NHKと民放が組織した劇団である。局のアナウンサーとは別個に、芸能を担当するために放送局で養成され、主にラジオドラマを担当した放送タレントである。彼らを指す言葉として「声優」が生まれた。芸能事務所などの台頭で現在では全て解散している。
NHKの東京放送劇団からは、巖金四郎、加藤道子、中村紀子子、黒沢良、山内雅人、勝田久、名古屋章、高橋和枝、里見京子、川久保潔、NHK札幌放送劇団出身の若山弦蔵、NHK九州放送劇団出身の内海賢二など多数。民放では後のTBSにあたるラジオ東京放送劇団からは大平透、中村正、滝口順平、田中信夫、朝戸鉄也、向井真理子など。地方局では、CBC中部日本放送劇団出身の中江真司、RKB毎日放送劇団出身の八奈見乗児などである。地方局で活動していたのはラジオドラマ時代までで、テレビ時代になると海外作品の吹替などの声優の仕事は東京に集中していった。
古谷徹、堀川りょう、鶴ひろみ、冨永みーな、飯塚雅弓、本名陽子、渡辺明乃、喜多村英梨のように小中学生の頃から児童劇団等に所属し、演技力を養い高校卒業と共に、あるいはそれと前後していきなり第一線で活躍するパターン。 最近は、浪川大輔、清水香里、入野自由、齋藤彩夏、平野綾など小中学生の内から声優として活動するケースが増え始めている。
高校、専門学校、大学在籍・卒業後に劇団に入団し、舞台役者として活動中にアニメ関係者から見出され、声優として活動するパターン。
大別して、大手の新劇系の映画放送部に所属するケースと、小劇場で活躍中に音響スタッフや声優プロダクションのマネージャーにスカウトされるケースの2つがある。大手の新劇系の劇団としては、「文学座」「青年座」「俳優座」「劇団昴」「テアトル・エコー」「演劇集団 円」などである。その他には、野沢那智が主宰した「薔薇座」、肝付兼太が主宰する「劇団21世紀FOX」など声優が主宰する劇団に所属する俳優が声優業も始めるケースもある。
代表的な例としては富野由悠季に見出され、現在でも演劇集団 円で活躍する朴?美、三宅裕司率いるスーパー・エキセントリック・シアター出身の折笠富美子、地元の短大在学中に所属していた劇団でたてかべ和也にスカウトされた矢島晶子、小林沙苗、その他小山力也、白鳥哲、青羽剛、村田秋乃、高橋理恵子などがいる。
この他、宝塚歌劇団からも退団後に声優へ転身する者があり、古くは太田淑子、最近でも葛城七穂、水城レナがいる。
また特殊な例として、声優の卵としてドリカンクラブに入ったものの、その時点ではまるで芽が出ず、その後しばらくの間は舞台役者活動を行い、またその後声優養成所に通い、ようやく声優デビューを果たして早々『まぶらほ』などで一気にブレイクした生天目仁美の例もある。
なお、舞台役者出身者と子役・アイドル出身者の中間的な例として、ジュニアミュージカルの出身者がある。高校生を中心に編成された舞台劇団「南青山少女歌劇団」出身である千葉紗子、南里侑香。また、中学生の時に舞台出演中にスカウトされた名塚佳織。他にも、樋口智恵子などがこの例として挙げられる。児童劇団等には所属せずに、一般オーディションで舞台出演していた例も少なくない。
高校大学在学中や卒業後に、専門学校(声優科)、無認可校(声優科)、声優事務所直営の養成所などで1年?数年間勉強したのち、オーディションを受け声優事務所に所属する。中には、大学卒業後に就職を経て養成所に通い声優として活躍している者もいる。また、専門学校(声優科)あるいは無認可校(声優科)などを卒業の際に、声優事務所に所属するためのオーディションを受けた結果、その事務所直営の養成所に編入されるということもよくある。この場合、将来その事務所に所属できることを保証されてはいない。養成所を卒業後、新たに別の養成所に入り直すという例も多い。
養成所に通うことが最も手っ取り早い方法ではあるが、それだけに志半ばにして挫折する者も多い。毎年、養成所を卒業する者は二千人を優に越えるが、声優事務所に所属できる者はその1割にも遠く及ばないという狭き門なのである。
1980年代後半以降にデビューした声優の大部分が養成所出身である。したがって、成功した人をあげると枚挙に遑がないが、古くは林原めぐみ、山寺宏一、井上喜久子、三石琴乃、森川智之らがおり、最近では清水愛、能登麻美子、田中理恵、田村ゆかり、中原麻衣、鈴村健一などがいる。