宮城県の1人あたり県民所得はおよそ250万円(2001年)で全国的には中位に位置する。
以前は、仙台都市圏とその他の地方の所得格差があったため、仙台市が求職者を吸引して社会増を実現し、毎年1万人程度の人口増があった。同時に仙台市のベッドタウンとなっている周辺自治体の人口増もあった。しかし、1998年頃から仙台市の社会増の減少が顕著になってきている(周辺自治体は社会増がある)。これは、仙台の景気後退を受け、東京と仙台との間の所得格差が開いたために、仙台よりも東京に就職口を求める傾向が出てきたことによる。ただし、高卒の就職口としては仙台が未だ人気があるため、東北地方の他県からの求職者が仙台に集中して競争率が上がり、宮城県内の高校卒業者の就職内定率は東北地方内で最低水準が続いている。なお、仙台都市圏以外では、道路の改良によってロードサイドショップの商圏が拡大している大崎市(旧古川市)が社会増となっており、宮城県の第二の都市の地位を石巻から奪う勢いがあるが、最寄品を販売している中心部商店街は苦境に立っている。
宮城県内の経済は、仙台市周辺から石巻市にかけての「仙台湾沿岸部中心」の時代から、内陸部の仙台都市圏を中心とした「国道4号沿い」に変化しており、これは関東での「東京湾沿岸の時代」から、北関東を含めた「首都圏の時代」への転換と同期している。
第一次産業は、デフレによる農産物の価格低迷、水産物の水揚げ高の変動や重油価格の高騰により不況感がある。第二次産業は、工場の統廃合や業界再編の時期が過ぎ、収益性が上がってきている。第三次産業は、他の七大都市圏を擁する都道府県と同様に、仙台都心部で仙台経済圏を対象とした広域ビジネスを展開する高級消費財を扱う業種、各地域の大型ロードサイドショップが好調なのに対し、商圏が半径数百m程度の最寄品を販売する小規模商店は苦境に立っている。
総生産額は1888億円、県内総生産に占める割合は2.2%(2001年)
農業:平野部では、米(ササニシキ、ひとめぼれ等)が主であるが、南部の沿岸地域では、海洋性気候によって宮城県内においては温暖であり、奥羽山脈・阿武隈高地(亘理丘陵)に雪雲が遮られて冬季の晴天率が高いことを利用し、イチゴなどのハウス栽培もおこなわれている。また、松島丘陵(特に利府町)では梨の栽培が盛んであり、高原では高級和牛牛肉である仙台牛の産地となっている(みちのく三大牛:米沢牛・前沢牛・仙台牛)。
漁業:全国有数の水揚げ高を誇る漁港がある。以下に、2002年の貝類・海藻類を除く海での漁獲高による全国順位等を示す。
5位 石巻港(10.8万t):かつお類、いか類、いわし類
7位 気仙沼港(8.8万t):さんま、かつお類、まぐろ類
16位 女川港(4.5万t):さんま
その他、塩釜港の漁獲高も多い(近海マグロが多い)。松島湾や三陸海岸の入り江では、牡蠣・ホタテ・ホヤなどの養殖漁業も盛ん。仙台市の沖合い2km辺りでは海苔の養殖も行われている。県内の主要港は、遠洋漁業(マグロ、以前はクジラも)の基地としても機能しているため、自然と海外との交流をしており、外国人船員も多く立ち寄る。また、かつおを追って北上してくる高知県の船員や、さんまを追って南下してくる北海道の船員も多く立ち寄っており、仙台駅、仙台空港に並ぶ、宮城県の第3の玄関口となっている。
総生産額は1兆8753億円、県内総生産に占める割合は21.7%(2001年)
食料品:水産加工品など
電気機械:IC等の電子機械等
石油石炭製品:工場は仙台港周辺に集中立地している。
紙パルプ:石巻市と岩沼市に大規模な工場(日本製紙)がある。
総生産額は6兆8098億円、県内総生産に占める割合は79.6%(2001年)
サービス業、卸売小売業共に仙台市を拠点としている。
仙台経済圏の成立により、物販面では、高額商品やファッション性の高い買回品・専門品の販売地として一番町と仙台駅前が求心力を強め、その商圏が仙台経済圏の周辺都市圏にまで広がりを見せている。
娯楽・レジャー面では、仙台市都心部や仙台都市圏が供給する文化・スポーツイベントなどの求心力が、仙台経済圏に及んでいる。ただし、県内の小規模市町村のみならず仙台市内も含め、最寄品の販売を中心としてきた地元商店街は、郊外型大規模小売店・ロードサイドショップ・スーパーセンターに、価格競争や駐車場などのサービスで敗北して衰退している。
規模の大小があるが、周辺地域から集客する能力のある商業拠点に以下のようなものがある。宮城県内の各地域の商業事情だが、集客力は仙台都市圏が優勢でその他の都市の商業基盤は沈下傾向にある。
仙台都市圏
仙台市
都心部 : 一番町、仙台駅西口
副都心 : 泉中央副都心、長町副都心
歓楽街 : 国分町 、仙台駅周辺、泉中央駅西口
主要幹線道路にはロードサイドショップや大規模郊外店が集積し、中心部商店街の地盤沈下が危ぶまれたが、高速バスの発達等により、宮城県内はもとより、山形県や福島県などからも集客が進み、特に一番町ではブランド街化が進んでいる。また、人口の約1%(約1万人)が外国人居住者であるが、大学・専門学校等の教員や学生が多く、他の大都市圏のような飲食店や小売業などにおける存在感は希薄である。ただ、韓国料理や東南アジアの料理などにおいて少しずつその存在感は増してきている。