声調
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声調変化

声調のパターンが意味の区別に用いられるとはいえ、かならずしもどんな条件下でもそのパターンが維持されるとは限らず、パターンに変化が起きる場合があり得る。このような現象を声調変化(tone sandhi)という。

例えば、単語声調である日本語の場合、複数の単語が結びついたり、「が」などの助詞が付くと変わる単語がある。

例: 花 + 占い → 花占い
  低高 低高高高 → 低高高低低低

また、曲線声調である中国語の場合も、一音節の語が熟語となった場合や続けて言う場合などに声調変化が起きる。

例: 海 + 底 → 海底
  低昇 + 低昇 → 高昇 低昇 

また、曲線声調が消える現象もあり、軽声と呼ばれる。

広東語では、一音節の語でも口語化すると声調が変わったり、意味が変化すると声調が変わる例もある。


声調言語の例


日本語


京阪方言

音節と音節の高さが異なる段位声調が基本であるが、曲線声調も観察される。 例えば、標準語で単音節語となっている下記のような語で、声調の違いが見られる。

歯 はー : 下降調

血 ちー : 高平調

目 めー : 低平調 (または 上昇調)

また、標準語で二音節の語には、後の音節が伸びて下降調となるものがある。

秋 あきー : 低平調+下降調

しかし、いずれも曲線声調となる部分は、伸ばされて2モーラとなるため、段位声調の組み合わせと分析することも可能である。


中国語普通話の声調

中国語は典型的な声調言語である。各言語・方言により調類の数や調値はかなり異なるが、歴史的に中古音の四声(平声・上声・去声・入声)から音韻変化し、調類の枠組み自体はそれほど変化していない。これよにり四声を陰陽2調に分けた八声(四声八調)で分類されている。詳細は各言語・方言の記事および四声#現代音における声調を参照。

中国語の音の高さは5度式よって説明されることが多い。例えば、右図にある普通話の第4声(4th tone)は5の高さから1の高さに下がるので「51」で表される。国際音声記号はこれに低「? 1」、半低「? 2」、中「? 3」、半高「? 4」、高「? 5」のように対応している。しかし、中国語は基本的に曲線声調を用いるので、中国方言学の論文や専門書では上記の曲線声調用の記号を応用したり、5度式の数字で表す例も多い。


普通話の声調

普通話には以下のような4つの声調(四声)がある(なおIPAの声調符号は折れ線によって表記される1つの記号であるが、フォント環境によっては分割されて表示される)。?音(ピンイン)表記の場合、母音の上に符号(声調符号)を書き、注音符号の場合は後に書くことでその声調を示す。

四声ピンイン注音符号IPAと声調値特徴
第一声
(陰平) ̄(?, ?, ?, ?, ?, ?)無表記? 55
[a, a?]高→高の発音。少し高い声で歌を歌っているつもりで、高く平らに発音する。
第二声
(陽平)?(a, o, e, i, u, ?)??? 35
[a?, a??]中→高の発音。日本語では意外なことを言われて「はぁ?あんた何言ってんの?」という時の「はぁ?」の発音に近い。中くらいの音から一気に高い音に持っていく。
第三声
(上声)?(?, ?, ?, ?, ?, ?)???? 214
[a???]半低→低→半高の発音。日本語ではがっかりした様子で「あーあ」とつぶやく時の発音に近い。ただ、いつもの会話で第3声が出た時は、最後の「半高」の音が省略されることが多い。
第四声(去声)?(a, o, e, i, u, ?)??? 51
[a, a??]高→低の発音。日本語では大変な仕事を終えた時に「ふぅ、終わった…」という時の「ふぅ」の発音に近い。高い音から一気に低い音に持っていく。

第一声のみ段位声調で、のこりは曲線声調である。このように、両者を用いるものを複合声調という。また、前後の音節の影響を受けて声調が変化する場合があり、例えば、第三声が連続する場合に、最後の一つ以外は第二声に変化する。このとき声調符号は変化しないので注意が必要である。例えば「こんにちは」を意味する「?好」は両方とも第三声なので、前の「?」が第二声に変化する。また、普通話の場合は「軽声」という前の発音の勢いで軽く添えるだけの発音もある。軽声は普通話のピンインでは表記しないが、注音符号では「・」で表される。


中古中国語との対応

代などの中古中国語の声調は平声上声去声入声(略して平上去入)の四声である。発音は違いがあるが一般的に現代中国語(普通話)との対応関係はだいたい平声→第1声(陰平)、第2声(陽平)、上声→第3声、去声→第4声であり(例外もあり)、入声は語末に無開放閉鎖音の [p?]、[t?]、[k?]をもつ声調であるが、普通話では失われてそれぞれに分布している。普通話以外の方言の対応については四声を参照。


声調言語と歌曲

現在の日本語の歌謡曲では声調の高低とメロディーの高低の関係は余り重視されていないが、童謡唱歌では声調がメロディーに大きく反映されていることが多い。

中国語(普通話)の歌でも、メロディーに歌詞をつける際に声調は余り重視されない。これに対して、中国南部の方言である広東語(例えば香港の歌謡曲)やベトナム語など、調類が比較的多い言葉では、調値の高低に合わせて作曲されるか、作曲された音階に合わせて歌詞をつける際に、調値が近い語が選ばれる。高低が合っていないと、別の意味に理解される可能性もあるので、作詞者・作曲者は声調に対して十分な知識を持っていなければならない。普通話と広東語では、調類が同じでも、調値やパターンは異なるので、普通話の歌詞を広東語読みにしても、メロディーには合わないのが普通である。 カテゴリ: 音韻論 | 中国音韻学 | 声調言語 | 中国語

更新日時:2008年7月3日(木)15:46
取得日時:2008/10/09 04:28


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki