この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
日本の刑法
刑事法
刑法
刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰
罪刑法定主義
犯罪論
構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯
間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯
不能犯 ・ 相当因果関係
違法性 ・ 違法性阻却事由
正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難
責任 ・ 責任主義
責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱
故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤
過失 ・ 過失犯
期待可能性
誤想防衛 ・ 過剰防衛
共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯
共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯
罪数
観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪
刑罰論
死刑 ・ 懲役 ・ 禁錮
罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収
法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑
自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予
刑事訴訟法 ・ 刑事政策
執行猶予(しっこうゆうよ)とは、罪を犯して判決で刑を言い渡された者が、その執行を条件付きで受けなくなる制度である。
目次
1 日本法での執行猶予
1.1 概要
1.2 執行猶予の取消し
1.3 執行猶予の付与率
2 その他
3 関連項目
//
日本では刑法25条?27条に規定されている。執行猶予が付された判決のことを執行猶予付判決という。逆に執行猶予が付されていない判決のことを実刑判決(または単に実刑)という。
執行猶予を受ける場合のある法定条件は、
以前に禁錮以上の刑を受けたことがないか、あるいは禁錮以上の刑を受けたことがあっても刑の終了(執行猶予の場合はそれを受けた時)から5年以内に禁錮以上の刑を犯していない者←刑が3年以下の懲役または禁錮もしくは50万円以下の罰金であるとき
前に禁錮以上の刑に処せられたがその執行を猶予されている者←刑が1年以下の懲役又は禁錮であるとき
などとなっている。
執行猶予には保護観察が付く場合もある。なお前者の条件に該当しないが後者に該当するために執行猶予を受けた場合は、必ず保護観察が行われる。
なお「禁固以上の刑を受けた事がない者」とは、生まれてから一度もその刑を受けた事がない者の他、刑法34条の2によって「刑の言い渡しの効力が失われた者」(禁固以上の刑の執行が終わって、あるいは執行の免除を受けて10年間、罰金以上の刑を受けていない者など)も含まれる。
執行猶予が取り消されずにその期間が経過した者も、その刑の言い渡しは効力を失うので、再び犯罪を犯しても執行猶予を受けることはできるが、同種の犯罪である場合などは情状が重くなる事は免れない。
また、執行猶予期間の経過によって刑の言い渡しの効力は失われても、その後5年間は一定の職業に就けないなどの「資格制限」(それぞれの行政法による)は残るので、その間は全く一般人と同等になるわけではない。
猶予期間中に禁錮以上の刑を受けた場合(猶予前に犯した罪の判決が猶予中に下って、それが禁錮以上である場合には、その罪に対する執行猶予がない場合)には、執行猶予は取り消される。罰金の場合は、執行猶予が取り消される場合があるが必ずではない(刑法第26条の2には「取り消すことができる」と書いてある)。保護観察によって守るべき事項(遵守事項)を守らずその情状が重い場合にも、もちろん執行猶予は取り消されうる。
執行猶予期間中に執行猶予が取り消されなければ、その刑は執行されず(刑の言い渡しが失効する)、復権を得る。取り消された場合には、執行猶予期間中のどの期間で取り消された場合であっても、言い渡された刑の全部について執行される。
裁判が確定した者に対する執行猶予が付与される割合は、有期懲役では60.5%、有期禁錮では93.6%に上っている(平成17年、 ⇒平成18年犯罪白書のあらまし)。
ただし、罰金刑に執行猶予が付与される事例は、極めてまれで特殊な事例(例:公安事件の微罪検挙や軽微な事件について長期にわたり有罪無罪が争われて最終的に有罪判決が言い渡される場合など)に付与される場合が多い。
その他
中国のように死刑に対しても執行猶予が付与される国家も存在する。