宇宙船は次のような条件を満たさねばならない。
打ち上げ時の振動に加え、宇宙空間における極低温から数千度の高温までの温度変化・宇宙線・高真空・磁気といった過酷な環境に耐え得る船体(構体)を有する。
様々な装置を動かすための動力源(通常は電力源)を持つ。
天体の重力や自身の慣性で動かされるだけではなく、自ら加速して推進する機能を持つ。
搭乗員が過酷な外部環境に晒されないよう閉鎖された部分を持ち、その内部では安全な環境が維持される。外部へ出入りする際には、エアロック(気閘)を利用する。
人間の生存のに必要な水や酸素など、宇宙空間で手に入りにくい物資は内部に蓄えている(蓄える事が可能である、生成可能である)。
現在の代表的な宇宙船は次のようなものである。化学反応を利用してガスを噴出する化学ロケットエンジンなどによって推進し、金属や複合材料製の船殻や構造材で宇宙線などを防ぐ一方で船体の耐熱塗装や冷却装置が熱の問題を解決する。乗員やコンピュータなどは与圧キャビンで保護され、太陽電池や燃料電池で稼動に必要な電力を賄い、液体燃料や酸化剤、酸素をタンク内に持つ。さらに地上への帰還、すなわち大気圏再突入時の空力加熱に対する熱防護システム (thermal protection system, TPS) が必要となる。
カプセル型
マーキュリー(アメリカ NASA)
ジェミニ(アメリカ)
アポロ(アメリカ)
オリオン(オライオン)(アメリカ)
ボストーク(ソ連)
ボスホート(ソ連)
ソユーズ(ソ連・ロシア 連邦宇宙局)
神舟(中国)
往還機宇宙往還機 スペースシャトル
スペースシャトル(アメリカ)
スペースシップワン(民間:アメリカ スケールド・コンポジッツ社)
※ 1963年8月22日には、アメリカの実験機 X-15が、ジョー・ウォーカー飛行士によって高度107.960kmに到達した。この記録をもって、X-15を宇宙船に含めるべきとの意見もある。国際航空連盟 (FAI) による定義では、高度100km以上が宇宙とされる。
宇宙船はSFの重要な要素であり、非常に多くの作品に宇宙船が登場する。
宇宙は人類が星に興味を持った頃から神話・伝承で扱われてきたことで分かるように、普遍的な関心を持たれてきた。それだけに、この宇宙に出るために必要な装置である宇宙船はSFにとって欠かせない。ハードSFでは宇宙船の技術的な詳細が記述されることもあるが、他の作品では重要でないとして省略されることが多い。
SFに登場する宇宙船にとって重要な要素は、動力源と航行手段である。特に銀河系オーダの距離を移動するスペース・オペラなどでは、一般には光速を超えた速度で移動する手段と、それを実現する動力源とが要求される。したがって、ワープをはじめとした様々な超光速航法が考案されている。