同じ元素で中性子の数が違う核種の関係を同位体と呼ぶ。同位体は安定なものと不安定なものがあり、不安定なものは時間とともに放射性崩壊して放射線を発する。これが放射性同位体である。放射性同位体の例としては、三重水素、炭素14、カリウム40などがあげられる。
放射性同位体はアルファ崩壊により原子番号と質量数の異なる核種へ[1]、またはベータ崩壊により同質量数で原子番号の異なる核種[2]へと放射性崩壊を起こす。
元素の中には放射性同位体しか持たないものもある。このような元素を放射性元素と呼ぶ。放射性元素に該当する元素は、テクネチウム、プロメチウム、およびビスマス(原子番号83)以上の原子番号を持つ全ての元素である。[3]自然界に存在する元素を分離することで発見された放射性元素は天然放射性元素と呼ばれる。一方、粒子加速器や原子炉を利用して核種変換することで発見された放射性元素は人工放射性元素と呼ばれる。
一般に、半減期が地球の年齢より十分に短い核種は、地球誕生から現在までの間に、崩壊しているため自然界には存在しない。ただし、ラドンやポロニウムのように半減期は短い核種でも、ウランやトリウムの崩壊生成物として生まれ続けている核種は、自然界に存在する。
自然界には、ウラン238やトリウム232などの、半減期が地球の年齢と同等かそれ以上の核種も存在する。天然放射性元素としては、原子番号92のウランは何かが最大とされている。ウラン235とウラン238の半減期は長く、原子番号93のネプツニウム以降は半減期の短い核種しかないためである。
ゆえに、ネプツニウム以降の人工放射性元素は、超ウラン元素とも呼ばれる。特に、アメリシウム(原子番号95)以上の原子番号の元素は自然界には存在しない。例外的に、ネプツニウムとプルトニウム(原子番号94)は人工放射性元素であるが、ウラン238の崩壊生成物として、微量ながら自然界にも存在することが分かっている。また、キュリウム247は1560万年の半減期を持つため、自然に極微量存在していると思われる。[4]
放射性同位体は様々な分野に応用される。これらは放射線自体を利用するものと、放射性によってそれを含む放射性物質を検出するものとに分けられる。
放射性同位体(密封線源)から出る放射線は、放射線療法によるがんなどの治療、突然変異誘発による作物育種、非破壊検査、火災報知機などに応用される。
放射性物質(非密封線源)は、物質自体はごく微量であっても確実に検出・定量することができる。この性質に基づく物質の検出への応用として、医療関係ではシンチグラフィなどによる検査・診断が挙げられる。化学では、分子の一部分を放射性同位体で標識(ラベル)することによって化学反応の詳細を調べる方法があり、特に生化学で盛んに用いられる。また生体高分子を標識してこれを検出する方法は、免疫学的検定やDNAの塩基配列決定などに応用される。
脚注^ 原子番号2、質量4それぞれ減少し、ヘリウム4(4He)を放出する
^ 中性子1つが陽子1つに変化し、原子番号1増加
^ ビスマス209の半減期はきわめて長く、2003年まで安定核種と考えられていた。
^ 自然界での存在はいまだ確認されていない。
関連項目
物理学
核物理学
核種
崩壊系列
放射年代測定
同位体
放射能
放射性物質
超ウラン元素
アクチノイド
炭素14
ポロニウムの同位体
核医学
放射線医学
シンチグラフィ
ポジトロン断層法
放射免疫検定
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
外部リンク
⇒(社)日本アイソトープ協会
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 同位体
更新日時:2008年9月9日(火)02:53
取得日時:2008/10/03 06:15