主島はかつて一つの島だったが、1672年に大船越瀬戸が、1900年に万関瀬戸がいずれも人工的に建設され、細長い主島を南北に3つに分離している。過去には南部を上島、北部を下島と呼んだこともあったようだが、現在は、万関瀬戸より北部を上島(かみじま)、南部を下島(しもじま)と呼ぶ。
主島は山がちで険しく、耕作に適した平地は少ない。また、陸上交通も不便である。対馬島のこのような地形は、人々の生活や歴史に大きな影響を与えてきた。
全体に山がちだが、特に下島の方に標高の高い山が多い。下島の内山盆地(うちやまぼんち)の北には島最高峰の標高648.5mの矢立山(やたてやま)、内山盆地の南部に標高558.5mの龍良山(たてらやま)、下島中央部に標高558.2mの有明山(ありあけやま)、標高515.3mの白嶽(しらたけ)、上島北部には標高457.8mの御嶽(みたけ)が位置する。
地質は、大部分が新生代古第三期に形成された堆積層で、対州層と呼ばれる。また、上島の北部の御岳周辺には玄武岩が、下島の東部には石英斑岩が、下島中央部の内山盆地周辺には花崗岩が分布している。
対馬の周りには暖流である対馬海流が流れているため、その影響で比較的平年を通して暖かく、雨が多いという典型的な海洋性の気候を有している。
春は日本の西のアジア大陸から吹いてくる季節風が原因で、ゴビ砂漠などの黄砂の影響を多大に受ける。夏は30℃を超える日は滅多になく、比較的涼しく過ごしやすい。秋は比較的雨が少なく、冬は大陸から吹く季節風の影響で寒さが厳しくなる。
島の面積の89%を山林が占めており、島の原始林や杉・大ソテツなどが国や県によって天然記念物に指定されるほど自然が豊かである。また、植物は大陸から渡ってきた植物、対馬のみ生息する植物、日本本土に生息する植物と多種多様に存在し、対馬島の自然の豊かさを演出している。
本来の植生は広葉樹林だが、林業による針葉樹林も多い。
対馬の沿岸部には、所々に小規模なサンゴ礁が分布している。2007年には、対馬のサンゴ礁でも白化現象が確認されている[5]。
対馬島は固有の動植物や、日本では対馬でしか生息していないユーラシア大陸との共通種が数多く生育・生息しており、豊かな自然環境を呈するためいくつかの自然保護区が指定・設定されている。1968年(昭和43年)7月22日に、対馬島は壱岐島とともに壱岐対馬国定公園に指定されている。アジア大陸のベンガルヤマネコの亜種であるアムールヤマネコの変種であるツシマヤマネコなど希少種の保護のため、1989年(平成元年)11月1日に対馬島北部の伊那は国指定伊奈鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定されている(面積1,173ha)。また、洲藻白岳原始林、竜良山原始林、御岳鳥類繁殖地、鰐浦ヒトツバタゴ自生地が、国の天然記念物に地域指定されている。
主な対馬固有の動植物
哺乳類
ツシマジカ
ツシマテン
ツシマヤマネコ
クチバテングコウモリ
対州馬(家畜種)
爬虫類
ツシマスベトカゲ
ツシママムシ
両生類
ツシマアカガエル
ツシマサンショウウオ
昆虫類
ツシマカブリモドキ
ツシマヒメボタル
軟体動物
ツシマナメクジ
植物
オウゴンオニユリ
ツシマギボウシ
ツシマトウヒレン
ツシマニオイシュンラン
ツシマヤマネコとは、対馬島にのみ生息するベンガルヤマネコの亜種と考えられている野生のネコである。近年は交通事故等の原因により頭数が激減していたため、その保護活動が盛んである。1949年には非狩猟鳥獣指定、1966年に長崎県指定天然記念物、1971年に国指定天然記念物に指定されている。
詳細はツシマヤマネコを参照
日本では対馬のみに生育・生息する主な大陸系動植物
哺乳類
コジネズミ
ツシマクロアカコウモリ
爬虫類
アムールカナヘビ
アカマダラ
両生類
チョウセンヤマアカガエル
虫類
アキマドボタル
キンオニクワガタ
チョウセンヒラタクワガタ
ツシママダラテントウ
ハラアカコブカミキリ
ツシマメクラチビゴミムシ
植物