声優という職業の根幹となる業務。自分の担当するセリフを喋り、それを録音する[1]。
声優は、身振り手振りの演技がなく声だけなので簡単ではないかと思われがちだが、身振り手振りや表情がない分声だけで補って演じなければならないので、声だけでの演技というものはとても難しいと言われている。
アニメの場合は、画面を見ながらタイミングをはかり自分の担当するキャラクターのセリフをしゃべるアフレコと、事前にセリフを吹き込んでおくプレスコの2種類の方法があるが、日本ではアフレコが主流となっており、絵に描かれたキャラクターの演技に声を合わせることが一般的である。もっとも、実際の現場では制作スケジュールの逼迫により、作りかけの線画による静止画または完全に絵のない状態で声をあてなければならないことも多い。声をあてることから、アテレコとも言う。
出演料はランク制の適用を受ける。特に新作アニメにおいては予算が限られるためランクの高くない若手声優が主に起用されるが、オリジナルビデオアニメ(OVA)などマニア向け作品ではベテランの有名声優の声あてをセールスポイントにする作品もある。アニメは、実写に比べると映像が発する情報量が極端に少ない。そのために声優は、キャラクターの心情が視聴者にわかりやすく的確に伝わるように誇張した声の演技をすることが多い。これは、外国作品(実写)吹き替え時の声の演技とは異なるものである。
このことは、遠くから観劇されることを念頭に置いた舞台での役者の演技・演出手法と、テレビドラマでの役者の演技・演出手法が異なるものであるのと似ている。
海外のドラマ・映画・ニュース・ドキュメンタリーでは日本語版吹き替えの場合は、画面を見ると同時に耳で聞いた原語のセリフのタイミングとも合わせる。
基本的に原語の声は消されるが、原語も小さく残して日本語の音声をかぶせるボイスオーバーという方法もある。ボイスオーバーは、主にニュースや初期の海外ドラマなどで使われている手法である。アニメと同じくアフレコやアテレコと呼ばれる。ランク制の対象となる。オーディションはほとんど行われず、製作側からの指名でキャスティングされる。
ゲームの場合は、進行に応じて個々の音声データを選択して再生するという性質上アニメや吹き替えとは大きく異なり、かけ合いではなく一人ずつ個別に収録するのが普通で、自分のセリフだけが延々と羅列された台本を見ながら録音のタイミングに合わせてしゃべる。そのため、「共演者」であっても顔を合わせたことがないというケースも多い。
ゲームにもランク制があるが、クライアントからの指名によるキャスティングの場合は出演料の交渉が可能となっている。
CD-ROMの普及し始めた1980年代末から急激に増えた仕事である[2]。初期は据え置き型ゲームが中心だったが、近年では携帯型ゲームやアーケードゲームでの仕事も増えている。
人形劇はキャラクターの演技とタイミングを合わせながらセリフを言う。着ぐるみショーでは生で声を合わせることもあるが、基本的には事前に声を収録してそれに合わせて着ぐるみの中の演者(スーツアクター)が演技を行なう。
特殊な例として、NHK教育番組にて長島雄一と神崎ちろはキャラクターの声だけでなく、本人が着ぐるみの操演も担当している。また『ウルトラマン』でザラブ星人を演じた青野武のように役に入りきるために自ら着ぐるみを着て演じた例もある。さらに一部の特撮番組では怪人や敵幹部の声を担当する声優が人間体を顔出しで自ら演じることもある。
吹き替えの原語版での俳優や、アニメで描かれたキャラクターの演技に合わせる必要がなく自由度が高い。そのため、声優自身の役柄への解釈や演技力が問われることになる。すなわち、如何にファンやリスナーのキャラに対するイメージに近づくことができるかが問われるということになる。
アニメや漫画をドラマ化したものはアニメの声優が配役されるが、そうでない文芸作品や創作ラジオドラマでは一般の俳優や若手俳優が出演する番組も少なくない。オーディションはほとんど行われず、製作側からの指名でキャスティングされる。なお、ドラマCD化された後にアニメ化される場合は、担当声優が総入れ替えとなることが多い。
声優が出演することのあるラジオドラマで全国ネットされているものに、NHK-FM放送の『青春アドベンチャー』『FMシアター』などがある。また、ラジオで放送されたものをインターネット配信しているものに『FMサウンドシネマ』『シアター130』『青山二丁目劇場』などがある。
CM・ラジオ番組・テレビ番組・PRビデオなどの原稿を読み、それを録音する。番組の解説として機能する。声優の得意分野の一つではあるが、俳優・タレント・アナウンサーが行うことも多い。
アニメ・ゲームのナレーションを除くとランクの対象外で、出演料は高めとなっておりアニメのアフレコの4?10倍以上もらえる。高い技量が必要なためキャリアを積んだベテラン声優が多く起用される。ボイスサンプルと呼ばれるデモンストレーション用の音声素材が起用に大きな役割を果たす。キャラクター・ナレーション、ストレート・ナレーションとある。
ちなみに、ナレーションをできる声優は数少ない。そして、ストレートになるとさらに数が限られる。
新劇系や小劇場出身者が声優へ活動範囲を広げることがあり、声優と俳優の境界線上の活動ではある。しかし、声優養成所を経由して声優になったものの商業ベースに乗らずマスメディアからも注目されない小劇場での舞台活動を行なうことも少なくない。こうした活動はマネージメントが発生しない限り、声優プロダクションは関与しない。
自らの名前で歌手のような活動をする声優(後述の「アイドル声優」参照)もいるが、厳密な意味では本来の声優の業務ではないとされている。
しかし、アニメにおいては主役又は主役級の配役をもらうと、そのアニメの主題歌を歌うことがある。また、ファンを対象にしたグッズの1つとして、アニメのキャラクターが歌っているという設定で、アニメのキャラクター名義のCD(キャラクターソング)を出すことも珍しくなくなっている。同じ歌手活動を行っている声優でも、自らの名義での曲と、演じるキャラで歌う曲とで曲調や歌い方が大きく異なる例も少なくなく、後者ではキャラの声で歌い切る技量も要求される。従って、特にアニメへの出演を中心に活躍する声優にとっては、基本的な業務の1つに数えてもいいだろう。変わったところでは、演じるキャラクターの設定が歌手であるという理由で歌を歌うこともある。
また、他のジャンルの歌手と比べるとレコード会社との専属契約の制約項目が緩い例がほとんどで、所属する会社以外からもキャラクターソング名義でCDを出す例も少なくない。