日本ではかつて英語の"Detective Novel"、"Detective Fiction"の訳語として探偵小説と呼ばれていたが、第二次大戦後、「偵」の字が当用漢字に入れられなかったため、「探てい小説」と混ぜ書きで書くことになった。しかし、これを「みっともない」として「推理小説」という言葉が作られ、一般的になった。1946年に雄鳥社が「推理小説叢書」を発刊した時に、その監修者の木々高太郎が命名したという説もある。「偵」の字は1954年の当用漢字補正案で当用漢字に入れられたが、既に「推理小説」という言葉が広まっており、「探偵小説」に戻されることはなかった。「探偵小説」は、ジャンル名としては廃れていったものの、ロマン的な響きを持つため、未だ愛用している人も多い。
また、「ミステリー小説」(あるいは「ミステリ小説」)、もしくは単に「ミステリー(ミステリ)」とも呼ばれる。
推理小説を著す作家は、推理作家、ミステリ作家などと呼ばれる。推理小説を専業にする作家と、他のジャンルの小説をも同時に手がける作家と、大きくこの二つに分けられる。近年では、作家本人は推理小説を書いている意識がないのにもかかわらず、読者や評論家から推理作家に分類されてしまう場合があるなど、書き手と読み手との意識のずれもみられる。著名な作家については推理作家一覧を参照のこと。
推理小説には、いわゆる「名探偵」が登場して事件を解決することが多いが、専業の探偵の登場しない推理小説も多い。このため、警察官や検事、弁護士なども含めて、推理小説における謎を解決する人物の総称として探偵役などのようにいう場合もある。特にその探偵役が主婦や学生などの場合は、(いわゆる「日常の謎」派の探偵をのぞき)「素人探偵」と呼ぶことがある。
関連項目
日本推理作家協会
推理作家一覧
ノックスの十戒
ヴァン・ダインの二十則
参考文献
畔上道雄『推理小説を科学する?ポーから松本清張まで』(『ブルーバックス』B-532)、講談社、1983年4月。ISBN 4-06-118132-7
権田萬治・新保博久監修『日本ミステリー事典』(『新潮選書』)、新潮社、2000年2月。ISBN 4-10-600581-6
権田萬治監修『海外ミステリー事典』(『新潮選書』)、新潮社、2000年2月。ISBN 4-10-600582-4
高橋哲雄『ミステリーの社会学?近代的「気晴らし」の条件』(『中公新書』940)、中央公論社、1989年9月。ISBN 4-12-100940-1
森英俊編著『世界ミステリ作家事典[本格派篇]』、国書刊行会、1998年1月。ISBN 4-336-04052-4
森英俊編『世界ミステリ作家事典[ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇]』、国書刊行会、2003年12月。ISBN 4-336-04527-5
ハワード・ヘイクラフト編(仁賀克雄編・訳)『ミステリの美学』、成甲書房、2003年3月。ISBN 4-88086-143-X
脚注^ 山村正夫『推理文壇戦後史』p.87(双葉社、1973年)
^ 山村正夫『推理文壇戦後史』p.87(双葉社、1973年)
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更新日時:2008年9月17日(水)13:27
取得日時:2008/10/08 04:08