みに、合併特例法下で政令指定都市となった4市は、いずれも世田谷区より人口が少ない(参照)。