シースナイフは、折りたたみ機構を持たず、保管時に刃をシース(鞘)に収めて保護する構造のナイフ。鞘をベルト等に取り付けて、そこから取り出して使うことも出来る。堅牢性や刃渡りを必要とする用途に用いられる構造。
鞘を着ける位置によって違う呼び方をする場合があり、例えばブーツに鞘を取り付けて使用するものをブーツナイフと呼ぶが、特殊な装着位置のものは殆どが秘匿を目的とする、後述するファイティングナイフやダガーの類である。ボウイナイフ
ボウイナイフは1836年のアラモ砦の戦いに守備側で参加したジェームズ・ボウイ大佐が使用したナイフを原型とする、やや大ぶりで片刃のナイフである。武器であると同時に日用品としても利用でき、一般にいうところの登山ナイフやサバイバルナイフの原型となっている。
世界には多種多様なナイフが存在している。中にはある極めて限定された用途に特化したナイフもあり、こうしたナイフは本来の用途以外には使いづらい場合も多い。本節ではこれら多種多様なナイフのうち代表的なものを一部紹介する。
包丁は英語ではkitchen knifeと呼ばれ、ナイフの仲間として扱われている(和包丁や中華包丁もknifeである)。
家庭用として最も一般的なキッチンナイフ(いわゆる 文化包丁あるいは三徳包丁)はステンレス製で軽量な作りをしており、刃は薄刃で野菜も肉も一通り切れるようになっている。刃の先端は細く、根元は広く丈夫に作られており、刃の終わりは直角になっていてジャガイモの芽を取る等の細かい作業に向く。握りが他のナイフと比べても太く握り易い形状になっているのは、キッチンナイフは濡れた手で扱われる事が多いためである。薄刃になっているのは、食材を細かく切りやすいからである。
肉類専用のキッチンナイフ(筋引き)は、特に細長く作られる。肉や魚を切るためのフィレナイフは、特に生の肉類を切り分けやすく作られている。ブレッドナイフはパンの柔らかい部分が側面に張り付かないように細く、また固い外側を切るために、鋸状の刃になっている。
ヨーロッパの食文化においては独特の食卓用ナイフが広く用いられる。古くは調理された肉を切り取るためにナイフ全般同様によく切れる刃がついていたが、今日広く使われるものでは細かい鋸刃を持つものがみられる。ただ、食卓で塊の肉(七面鳥の丸焼きなど)を切り分ける際にはよく切れるフィレナイフが利用されるし、果物を切り分けたり皮をむく場合にはやはりよく切れるフルーツナイフが利用される。
なお機内食に供される食器ではハイジャック防止の観点から、プラスチック製の鋸刃のものが利用されているともされるが、ただ実際には、食器を使い捨てとすることで衛生的で簡便な食事の提供を目指している(→機内食)。
このほかバターやジャムなどペースト状の食品をとったりパンに塗るための「バターナイフ」は明確に刃付けされていないものもみられる。
精肉業者が用いるナイフで、性質的には「叩き切る」という側面において鉈(なた)や斧に近く、汎用の刃物ではない。食用の獣肉を切り分けるという目的に特化した独特の構造・形状を持ち一般では利用されないが、かつて一般の家庭でもニワトリなどの家禽程度であれば屠殺が行われていた時代・地域によっては、農村部を中心に、似たような用途・形状の刃物が用意されていた。
電工ナイフ日本の電工ナイフ。右から折り畳みタイプ、鞘付きタイプ、その鞘。鞘の突起をスライドするとロックが掛かりナイフが脱落しない。左端は加工中の電線。
主に電気工事士が電線の被覆剥き等の線材加工などに使うナイフ。腰に着けた工具ベルト(安全帯・胴綱)へ安全・コンパクトに収納できることから、旧来からのものは折りたたみ式であるが、高所作業の多い電気工事の現場では刃を出し入れしなければならない作業効率の悪さから、最近では折りたたみ機構を廃しベルトに吊るプラスチック製の鞘とセットになった電工ナイフがよく使用される。
突く作業がないことから先端が尖っておらず、鉈に似た形状をしていて刃も厚めである。多くの電工ナイフはこのような形状だが、普通のナイフのような形のものもある。力を加えて正確な作業をするため切先を使うことは少なく、刃の中央から手元寄りを主に使う。硬度の高さと手入れの容易さを求められることから鋼の製品が多く、通常の砥石で砥ぐことが出来る。刃付けは両刃で角度はやや鈍く、過度の切れ味より芯線を傷つけない程度の切れ味が良いとも言われるが、研ぐ電気工事士本人の錬度や好みが出る。
一般的な電工ナイフは「電工」と言っても絶縁性のある造りではなく、むやみに充電部(電気の流れている場所)に触れて工事するのは危険である。充電部への加工が必要な場合は専用の絶縁電工ナイフを使用するが、専ら特殊用途である。 柄の部分は木またはプラスチック製であるものが多く、また高所や狭い場所で取り落として作業に支障をきたしたりしないよう、鞘に脱落防止用のロック機構があったり、柄の部分に長い紐をつけて扱えるよう紐穴が設けられた製品が主である。
映像・音響用ケーブルなど被覆が柔らかく芯線も柔軟な場合では、使用する線材によってカッターナイフなどで代用される場合がある。芯線が柔軟な場合には、電工ナイフで芯線に傷をつけてしまうこともある。ただし電源用ケーブルなど配電用のものでは被覆が硬くカッターナイフでは力不足(カッターナイフでは刃が薄いため、力を入れると撓ったり折れてしまい扱いづらい)であるため、電気工事士はこの電工ナイフを使用しており、資格試験においても同ナイフの扱いが試験問題の中に見られる。 実技試験においては電工ナイフではなく工作用カッターナイフを使用してもよい。また、2003年度(平成15年度)よりワイヤーストリッパー(皮むき機)の使用ができるようになった。
ダイバーズナイフ(ダイビングナイフ、水中ナイフとも)はスキン・ダイビング程度ではあまり必要ではないが、スキューバダイビングの場合には必須とされる。海中で使用するため、刃には錆びにくいステンレスが用いられ、中性浮力に近づけるため柄には中空で刃以上の大きさを持つ樹脂が用いられたり、コミュニケーション手段に水中でエアタンク(空気ボンベ)や石を叩いて音が出しやすいように柄の端に金属が剥き出しになっていたり、手袋をはめた手でも脱着しやすいように工夫されている。