この暗雲を打破すべく、2005年(平成17年)2月26日にH-IIAロケット7号機の打ち上げに挑戦し、MTSAT-1R(運輸多目的衛星新1号)の切り離しに成功した。MTSAT-1Rは気象衛星「ひまわり5号」の後継として「ひまわり6号」と命名された。7月10日にはM-VロケットによるX線天文衛星「すざく」の打ち上げにも成功した。
2006年(平成18年)には1月から2月にかけての一ヶ月以内に、初めて連続3機のロケットを打ち上げた。これらはいずれも成功し、搭載衛星もおおむね正常に機能した。また、この際打ち上げたMTSAT-2「ひまわり7号」は久々に成功した国産商用衛星であった。事業団時代の1990年(平成2年)に米国との協定によって、日本は国内で使用する商用衛星も国際競争入札にしなければならなくなり、大量生産していないために高コストの国産衛星は、大量生産によって低価格を実現した欧米の商用衛星に太刀打ちできず、技術試験衛星などの製作でかろうじて技術を保持し続けてきた。ひまわり7号は、衛星の機構をほかの用途の衛星でも共用できるようにして低価格を実現し、欧米の衛星に対抗することとなった。ただし、ひまわり7号の開発には事業団は関わっていない。
2004年度の宇宙開発予算は先進国で比較すると、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が約1兆7,000億円(さらに、同規模の予算が軍事費から支出されている)、欧州宇宙機関 (ESA) が約3,500億円であるのに対し、JAXAはわずか1,800億円とNASAの10分の1程度である。また、ESAで主力となっている大型ロケット、アリアン5には開発費用に約1兆500億円を注ぎ込まれているがH-IIおよびH-IIAにはわずか約3分の1となる約3,900億円のみが使われており、実質的に国際的な開発機関での規模で言うと小規模で競争力に乏しいというのが現実である。なお、中華人民共和国の宇宙開発予算は軍事費との関係が明らかでなく詳細な内容は不明であるが、日本との物価の差もあり、日本では予算上も困難な有人宇宙飛行を実施している。
衛星名命名前用途打上ロケット打上日備考
ひまわり6号MTSAT-1R運輸多目的衛星H-IIAロケット7号機2005年2月26日RSCサービス
すざくASTRO-EIIX線天文衛星M-Vロケット6号機2005年7月10日ISAS(宇宙科学研究本部)
きらりOICETS光衛星間通信実験衛星ドニエプルロケット2005年8月24日
れいめいINDEX小型科学衛星ISAS ピギーバック衛星
だいちALOS陸域観測技術衛星H-IIAロケット8号機2006年1月24日
ひまわり7号MTSAT-2運輸多目的衛星H-IIAロケット9号機2006年2月18日RSCサービス
初の1ヶ月以内連続打上げ
あかりASTRO-F赤外線天文衛星M-Vロケット8号機2006年2月22日ISAS
K2情報収集衛星光学2号機H-IIAロケット10号機2006年9月11日発足直後のH-IIA6号機打ち上げで
軌道投入に失敗した衛星の代替機
ひのでSOLAR-B太陽観測衛星M-Vロケット7号機2006年9月23日ISAS
LDREX-2大型展開アンテナ
小型・部分モデル2アリアンVロケット
(ESA)2006年10月14日ETS-VIIIの大型展開アンテナ (LDR) 試験用
きく8号ETS-VIII技術試験衛星VIII型H-IIAロケット11号機2006年12月18日初のH2A204型での打ち上げ。
衛星も5.8トンと過去最も重い。
R2
K3情報収集衛星レーダー2号機
および 光学3号実証機H-IIAロケット12号機2007年2月24日
かぐやSELENE月周回衛星H-IIAロケット13号機2007年9月14日
きずなWINDS超高速インターネット衛星H-IIAロケット14号機2008年2月23日
ISS日本実験棟「きぼう」 (JEM) の船内保管室ISS日本実験棟「きぼう」 (JEM) の船内保管室スペースシャトルエンデバー号2008年3月11日土井隆雄宇宙飛行士が搭乗し組み立てミッション(1J/A)を行う。STS-123
ISS日本実験棟「きぼう」 (JEM) の船内実験室とロボットアームISS日本実験棟「きぼう」 (JEM) の船内実験室とロボットアームスペースシャトルディスカバリー号2008年6月1日星出彰彦宇宙飛行士が搭乗し組み立てミッション(1J)を行う。STS-124
打ち上げが予定されているロケットと衛星・探査機。状況に合わせて順番などは変更されることがある。
2008年(平成20年)度
H-IIAロケット:温室効果ガス観測技術衛星GOSAT
スペースシャトル:ISS日本実験棟「きぼう」 (JEM) の船外実験プラットフォームと船外パレット
2009年(平成21年)度
H-IIBロケット試験機 + 宇宙ステーション補給機 (HTV) 初号機
H-IIAロケット:準天頂衛星システム計画 (QZSS) 準天頂測位衛星初号機 (QZS-1)
2010年(平成21年)度以降
2010年(平成22年)度 H-IIAロケット:ISAS PLANET計画 金星探査機 (PLANET-C)
2011年(平成23年)度 GXロケット:LNG系飛行実証