放射線が発生している場所(身近な例では、病院や診療所のレントゲン撮影室など)には、右記のような放射能標識が表示される。
UnicodeにはU+2622に放射能標識がある:?
放射能を持つ物質を放射性物質と呼ぶ。 放射能は物質に含まれる放射性同位体の原子核崩壊に伴って放射線が放出されることに起因している。
原子核崩壊にはいくつかの形式があり、これを崩壊モードという。 主な崩壊モードにはアルファ崩壊、ベータ崩壊、ガンマ崩壊がある。
崩壊に際して放射線が飛び出すが、その粒子は崩壊モードに応じた数メガ電子ボルトの運動エネルギーを持っている。 これを崩壊エネルギーという。 このエネルギーはもとの原子核と崩壊後の原子核の質量欠損の差でまかなわれている。
崩壊エネルギーは最終的に熱エネルギーに変わる。このため、放射性物質はしばしば高温を発している。この熱エネルギーを回収して電気エネルギーに転換するしくみが原子力電池である。
崩壊モードと崩壊エネルギーを図で示したものが原子核崩壊図である。
放射性同位体は壊変に伴ってそれ自身が減っていくため、放射能はある割合で減っていく。これを減衰という。ある放射能が半分に減る時間はその核種ごとに常に一定であり、これを半減期という。
半減期が短い放射性同位体は早く消えるが、比放射能は高くなる。
半減期は、物質によって異なり、1秒未満であるものから、数億年以上かかるものまでさまざまである。
ある放射性同位体が放射線を放出した後にできる核種を崩壊生成物という。 しばしば崩壊生成物もまた放射性同位体であるので、さらに崩壊を起こして別の核種に壊変していく。 こうしてできる一連の連鎖を崩壊系列という。
ある放射性同位体が崩壊してできた娘核種や孫核種もまた放射性である場合を考える。これらの子孫核種の半減期の方が親核種の半減期に比べて十分に短い場合、時間の経過に従って、親核種の崩壊で生じる子孫核種の数と、崩壊して消滅する子孫核種の数がほぼ等しい状態(親核種と子孫核種の放射能が等しい状態)が生じる。この状態を放射平衡という。
放射線が物を透過する性質を利用するため、放射性物質がさまざまな分野で利用されている。 例えば、火災感知器では空気の密度を測るために放射性物質であるアメリシウム241が使われている。
また、放射線が細胞分裂を止める性質があるので、医療器具の滅菌、ジャガイモの発芽防止などに放射性物質であるコバルト60が利用されている。ある種の病気の治療薬として放射性物質を投与することがある(バセドウ病など)。 この他、蛍光塗料の添加物、静電気除去、製鉄、ランプの覆い、蛍光灯の点灯管などに放射性物質が利用されている。
放射線は目には見えず熱くもないので、検知するために特別な測定器具を用いるのであるが、測定したい線種と目的に応じて適切な器具を選ばなければならない。
個人の被曝線量を知るためにはフィルムバッジやガラス線量計が安価・軽量でよい。臨界ベルトを着用する場合もある。 表面汚染を検出するにはガイガー=ミュラー検出器など。空間線量を測定するには、シンチレーション検出器などが用いられる。 分析には半導体検出器が多く用いられる。
人体が放射線にさらされることを被曝という。 あまりに多くの放射線に被曝すると、健康に悪影響がある。このような悪影響を総称して放射線障害という。
放射線障害を防止するため、法令により、人体が被爆する放射線の量(線量)に限度が設けられており、放射性物質を取り扱う場合はこの値を超えないようにする必要がある。
また放射性物質を取扱う施設の仕様、放射性物質の購入・保管・廃棄の管理、汚染の管理、管理被服や保護具の着用も、法令や施設の内規で定められている。
現在の放射能の単位はSI単位系でベクレル(記号Bq)を用いている。それ以前は、キュリー(記号Ci)であり、これはまた現在でも補助単位としても使用されている。放射能研究の当初は標準単位がなくアーネスト・ラザフォードも独自の単位を使用していたが、標準となる単位の必要性を感じていたラザフォード自身が基準委員会の委員長となり、1910年の第一回国際放射線学会にて 1 グラムのラジウムが持つ放射能を単位とした1 キュリー(Ci)が定義された。その後、1974年にSI単位として国際度量衡総会でベクレルを採択し1975年から国際標準として用いられている。日本においては法改正がなされた1989年からベクレルが公式使用されている。
ベクレル単位の目安として、人体にはおよそ6000?7000Bqの放射能がある。これは人体に含まれるカリウム40という放射性物質によるものである。この程度の放射能であれば人体に及ぼす影響はほとんどない。一般的に実験や研究で用いられる放射能はMBq(106 Bq)である。さらに放射能がGBq(109 Bq)を超えると人体に影響を及ぼす危険性がある。[要出典]チェルノブイリ原発事故を契機に、輸入食品中の放射能濃度の暫定限度が370 Bq/kg(セシウム?134+セシウム?137の合計値)設定され、これを超える食品は日本に輸入できない。[1]
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二つの定義がある。そのひとつは、本来的な定義である放射線を出す能力のみが正しい使い方であり、放射能を持つ物質(放射性物質)の意味での使用が誤用であるとする定義である。もうひとつは、慣例として放射性物質を放射能と呼ぶことを認める定義である。
この二つの定義が争うようになったのは、特に「放射能汚染」や「放射能漏れ」という表現を巡ってのことである。