定時制の課程(定時制課程)とは、夜間その他特別の時間帯又は季節において授業を行う課程のことである。
おもに昼間仕事に就き、終業後に夜間に学校に来て学習する生徒のために作られた課程である。そのため、基本的には夜間に授業をするもの(夜間部)が多いが、交代勤務の工場労働者等を対象に、昼間に授業を行うもの(昼間部)も存在した。
近年になって、全日制の課程に通いきれない、いわゆる不登校に近い生徒などが増えてきて、それらの生徒への対応の一環として定時制の課程が利用されてきているという現象もある。そのため、より多様な教育の機会を提供するために、三部制(後述)や昼夜間定時制などの新しい形態のものも設立されるようになってきている。朝(8:00 - 12:00)や昼(12:00 - 16:00)に授業をする昼夜間定時制の学校が増え始めている。また朝、昼、夜に授業を行う学校は三部制と呼ばれる。
また東京都立新宿山吹高等学校定時制課程では、1部(8:45 - 12:30)、2部(10:45 - 15:00)、3部(13:15 - 17:00)、4部(17:25 - 21:20)の四部制の授業を行なっている。これらの制度は、朝から夕方前までの授業に出席できない生徒に対して対応するように考えられたものである。
例外として、科学技術学園高等学校は全日制と変わらず、45分6時間授業(進学コースは7時限)を行っている。定時制の中で部活動に一番力を入れている高校として有名である。
現在では不登校だけでなく通院、就業、高等専修学校とのダブルスクールに配慮した形の開講形態になっており、多部制を中心に大学との単位互換など、全日制では対応できない、より個性を尊重するような取り組みがなされている。
1日に4時間程度の授業を行なう学校が多いが、中央大学高等学校や科学技術学園高等学校のように6時間の授業を行なう例もある。学校教育法により、修業年限は各学校が定める3年以上の期間とされている。
1988年の法改正以前は修業年限が4年に統一されていたため、2003年度は4年制の課程が756校と比較的多く見られるが、3年制(三修制ともいう)の課程も135校ある。
3年制の場合、1日の授業時数を5校時程度にまで増やしたり、通信制課程を併習したり、高等学校卒業程度認定試験の合格科目を卒業単位の一部として認定する場合も少なくない。
多くが学年制による教育であるが、2003年度は3年制のうち52校、4年制のうち150校が単位制である。
21世紀に入った現在では、志願倍率が0.1を切るところも少なくない。また、卒業率は半数前後であり、全日制の課程に比べてかなり低い。
定時制の課程については、中学校卒業時に就職する人が大幅に減少したため、夜間に授業を行なう定時制の課程に関しては大幅に生徒数が減少している。そのため、学校の統廃合が進んでいる。しかし、学校の統廃合は、志願者にとって近隣校が減少してしまうという側面もあり、勤労者が終業後に学校に通うことが困難になるなどの問題も生じる。なお、かつては季節定時制と呼ばれる農閑期に通学する形の農業関係の学科(農業科など)を設置する課程も多かった。
通信制の課程(通信制課程)とは、通信による教育を行う課程のことである。学校教育法により、修業年限は3年以上と定められており、2003年度は3年制は110課程、4年制は54課程である。(詳しくは、高等学校通信教育を参照のこと。)
基本的に自主学習により、一般的にレポートと呼ばれる課題の添削(添削指導)を受けることで学習を進めていくが、同時に一般的にスクーリングと呼ばれる面接指導が、一般的には月に数回程度(全日制の課程の約8単位時間分の授業に相当するといわれる)行われ、添削指導、面接指導、試験などを通じて単位が得られる。面接指導は、多くの学校が日曜日と月曜日に1つの科目に対して同じ内容で行われ、生徒はどちらかの日に出席すればよい形になっているところが多いが、複数の都道府県の生徒が在学する広域通信制をとる学校などでは、夏季などにまとめて合宿形式などで面接指導を行う学校もある。また、面接指導の一部時間を学校以外の公認の学習会によってまかなうこともできる制度を持っている学校もある。さらに、各教科・各科目または特別活動について、計画的かつ継続的に行われるラジオ放送、テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れ、生徒がこれらの方法により学習し、その成果が満足できると認められるときにその生徒について、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内、最大10分の8以内の時間数を免除する制度を持つ学校もある。ラジオ放送、テレビ放送については、NHK高校講座の利用が多い。また、インターネットを利用した通信制の課程もある。
入学に際して、学力検査による入学者選抜が行われることは少ない。ほかの高等学校や中等教育学校の中途退学者の場合などには、編入学試験を実施しているところもあるが、学ぶ意思があれば不合格にしない場合がほとんどで、中学校を卒業していれば、原則として入学に際して学力などを求められることはない。
単位制による課程も多く、2003年度は、修業年限を3年とする学校のうち83校、修業年限を4年とする学校のうち28校が単位制による教育を行っている。単位制による教育の場合は、ほとんど学年という概念は薄く、原級留置(留年)という概念は無く、最短3年で卒業する人から(修業年限が3年の場合)、在籍期間を最大限利用し、学校によっては20年以上の長い時間をかけて卒業する人もいるなど、自分なりの進度で学習することも可能である。また高等学校や中等教育学校の中途退学者の場合、以前の高等学校や中等教育学校の単位が認められる制度をもっている学校が多い。
自分なりの進度で学習できるということから、創立された当初の「職業人のための高等学校の課程」という機能とともに、不登校の人や、全日制の課程になじめなかった人たちが占める割合も増加してきている。したがって、生徒の年齢も幅が広く、15歳の中学校を卒業したばかりの人から80歳代を越える高齢の人が見られる。また、生徒の多様化によって1990年代からは、私立学校において広域通信制(複数の都道府県を学区とする通信制の課程)が増えている。個性的な課程も出てきており、スポーツ教育などを行っている通信制の課程などもある。
自学自習を基本とする学習のため、どうしても時間がとれず管理が難しい、学習が進まない、時間が決まっているわけではないのでほかに優先順位があるとどうしても後回しにしてしまう、さらには常に教員に質問などができないので難しいという声もある。学習面などを支援するために、通信制の課程の多くは、学校で独自の教材を作成して配布したり、副教材で「学習書」と呼ばれる、放送出版協会が発行する副教材を利用しているところが多い。特に学習書は広く使われているものであるが、国語科目ではその学習書の中に教科書の内容をそのまま含んでいるなどという場合もあり、教科書に比べて高価であるが、教科書と同義のものとしてあつかわれ、一部で一定条件を満たせば補助が出るところもある。
通信制の課程に在学する生徒を対象として学習支援を行なう教育施設として、サポート校があり、通信制の課程をおく高等学校と正式に提携を行っている教育施設もある。
高等学校には、「学年制による教育」と「単位制による教育」との2種類がある。以前の高等学校には、学年制による教育しか存在しなかったが、1988年度(昭和63年度)に、単位制による教育が、定時制の課程と通信制の課程で認められ、さらに1994年度(平成5年度)には全日制の課程にも認められた。