ほとんどの導体において、電子の流れ(電流)は拡散によって起きる。電荷キャリアー(ふつうは電子)は電場がない場合にはランダムに動いている。電場をかけるとキャリアーは流れ出し、正味として電流になる。移動速度は導体の電気伝導度と電場に支配される。
固体の表面を流れる流体の層流では、運動量が表面近くの境界層を通して拡散する。この場合には、表面と接する流体(全く運動せず運動量はゼロ)と表面から離れた流体の間に運動量勾配ができ、運動量は流れの速度に比例する。運動量の輸送速度は流体の粘度と運動量勾配に支配される。
光学的深さが大きく平均自由行程が非常に短いような物質内を光子が進行するときには、そのふるまいは散乱に支配され、各光子の経路は事実上ランダムウォークとなる。
この状況では、光子のアンサンブル(統計力学的集団)としてのふるまいは拡散方程式で表現できる。
一般に拡散は勾配を下る方向(例えば濃度の高いところから低いところへ)の移動として起る。が、必ずしもそうとは限らない。相分離の過程では、物質が高濃度の方へ拡散することもある。これは2相間での濃度勾配が安定的に成立するからである。この現象を逆拡散という。
熱が温度勾配のある物質中を移動する(たとえばコーヒーを入れたカップの外側がだんだん熱くなる)場合、移動の速度は熱伝導率と温度勾配に支配される。熱拡散現象とは異なる現象である。
外部からの攪拌などによって拡散が生じることを強制拡散という。
脚注^ ⇒IUPAC Gold Book - diffusion
関連項目
熱力学
統計力学
流体力学
輸送現象
拡散方程式
フィックの法則
ブラウン運動
浸透圧
ミエログラフィー
拡散ポンプ
カテゴリ: 物理化学の現象 | 細胞生物学
更新日時:2008年9月16日(火)16:03
取得日時:2008/10/03 13:08