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日本の大学教育

大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的としている(学校教育法第83条)。換言すれば、大学教育の目的とは、広範にわたる知識の獲得と諸分野の専門的な教育研究を行うことで、拡大・深化した知見と柔軟な思考力を備えた知識人を育成することであるといえる。この目的に照らして、大学の内部は専門分野ごとに、学部学科・課程などの教育研究組織に分かれている。教員と学生は、それら個々の教育研究組織に所属し、教育研究活動を行う。大学院重点化大学では、教員は、学部の専任教員ではなく、大学院の研究科の専任教員となる(学部については、兼務の一つとされる)。大学院の研究科に代えて、教員の所属(研究部)と学生の所属(教育部)を分けている大学もある(研究部・教育部制度参照)。また、大学院のみの大学、大学院大学も存在する。

なお、日本では、短期大学も大学の一種とされている。また、準大学の位置づけとして、文部科学省管轄外の機関として大学校も存在する。

だが、西欧の人々が思い浮かべやすいような、中世ヨーロッパ時代からの気風に基づき、自然発生的かつ主体的に形成された古典的・伝統的なスタイルの大学 (University)は、その歴史的・文化的背景からアジアには存在していないと見るのが通例である。しかしこのようにヨーロッパを唯一の基準として物事をみるのはヨーロッパ文明至上主義的な意見であるという意見も近年提示されている。

日本では研究者となる学生は比較的少ないため、「大学は研究を行うところ」というイメージは薄れている。

学歴取得のための学生も多く、本来大学とは関係ない学生卒業後の進路についても、大学が力を入れるケースが多い。もっとも、日本には大学に代わる「ホワイトカラー養成の教育機関」が存在しないため、学生が大学に「就職の踏み台」としての役割を期待するのも仕方がない側面もある。大学に代わる、ビジネスを専門に学ぶ高等教育機関の存在も求められているといえる。この点は議論が分かれるところであるともいえる。


入学者・受験資格

日本においては入学者の経歴は形式上単一化している。それは、直接的には第2次大戦後教育制度を単線型にしたことによる。すなわち、高等学校卒業が入学の条件となっている。

近年、文部科学省は中等教育の多様化を掲げ、中等教育学校という制度を発足させたが、大学入学者の経歴の多様化にはならない。これは社会制度上は、ある意味、近代日本における大学制度の本質である。それは、戦前の旧制度においても同様であり、帝国大学入学者は実質的にすべて旧制高等学校の卒業者であった。

受験資格及び入学資格は、高等学校中等教育学校卒業者または卒業見込みの者、高等専門学校3年次修了者または修了見込みの者、及び、高等学校卒業程度認定試験合格者である。

また、高等専門学校卒業者(準学士)・短期大学卒業者(短期大学士)、および、文部科学省の定る基準を満たす専修学校専門課程(いわゆる専門学校)の卒業者(専門士)には、3年次もしくは2年次への編入学が認められている。

大学通信教育の課程では、入試がないことも多い(詳しくは大学受験の項を参照のこと)。


教育課程

修業年限は4年で、最大8年を在籍できるとする大学が多い。但し桜美林大学立命館アジア太平洋大学などでは、成績に応じ3年で卒業できる制度が存在する。また医学、歯学、獣医学、臨床薬学などの修業年限は6年で、この場合最長12年まで在籍できることが多い。つまり、最長修業年限を最短修業年限の2倍とする場合が多いのである。

多くの大学では単位制を導入しており、進級、卒業するためには規定の単位の取得が必要である。単位は主に規定の点数を下回った場合には認められない。規定の単位には文系では卒業論文理系では卒業研究が含まれることが多い。なお、医学部歯学部獣医学部薬学部法学部については、国家試験合格が事実上の資格審査であるとして卒業論文を課さない大学も多い。また、芸術学部建築学科などでは専攻により卒業論文に代えて卒業制作、音楽学部では卒業演奏や卒業制作(作曲)に置き換えられていることもある。

大学を卒業すると学士学位が授与される。卒業率90%前後となっている。また、カリキュラムによっては各省庁の認定を受け、養成施設になっており、卒業時に免許取得、あるいは試験の一部の免除になるカリキュラムも少なくない。 中退者の理由の内訳は明らかにされていないが、学業不振の割合が多いといわれている。

なお、学士取得者を主な対象とする発展的な教育研究の場として、大学院を設けている大学が多い。また、学部を設置しない大学院のみの大学院大学もある。


学生生活

日本の大学(学部)の入学者は、18歳で高等学校を卒業してすぐの者が大多数を占める。高等学校在学中に大学受験に合格することを現役合格といい、高等学校卒業後に大学入学を志願する者を過年度生という。過年度生の多くは高等学校卒業後に大学に進学せず、大学受験に向けて専業的に学ぶ者(俗に浪人生という)である。浪人生が、高校卒業の翌年に入学することを俗に1浪といい、2年後に入学した場合は2浪と、数が増えていく。いわゆる難関校や医学部・獣医学部・芸術系の学部には、2浪以上の者も珍しくない。過年度生を含む大学(学部)の進学率は、44.2%(平成17年度)となっている。また、過年度生には、浪人生以外にも、就職後に入学した者や(社会人入学者と呼ぶ)、他の大学を卒業後や中退後や在学中に再受験し入学し直す者(再受験生と呼ぶ)も含まれる。

逆に高校を2年で終え、3年目を飛び越して大学に入学する飛び級、飛び入学のケースもあるが、日本では例外的な扱いとなっており、千葉大学など一部の大学の一部の学部で限定的に実施されているのみで、このケースの入学者は極めて少ない。

学生生活は、文系と理系で大きく異なる。概して、文系は必修科目(卒業するために必ず取らなくてはならない科目)が少なく単位選択の自由度が高い上、教員から課される課題も多くはないため(教養学部外国語学部のような例外もあるが)、いきおい単位取得のための受講と学習・研究に割く時間は理系に比べて少なくなりがちである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen