外交官
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機能

外交官の機能は象徴的機能、法律的機能、政治的機能に大別できる。象徴的機能とは式典への参加や外務省の訪問などの機能を指す。法律的機能としては国連総会や国際会議での投票、条約署名、批准書交換などの機能が挙げられる。政治的機能は自国政府に対する外交に関する助言や外交政策の形成、政策案の提供などの機能である[2]。また自国の代表、情報収集、外交交渉の担当、在留邦人とその財産の保護の四機能に大別することもできる[3]


歴史

外交官の起源は、先史時代に人間による社会集団が成立し、その集団同士が接触した際に両者の対立を避けるために代表者を送って利害の調整を図ったことに由来すると考えられている。

古代国家には外交官の原型が存在していた。古代ギリシア中国春秋戦国時代ビザンツ帝国などで外交官の活躍が見られ、外交交渉を行うとともに情報収集や政治工作にあたった。

職業外交官が誕生したのは、都市国家による勢力争いが激しかったルネサンス期イタリアであると言われている。1455年ミラノ公国ジェノヴァ共和国に初めて公使館を設置して以後、イタリアの諸国家間で国家間の交渉に専門的に従事する外交官が相互に派遣されるようになり、またカトリックの長であるとともにイタリアの一君主としても位置づけられたローマ教皇も各国に教皇派遣使節を送った。そのシステムは主権国家が形成されるようになった16世紀以後ヨーロッパ各地に広まるとともに、外交慣行の基礎が形成された。

絶対王政期には、宮廷内部において国家の重要な政策決定が行われることが増加し、そのために君主あるいはその側近との個人的関係が外交交渉の成否に深く関わるようになった。一流の外交官は公式の場ではなく、夜中に接受国の君主の寝室に通されて直接重要交渉を行うものとされていた(閨房外交(Boudoir Diplomacy))。そのため、外交官には国王や貴族との交際を成立させるための知識と教養と財力、そして容姿や礼儀などの外見的要素も必要とされた。また、接受国における主君の代理として自国の名誉を守る責務も課されており、接受国での宮廷内における外交官同士の序列が時には互いの国家の尊厳に関わるものとして時には激しい議論や決闘にいたる例もあった。そのため、外交官には貴族や軍人などが任命されることが多かった。その後、国民国家の成立とともに宮廷外交・閨房外交の時代は終わり、交渉能力とともに相手国の各種情報を総合的に蒐集・報告する能力が求められるようになった。こうした中で職業外交官も外交専門職任用試験を経た人材が登用されるようになっていった。

外交官の地位や外交特権など待遇に関する規則は1815年のウィーン規則及び1818年のエクス・ラ・シャペル規則で基礎が定められ、1961年外交関係に関するウィーン条約及び1963年領事関係に関するウィーン条約によって修正が加えられて今日に至っている。


外交官特権

詳細は外交特権を参照

外交官には、任務の能率的な遂行を確保するため、国際法によって身体の不可侵(拘束されないこと)や裁判権からの免除などの特権を与えられている。特権の内容は、大使館員であるか、領事館員であるかによって異なる。これを外交官特権という。詳しくは該当項を参照。


条件

外交官は、外交使節団に属する。外交官として認められるためには、派遣する国がその者を外交官として派遣することを接受国(受け入れる国)に打診し、合意(アグレマン)が成立する必要がある。アグレマンが成立した場合に該当者は接受国内において外交官と認められ、派遣した国を代表する交渉相手として扱われるほか、外交特権を享受する。接受国側がその者を外交官として扱うべきではないと判断した場合、ペルソナ・ノン・グラータの通告を行うことで、外交官としての立場を失う。ペルソナ・ノン・グラータの通告は事前(着任前)でも事後(着任中)でも良い。  


日本の外交官制度


外交官の種類

外交官の種類は慣習国際法上一定の原則があり、日本もこれに則って外交官の名称を「外務省設置法」、「外務公務員法」(昭和27年法律第41号)及び「外務職員の公の名称に関する省令」(昭和27年外務省令第7号)により次の通り定めている。但し、参事官〜在外公館警備対策官については、外務大臣が「公の便宜のために必要があると認める場合には、国際慣行に従い、第二条及び第三条に掲げる公の名称の一又は二以上を用いることを命ずることができる」ものであり、戦前は官名であったが現在は正式の官名あるいは職名ではない(正式の官名は外務事務官)。その為、外国に赴任して大使、公使、総領事、参事官等になった者も、国内に戻ると大使、公使、総領事、参事官ではなくなるが、儀礼的にこれらの職名で呼ばれる場合がある。また、外交儀礼上、本来の職位よりも一段上の「公の名称」を名乗ることが許される場合がある(名称大使ローカルランク)。
特命全権大使

特命全権公使 
在外公館たる公使館の公館長。但し、日本の公使館は全て大使館に格上げされたため、現在では、全世界の大使館のうち、年次が上位の者数人がこの名称を用いている(それ以外の、大使館ナンバー2は単に「公使」という)。通常は大国の日本大使館の公使が特命全権公使であるが、どの国がそうかは人事上のローテーションによって年々変わる。
参事官

書記官(一等〜三等書記官・外交官補) 
主として外交事務に従事する職員。このうち、外交官補は、大使館等に配属された語学研修を行う若手外交官のみが用いる。
領事官(総領事・領事・副領事・領事官補) 
主として領事事務に従事する職員。この内、総領事の名称を用いるのは在外公館たる総領事館の在外公館長のみである。このうち、領事官補は、領事館等に配属された語学研修を行う若手外交官のみが用いる。
理事官(一等〜三等理事官・副理事官) 
主として外交領事事務に直接関連する業務に従事する職員。但し、現在は三等理事官以外はほとんど存在しない。
外務書記 
外交事務、領事事務または外交領事事務に直接関連する業務の一般的補助業務に従事する職員。但し、現在は存在しない。
電信官(一等〜三等電信官・電信官補) 
主として電信符号の組立て若しくは解読又は電気通信事務に従事する職員。但し、現在「電信官」という公称を用いることを命じられている外務省職員はおらず、電信担当官は「書記官」又は「領事」の名称を用いている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki