接着剤
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接着剤の性状評価

同じ種類の接着剤でも、その用途に対応した様々な改良が加えられた品番があり、使用法に応じて選定する必要がある。性状評価とは、選定の指標となる物性の評価項目である。
密度

固形分(Solids content、不揮発分、蒸発残分)
接着剤を一定条件下で加熱し、揮発分を除いた後に残る成分。硬化後の接着剤層を形成する有効成分に相当する。
粘度
粘度は、接着剤を塗布する方法と適合するものを選択する必要がある。壁面へ塗布する場合などでは、ある程度の粘度を持っていなければ接着剤が付着した状態を維持できない。逆にノズルなど機械的に塗布する場合には、高粘度の接着剤は不適となる。測定には回転粘度計を使用し、単位はmPa・sまたはPa・s(パスカル秒)にて表示する。
構造粘性
構造粘性とは、液体を攪拌した際にその粘度が変化する性質を言う。接着剤は一般に、塗布作業を容易にするために攪拌する速度が増すにつれ粘度が低下する傾向(チクソトロピーthixotropy、揺変性)を持たせているが、特に大量生産用を目的とした自動化を行う場合には、具体的な塗布方法にマッチした構造粘性の特性を持つ品番を選定し作業時のトラブルを低減することが求められる。
水素イオン指数(pH)
被着材の種類によっては、強酸性または強アルカリ性接着剤が腐食などの影響を及ぼすことがあり、接着剤を選定する際に考慮しなければならない場合がある。 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。


接着力の評価


破壊検査

接着力を評価するには、実際に被着材を接着したものを剥がす破壊検査を行なう。接着剤と被着材それぞれの種類や接着条件によって強度は大きく左右されるため、複数の接着剤を評価するに当っては同一の被着材および条件下で接着した検体を準備しなければならない。


接着時の破壊検査方法はJIS K6848にて規定される。破壊検査は、試験サンプルに加える力の方向により3種類に大別される。

引っ張り - 接着面に対し垂直方向の応力をかける。

剪断 (せんだん)- 接着面に対し平行方向の応力をかける。

剥離(はくり) - 被着材を引き剥がす。

接着剤の破壊箇所は、一般に以下の3箇所が混合する形で起こる。図は被着材が同一の場合を示しており、異なる材質を接着するケースでは破壊は5箇所の混合となる。これら破壊は一様には起こらず、接着剤の厚さ・破壊検査の方法・サンプルの寸法・破壊速度・寿命・温度や湿度などの外的条件により左右されることを念頭に置かなければならない。これら破壊箇所の判定は基本的に観察手法に依存する。
凝集破壊(cohesive failure)
硬化した接着剤層が破壊する。この場合、接着剤が要求強度を満たしていない場合が多く、種類の選定または接着時の条件を適正にする必要がある。
接着破壊(interfacial failure、界面破壊)
接着剤層と被着材層との境界面が破壊する。この場合、接着力そのものが不充分と考えられる。種類選定または接着条件の適正化とともに、被着材の表面状態についても考慮する必要がある。
基材破壊(adherend failure)
被着材そのものが破壊する。この場合、接着剤および接着力は充分な強度を持っており、むしろ被着材の強度を検討する必要がある。



非破壊検査

破壊を伴わない接着剤の検査には打法(タッピング法)もしくは超音波などを使用した透過測定法がある。


関連法令


含有物質の規制

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第二条第二項、第一種特定化学物質 ⇒[1]

有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 ⇒[2]不特定多数の、しかも常時直接人に触れる可能性の高い家庭用品については、その含有物質について工業用途などと比較すると厳しい制限が施されている。下表は2003年の最新改訂における対象20物質を列記しつつ、特に接着剤関連にあてはまるであろう物質をボールド体で表記している。

物質名基準検査方法
ホルムアルデヒド幼児用16ppm以下または吸光度差0.05以下,一般用75ppm以下アセチルアセトン法
ディルドリン30ppm以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
4,6-ジクロル-7-(2,4,5トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール30ppm以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
有機水銀化合物検出せず原子吸光法
トリフェニル錫化合物検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリブチル錫化合物検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリス(1-アジリジニル)ホズフィンオキシド検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト検出せずフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ
ビス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト化合物検出せず炎光光度型検出器付ガスクロマトグラフ
塩化ビニル検出せず赤外吸収スペクトル法
メタノール5w/w%以下水素炎型検出器付ガスクロマトグラフ
テトラクロロエチレン0.1%以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
トリクロロエチレン0.1%以下電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフ
塩化水素酸の量10%以下かつ容器が強度を有する
硫酸酸の量10%以下かつ容器が強度を有する 
水酸化ナトリウムアルカリの量5%以下かつ容器が強度を有する
水酸化カリウムアルカリの量5%以下かつ容器が強度を有する
ジベンゾ-a,h-アントラセン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-アントラセン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-ピレン防腐剤・防虫剤10ppm以下、防腐または防虫処理木材3ppm以下質量分析型ガスクロマトグラフ

建築基準法第二十八条の二 ⇒[3]
2003年に追加された条文は、いわゆるシックハウス症候群の原因物質を規制するために定められた。その骨子は、クロルピリホスの使用禁止と、ホルムアルデヒドを発散する建築資材の使用面積制限(下表)を定めている。これらは原材料のひとつである接着剤の成分にも大きく関連する。

使用制限等級記号等級の名称発散する速度の基準値
なしF☆☆☆☆新上位規格?0.005mg/m2h
制限ありF☆☆☆第3種ホルムアルデヒド発散建築材料0.02mg/m2h?0.005mg/m2h
制限ありF☆☆第2種ホルムアルデヒド発散建築材料0.12mg/m2h?0.02mg/m2h
使用禁止F☆第1種ホルムアルデヒド発散建築材料0.12mg/m2h?

RoHS指令


含有物質の表示義務

特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法) ⇒[4]

家庭用品品質表示法[5]

製造物責任法(PL法) ⇒[6]


取扱い・梱包・運搬等

消防法[7]

労働安全衛生法[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki