取締役会長の略で、取締役会のトップを指す。しかし、従来の日本の会社では、前社長が第一線を退いた後に就く名誉職的な扱われ方がされる事が多いので、取締役会長であるからといって取締役会を仕切るというわけではなく、取締役会長のほかに取締役会議長が存在することもある。
ただし最近では、会長が会社全体の戦略を指揮し、社長が日常の業務執行を指揮するといった分担をすることもあり、その場合は会長が事実上のトップといえる。
文字通り、会社のトップである。銀行では、頭取と呼ぶところが多い。社長は、通常は取締役(代表取締役)であるが、あくまで会社内部の名称であるから、取締役(代表取締役)である必要は法律上はない。かつてのライブドアの平松庚三執行役員社長(2006年6月14日の取締役選任まで。現在は社長を退任)が、取締役でない社長の典型例である。
社長に準じる地位。1人とは限らず、複数いる場合もあるし、存在しない場合もある。なお、アメリカ流のバイス・プレジデントは、直訳すると副社長であるが、日本語の副社長よりも低い地位の場合が多い。
会社の業務全般の管理を担当し、社長を補佐する役員。取締役か執行役であることが多いが、そうではない単なる執行役員の場合もある。また、取締役か執行役であっても代表権がある(代表取締役、代表執行役)とは限らない。もっとも、代表権がなくても表見代表取締役( ⇒354条)として、取引相手から会社の責任が問われる場合もある。常務との関係は、本来は担当職務の違いに過ぎないはずであるが、実際は常務よりも上の役職とされることが多い。
会社の日常的業務を担当し、社長を補佐する役員。取締役か執行役であることが多いが、そうではない単なる執行役員の場合もある。また、取締役か執行役であっても代表権がある(代表取締役、代表執行役)とは限らない。もっとも、旧商法では代表権がないにもかかわらず常務取締役などの名称を付していた場合、表見代表取締役(旧商法262条)として取引相手から会社の責任が問われる場合もあるとされていたが、会社法では明文から「常務」の文言は外されたため( ⇒354条)、単に常務取締役としたとしても表見責任は問われなくなったといえる。専務との関係は、本来は担当職務の違いに過ぎないはずであるが、実際は専務に次ぐ役職とされることが多い。
会社の業務執行を行う役員のこと。会社法の執行役とは異なるので注意。取締役である者にも付けること(例・代表取締役兼執行役員社長)もあるが、取締役ではない役員に付けることの方が多い。近年は、取締役会の意思決定を迅速化するためと取締役の過大な責任を避けるため、取締役の数を絞る傾向がある。そのため、取締役ではない役員待遇の従業員を執行役員と呼ぶ。日本ではソニーが初めて執行役員制度を導入した。
相談役・顧問
会社経営について助言を行う役員。社長や会長の経験者など経営の第一線を退いた者がなる名誉職的な役職であることが多い。顧問については、外部から招へいされて取締役に選任される予定の者が、株主総会までの間、一時的に就任する役職として使用されることもある。創業者や元社長などで会社の発展に影響の大きかった者を、最高顧問という役職にすることもある。最高顧問から相談役になる場合もある。取締役ではない場合が多いが、相談役は取締役の場合もある。
特に英米のアングロサクソン系の企業では、コーポレートガバナンス(企業統治)の観念が普及したことで、日本の会社経営とその運営の内容が異なる。アングロサクソン型の企業統治のもっとも重要な特徴は、株主の利権を代表るべき取締役会と会社経営のトップであるCEO(Chief Executive Officer、会社の社長にあたる)のより明確な分離である。これは、過去に会社の社長(President)が取締役会の会長(Chairman of the Board of Director)と同一である場合に会社の私物化がおこり、会社(株主)の利益に反する経営が行われることによる。このため、取締役会の会長とCEOの兼任の禁止、さらに取締役会の半分以上の人間が社外の人間であるのが好ましいとされる。実際に、英国ではこれが法律で義務付けられている。取締役会の重要な役割は、業績を出さないCEOを首にする、さらにCEOおよび他の重役(Executive)の報酬を決定することである。
さらに、重役にあたるChiefが頭に着く役職の典型例として、Chief Executive Officerが社長、Chief Operating Officerが営業部長、Chief Financial Officerが財務部長、Chief Administrative Officerが総務部長、Chief Marketing/Communication Officerが広報部長、人事部長(Director of Human resource)、Chief Technology Officerが技術部長など、部の分類はあくまで世界共通の会社組織の内容に対応しており、日本の企業の内訳とそれほど違いがあるわけではない。しかし、日本のような会長・社長・専務・常務・部長・課長・係長・平社員といった階級制による職制でなく、業務別に責任範囲を明確にした組織運営が強調される。例えば、管理職のレベルで、財務部の社員が営業や広報に移るということはほとんどない、ということである。また、あくまでも会社の業務の中核にあたらない部門責任者(総務・広報・財務など)が取締役になるということはない。
社内出世で社長/CEOを目指す場合は、営業部で業績をあげることが前提になる。この場合に、例えば財務部に勤務するものは自分部の部のCFOを目指し、CFOはよりランク上の会社のCFOの職につくことでキャリアを追求することになる。ただし、メーカなら製造部や技術部門、金融ならCFOがCEOに出世することもありうるが、これはこれらの役職が事実上COOにあたるからである。また、人事部長がChief Officerでないのは、欧米ではそれぞれの部署の責任者(課長以上)が直属の部下の人事権(解雇を含む)を握っていることが多いため、日本のように人事部の重要性が低いためである。また、法的にみてChiefの役職を持つ者は、その責任部門に関して法的な拘束権利および義務があるということである。つまり、例えば財務部長が融資に関して何らかの約束を行った場合は、会社全体が法的にその約束を執行責任を負う。CEOの言動は会社のすべての業務に対して法的責任を生じさせる。
日本においては委員会設置会社がアメリカ型の企業統治とされるが、委員会設置会社でも CEO や COO などの名称を使用しない場合もあるし、委員会設置会社ではないが CEO や COO などの名称を使用する場合もある。そのため、日本では、上記のような取締役会とCEOの明確な分離が、必ずしも行われているわけではない。
最高経営責任者(CEO)
チーフ・エグゼクティブ・オフィサー (Chief Executive Officer)。直訳は首席執行役員。アメリカ型の株式会社における会社経営のトップの責任者である役員。業務に関する決定と執行を分けて考え、決定に関する責任者といえる。業務執行の意思決定は取締役会が行うのであるから、取締役会長が CEO を兼任することが多いが、社長が兼任する場合もある。また、会社によっては CEO や COO を置く場合、社長や会長という役職が存在しない場合もある。英国会社のチーフ・エクゼクティブ (Chief Executive) に相当するが、英国会社のチーフ・エクゼクティブは取締役会長を兼務することが禁止されている。
最高執行責任者(COO)
チーフ・オペレーティング・オフィサー (Chief Operating Officer)。この場合のOperation=営業であり事実上の営業部の長を指す。アメリカ型の株式会社における会社の業務執行の責任者である役員。CEO の決定に従って業務執行を行うので、第2位の役職といえる。COO は社長が兼務することが多いが、社長という役職が存在しない場合もある。CEO とは別の役員が就くことが多いが、CEO と COO を兼任する場合もある。