行政法とは、行政機関が公権力を行使する際の手続きや制限を定めたものである。 行政法の分野においては「法律による行政の原理」が妥当する。そのため、オットー・マイヤーを中心として行政法においては慣習法は法源性を有しないとする見解も強く主張された。
しかし、今日では、行政機関の慣習として、慣習法の成立の余地を認めるのが通説である。例えば、既に存在する行政法規に反しない慣習については、慣習法が成立する余地がないわけではなく、特に公物利用権に関しては地域的な慣習が、行政機関の判断基準としての慣習法として認められる例があるとされる。
例えば、慣行水利権は、河川法に基づいて、河川法施行以前から河川の水を利用していた者に対して与えられる特許である。主として、江戸時代からの慣習によって利用権を有していた者や、河川法施行以前に設定によって利用権を取得していた者に対して与えられる。慣行水利権は、河川法施行以前から河川の水の利用権を有していたことが確認されれば与えられるが、その判断基準は、河川法に規定がないため行政機関の慣習によって行われてきた。河川法によれば、慣行水利権は河川法施行以前から河川の水の利用権を有していた者に対して与えられるものであるから、河川法施行後において、河川の利用を始めた者が慣行水利権を与えられることはない。
最高裁判所の判例は、下級審裁判所の判断を事実上拘束する。下級審裁判所が、判例に反する判断を下したときは、上告受理申立理由となる。
最高裁判例は、私法慣習についても下級審裁判所の判断を規制するが、私法慣習自体について規制するものではない。例えば、何が公序良俗違反に当たるかという私法慣習に対する最高裁判例は、それ以降の下級審裁判所の判断を規制するが、それによって、私法慣習が固定されるものでなはい。
国際法においては、慣習国際法は条約と並ぶ重要な法源の一つであり、実際、長い間不文法として法規範性を有していた。なお、国際司法裁判所規程38条1項bによると、国際法の法源として「法として認められた一般慣行の証拠としての国際慣習」(international custom, as evidence of a general practice accepted as law) を準則として適用するとされている。
慣習国際法が成立する要件としては、同様の実行が反復継続されることにより一般性を有するに至ること(一般慣行, consuetudo)と、国家その他の国際法の主体が当該実行を国際法上適合するものと認識し確信して行うこと(法的確信, opinio juris sive necessitatis)の二つが必要であると考えるのが一般的である。
もっとも、前者の要件については、いかなる範囲の国家によって、どの程度実行されていれば要件を満たすのかにつき問題となることが多く、後者の要件についても、関係機関の内面的な過程を探求することはほとんど不可能であるため、外面的な一般慣行から推論せざるを得ないことが多い。
関連項目
コモン・ロー(英米法)
法学
カテゴリ: 日本中心の項目 | 法源
更新日時:2008年6月27日(金)21:18
取得日時:2008/10/07 13:50