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一般社会への成果移転問題

学者の成果とは論文であったため、社会への貢献が直接的でないとの指摘を受けていた。このため、各大学では新たな財源という意味でも技術移転の組織を作るようになってきた(なお、以前から大学教授に直接依託するケースはあった)。また、県の研究所や一部の国立研究所では技術移転の組織のあることが多い。

しかし、これらの技術移転組織は、うまく機能していないことが多い。これらは、元々研究という100に1、2がもしかして10年以上経ったときに役に立つかもという性質の仕事を行っていることと、下記の技術者との認識のずれから起こるものである。

企業から依託のあった場合、選ばれる担当者は、企業から依託された分野の専門と完全に一致する場合も少なく、また依託された内容は多岐の分野に渡る場合が多いため、まず元となる文献調査から始まる。しかし、前述したように、自分の専門以外では素人であることが多い。ここで、文献に書かれている他分野の用語、記号使い、概念の一部というはその担当者の分野と違う場合が多いことにより、まず担当者が苦しむことになる。続いて、その原論文を元に、経験則による補正、最適化、評価がスタートする。ここでは、論文のために、定量化可能な評価しか行われないことが多い(定量化不能なことは論文の査読にはまず通らない)。しかし、実際に必要な評価というのは、安全、コスト、リサイクル、ライフサイクルといった定量化し難い項目である現実の問題であることが多い。このため、次にそのアウトプット論文に対して、現実の製品に反映させるためには、依託側の現場の技術者が解釈する必要がある。ここでも、現場の技術者の使う用語、記号また概念は学者と違う場合が多く、技術者が苦しむことになる。更には、具体的な製法やPL法、特許、安全、コストの評価というかなり労力のかかる仕事をこなす必要がある。この最終段階の仕事の内容を学者は知らないことが多く、また知っていても経験の無いことが多い。

企業から依託されたテーマについての成果は、企業側は上記の最終段階の仕事を要求し、大学(または研究所)側はアウトプット論文の解説、試験、指南および試作程度を想定し、その2者には意識の違いがあり、双方不幸な結果に終わることが多い。これは、企業側が大学にできることが何かを認識しておらず、大学も実社会経験のある人が少ないことが原因であり、こういった意味で、研究とは何かを広くアピールし、かつ技術者上がりの学者を雇うべきだという声もある[要出典]。

一方で、理化学研究所では戦前からそのアウトプットを元に自らが事業を行い成功してきており、更にはベンチャー企業は大学から生まれたものが多く、幾つかはその研究成果を元に成功を収めている。但しこれらは、基本的にシーズ志向のものであり、日本におけるニーズ志向の技術成果移転は模索段階とも言える[要出典]。

一方で、アメリカ合衆国の大学は政府や企業からの依託研究が多く、社会の研究機関として確立されている。また、アメリカの大学教授は、ベンチャー企業の社長を兼任する例が多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen