強盗利得罪や利益強盗罪とも言う。
利益が不法という意味ではなく、利益を得る方法が不当という意味である。通説的見解によれば、民法では保護されない不法原因給付であっても刑法では保護されうる。例えば、麻薬の購入資金を預かり、これを不法に領得する目的で暴行・脅迫を加えた場合、二項強盗罪が成立する(最判昭和35年8月30日刑集14巻10号1418頁、強盗殺人のケース)。
他に判例で認められたものの例として、暴行・脅迫を用いて、自動車乗車賃の支払いを免れる(大判昭和6年5月8日刑集10巻205頁)、飲食物の代金支払いを免れる(大阪地判昭和57年7月9日判時1083号158頁)、債権証書を認めさせて債権を発生させる(朝鮮高院大正3年8月13日朝高録2巻248頁)などがある。
二項強盗罪の成立に被害者の処分行為の存在が要求されるかにつき、必要説と不要説が対立する。財産上の利益の移転を認定することは財物の移転の場合ほど簡単ではないことから必要説も一理あるが、反抗を抑圧するのに被害者の処分行為を要求するのは論理的でないことから不要説が有力である。判例は大審院時代に必要説をとっていた(大判明治43年6月17日刑録16輯1210頁)が、後に不要説に転じ(最判昭和32年9月13日刑集11巻9号2263頁)、最高裁も不要説を踏襲している。
判例で認められたものの例として、強盗を共謀して包丁などを買い、これを携えて徘徊する行為(最判昭和24年12月24日刑集3巻12号2088頁)や、自分が着用しているバンドで首を絞めて強盗をする目的でタクシーに乗り、機会をうかがう行為(東京高判昭和32年5月31日高刑特4巻11=12号289頁)などがある。
本罪の強盗に事後強盗が含まれるかどうかで争いがある。事後強盗罪の条文は強盗予備罪の条文の後にあることなどから否定説も有力であるが、「強盗として論ずる」という238条の文言などから、判例及び多数説は肯定説を採っている(最決昭和54年11月19日刑集33巻7号710頁)。
本罪は、殺人予備罪と異なり、刑罰を免除しうる規定が存在せず、刑罰に不均衡を生じているとの批判がある。特に、予備罪について中止犯を認めない立場に対しての批判の理由として用いられる。 なお、殺人罪に執行猶予がありえ、強盗致傷罪に執行猶予がありえない(特に万引きして店員をケガさせた場合を指している)問題については、関係する刑法の改正がはかられようとしている。
強盗と強姦の関係については、強姦罪を参照。
強盗罪は、侵害した占有の数に応じて成立する。
タクシーの乗客が一個の暴行・脅迫で代金支払いを免れ、売上金を奪取した場合、240条の包括的一罪である。
上述「居直り強盗」の事例において、窃盗既遂罪は強盗既遂罪(未遂罪)に吸収される。
関連項目
窃盗
窃盗罪
強盗
事後強盗罪
昏酔強盗罪
強盗致死傷罪
強盗強姦罪
参考文献
前田雅英 『刑法各論講義-第3版』 東京大学出版会、1999年。
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不動産侵奪罪
刑法「第二編 罪」
236条〜237条
242条〜245条
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事後強盗罪
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更新日時:2007年12月8日(土)06:58
取得日時:2008/08/27 11:33