力士になるには各相撲部屋に入門しなければならない。入門にはいくつかの条件が存在する。
年齢制限。これが最も各人がいかんともし難い条件かもしれないが、日本相撲協会寄附行為施行細則第55条により「義務教育を修了した23歳未満(新弟子検査日)の男子」と決められている。現役小中学生や23歳以上の人間は力士にはなれない(23歳以上でもアマチュア横綱等になり序ノ口を飛ばして幕下付出になる場合はこの限りではない)。
必要なもの。親権者の承諾書、戸籍謄本または抄本、健康診断書、住民票、中学校の卒業(見込)証明書、スポーツ履歴、力士検査届。これらのものは上記の検査を受ける前に所属部屋の親方から相撲協会に提出しなければならない。
以上の条件をみたして、新弟子検査を受検する。合格には以下の条件を満たす必要がある。
身長167cm、体重67kgが新人力士の最低合格ラインとなる。ただし、ある一定の体格以上かそれ以下かで受ける検査は異なる。第一検査の合格ラインは身長173cm、体重75kg以上。この審査に合格すればこれ以上の審査は必要なく、その日のうちに健康診断、心電図検査、超音波検査を行い、晴れて力士として認められる。この検査は毎場所前に行われる。3月場所は中学卒業見込みのものが受検できるので、この時期の検査が通常年間で受検者が一番多い。
第一検査の基準を満たさずかつ身長167cm、体重67kg以上の場合には第二検査を受けることが出来る。第二検査は、年二回両国国技館で行われる。検査項目は背筋力(最大筋力検査)、ハンドボール投げ(同)、握力(同)、上体起こし(筋持久力検査)、垂直とび(瞬発力検査)、反復横とび(俊敏性検査)、50m走(走力検査)、シャトルラン(心肺系持久力検査:20mの往復走の連続)がある。 合格基準は、文部科学省得点基準と同等の得点表に照らし、現役力士の下位30%と同等以上の成績(23点)で合格となる(18歳以上の志願者は同下位50%と同等以上の成績(28点)で合格)。スポーツ選手だからといって決して人並み以上の運動能力を要求されるわけではない。この第二検査をパスすると晴れて力士として認められる。
以上の検査が終われば、いよいよ前相撲から土俵人生が始まる。そして場所後は相撲教習所に通い、実技と学科の授業を受ける。また、部屋での稽古が始まる。 但し以前から稽古の名を借りた集団暴行の存在の噂があったが、ある不幸な事件によりその存在が公の下に晒された。この教訓から入門の際の相撲部屋の選択には十分な注意と調査が必要であると考えるべきである。
大相撲力士の報酬制度は、地位によって与えられる給与・手当と力士褒賞金(給金)といわゆる2階建てになっている。
(2006年1月現在、単位:円)
項目横綱大関三役平幕十両
月額給与282万0,000234万7,000169万0,000130万9,000103万6,000
年額給与3,384万0,0002,816万4,0002,028万0,0001,570万8,0001,243万2,000
年額賞与564万0,000469万4,000338万0,000261万8,000207万2,000
特別手当120万0,00090万0,00030万0,000
出張手当115万5,00099万7,00085万0,00074万5,00068万2,000
力士補助金7万5,0007万5,0007万5,0007万5,0007万5,000
力士褒賞金60万0,00040万0,00024万0,00024万0,00016万0,000
年額報酬4,551万0,0003,723万0,0002,632万5,0002,058万6,0001,622万1,000
力士褒賞金は、本場所ごとの最低支給金額(年額報酬では6場所分で計算)。
十両以上の力士には、次の通りの金額が月額給与として支給される。支給単位は本場所ごとになっているため、11月場所で十両で負け越し、1月場所で幕下に陥落した場合でも12月分の給与は支給される。このため、幕下陥落が確実になり引退の意思を表明した力士が、翌月分の給与確保のため引退届提出を番付発表後まで遅らせ、番付に名を残すケースも多い。
横綱:282万0000円
大関:234万7000円
三役:169万3000円
平幕:130万9000円
十両:103万6000円
賞与は、9月と12月にそれぞれ月額給与の1カ月分が支給される。したがって、年額賞与は月額給与の2カ月分である。賞与の支給月が世間一般の6月と12月と違っているのは、以前に支給されていた巡業手当が賞与に変わったためである。
本場所特別手当は、三役以上の力士に対して本場所ごとに年6回支給される。11日間以上勤務した場合は全額、6日?10日間勤務した場合は3分の2、5日間以下の勤務の場合は3分の1が支給され、全休(不戦敗も含む)の場合は支給されない。
横綱:20万0000円
大関:15万0000円
三役: 5万0000円
出張手当は、3月場所、7月場所、11月場所の年3回、各場所ごとに次の通りの1日分支給金額を35日分支給される。
横綱:宿泊費8000円、日当3000円
大関:宿泊費7500円、日当2000円
三役:宿泊費6500円、日当1600円
平幕:宿泊費5700円、日当1400円
十両:宿泊費5300円、日当1200円
力士補助金は、1月場所、5月場所、9月場所の年3回、髪結の補助金として支給される。
横綱から十枚目(十両)まで:一律2万5000円
力士褒賞金の支給標準額は、本場所の成績により加算されるもので「給金」とも呼ばれる。十両以上の力士に対して、力士褒賞金の支給標準額を4000倍した金額が本場所ごとに年6回支給される。幕下以下の力士にも力士褒賞金の支給標準額の加算は行われるが、支給はされない。
勝ち越し星一番につき:50銭
特別加算
金星: 10円
幕内最高優勝:30円
幕内全勝優勝:50円
力士褒賞金の最低支給標準額
横綱:150円
大関:100円
幕内: 60円
十両: 40円
幕下: 3円
昇進時に上記金額に満たない場合は最低基準額まで加算される。ただし、降格した場合は昇進当時の増加額に相当する金額が減額される。
上記の場合を除いて、負け越しあるいは休場しても力士褒賞金の支給標準額は減額されることはない。
勝ち越した場合に「給金直し」と呼ばれるのはこの力士褒賞金の支給標準額が加算されるためである。
朝青龍の場合(2008年5月場所終了時)勝ち越し点数379×0.5 =189.5円
金星1×10 =10円
幕内最高優勝22×30 =630円
全勝優勝5×50 =250円
最低額加算幕下以下3円
十両昇進15円
幕内昇進15円
大関昇進9円50銭
合計1152円00銭
琴欧洲の場合(2008年5月場所終了時)勝ち越し点数133×0.5 =66円50銭
幕内最高優勝1×30 =30円
最低額加算幕下以下3円
十両昇進17円
幕内昇進12円
大関昇進17円50銭
合計146円00銭
となる。
幕下以下は「力士養成員」と呼ばれ、給与と力士褒賞金は支給されない。次の通りの金額が場所手当として本場所ごとに年6回支給される。
幕下:15万円
三段目:10万円
序二段:8万円
序ノ口:7万円