破壊を伴わない接着剤の検査には打法(タッピング法)もしくは超音波などを使用した透過測定法がある。
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第二条第二項、第一種特定化学物質 ⇒[1]
有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 ⇒[2]不特定多数の、しかも常時直接人に触れる可能性の高い家庭用品については、その含有物質について工業用途などと比較すると厳しい制限が施されている。下表は2003年の最新改訂における対象20物質を列記しつつ、特に接着剤関連にあてはまるであろう物質をボールド体で表記している。
物質名基準検査方法
ホルムアルデヒド幼児用16ppm以下または吸光度差0.05以下,一般用75ppm以下アセチルアセトン法
ディルドリン30ppm以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
4,6-ジクロル-7-(2,4,5トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール30ppm以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
有機水銀化合物検出せず原子吸光法
トリフェニル錫化合物検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリブチル錫化合物検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリス(1-アジリジニル)ホズフィンオキシド検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
ビス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト化合物検出せず炎光光度型検出器付ガスクロマトグラフ
塩化ビニル検出せず赤外吸収スペクトル法
メタノール5w/w%以下水素炎型検出器付ガスクロマトグラフ
テトラクロロエチレン0.1%以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
トリクロロエチレン0.1%以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
塩化水素酸の量10%以下かつ容器が強度を有する
硫酸酸の量10%以下かつ容器が強度を有する
水酸化ナトリウムアルカリの量5%以下かつ容器が強度を有する
水酸化カリウムアルカリの量5%以下かつ容器が強度を有する
ジベンゾ-a,h-アントラセン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-アントラセン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-ピレン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ
建築基準法第二十八条の二 ⇒[3]
2003年に追加された条文は、いわゆるシックハウス症候群の原因物質を規制するために定められた。その骨子は、クロルピリホスの使用禁止と、ホルムアルデヒドを発散する建築資材の使用面積制限(下表)を定めている。これらは原材料のひとつである接着剤の成分にも大きく関連する。
使用制限等級記号等級の名称発散する速度の基準値
なしF☆☆☆☆新上位規格?0.005mg/m2h
制限ありF☆☆☆第3種ホルムアルデヒド発散建築材料0.02mg/m2h?0.005mg/m2h
制限ありF☆☆第2種ホルムアルデヒド発散建築材料0.12mg/m2h?0.02mg/m2h
使用禁止F☆第1種ホルムアルデヒド発散建築材料0.12mg/m2h?
RoHS指令
含有物質の表示義務
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法) ⇒[4]
家庭用品品質表示法 ⇒[5]
製造物責任法(PL法) ⇒[6]
取扱い・梱包・運搬等
消防法 ⇒[7]
労働安全衛生法 ⇒[8]
毒物及び劇物取締法 ⇒[9]
水質汚濁防止法 ⇒[10]
悪臭防止法 ⇒[11]
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ⇒[12]
容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 ⇒[13]
用語
オープンタイム(Open time)
接着剤を被着材に塗布してから、貼り合わせずに放置しておける許容最長時間。この時間を越えて塗布したままの状態にあった接着剤は充分な接着力を発揮できない。
可使時間(Working life、ポットライフ - Pot life)
主に二液型接着剤において、塗布するために混合した状態から、使用できる許容最長時間。この時間を越えた接着剤は充分な接着力を発揮できない。
機能性接着剤
物同士をつなぐという本来の性能にその他の機能を付加した接着剤、特殊環境下において使用される接着剤、特殊な接着方法を用いる接着剤などを言う。機能付加の例としては、導電性・電気絶縁性・弾性・耐燃性など。特殊環境の例としては、構造材料・耐熱性・極低温対応・水中硬化・透明・生体用など。特殊な接着方法の例としては、紫外線硬化・電子線硬化・マイクロカプセル型などがある。
硬化(Cure)
JIS K6800において、硬化とは物理的作用または化学反応によって接着剤の成分が固体に変化することを言う。これに対し、;固化;(Hardening、Solidification)とは物理的作用による変化のみを指し、粘着テープの接着メカニズムがこれに当てはまる。
再活性接着(Reactivation)
被着材の面に接着剤を塗布した後、再湿や加熱により再び接着性能を発揮させる手法。溶液系接着剤を塗布した切手や封筒の糊口、ワッペンなど固形接着剤を塗布したものなど。
初期接着性(タック - Tack)
被着材と接触させた直後から結合を生じ、接着力を発揮する性質。硬化後に生じる本来の接着力とは別に、利便性を向上させるために添加剤を加えて機能を付加する。
ソルベント法;
メチルエチルケトン(MEK)・トルエンなどの有機溶剤で合成樹脂を溶解融合させたり、アセトンを使い写真フィルムを融着させるなど、溶剤そのものを接着剤として使用する手法。
剥離ライナー(Release liner、セパレータ - Separator、剥離紙・離型紙または離型フィルム)
シリコン塗布などの剥離処理を施した紙またはフィルムなど。両面テープやフィルム状ホットメルト接着剤などの接着・粘着面を保護し、使用時に剥がす。
品番
一般に、接着剤は多種の素材を複雑に混合させており、特に工業用途においては求められる機能に対応する細かな処方の設計が行われている。このような接着剤それぞれに対応してつけられた商標やナンバーなど。
ブロッキング(Blocking)
テープ状接着剤などにおいて、ロールの状態で全体が固まってしまうトラブル。