垂直偏波
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物性としての偏光

物質の一部には、偏光を入射すると透過した光の偏光面が右ないし左によじれる性質を持つ物がある。この物性を旋光性とよび、旋光性をもつ化合物を光学活性であると言う。

偏光面のよじれ具合を旋光度と呼び、単位は角度(度)で右によじれる場合を + とする。旋光度は透過した距離と光学活性物質の濃度に比例し、旋光度を光路長と濃度で割って規格化した値を比旋光度と呼ぶ。比旋光度は温度、溶媒、光の波長が同じであれば、各物質に固有の値であるので、天然物などの化合物の同定にも用いられる。


偏光の工学的応用偏光フィルター

写真機偏光フィルターを装着すると、方向により反射光の光量をコントロールできる。このため水辺などでの撮影に有用である。

液晶ディスプレイの表面と裏面には、特定の直線偏光のみを通す「偏光フィルター」が貼られており、液晶によって各画素ごとに旋光性や複屈折性をコントロールすることで、映像を表示している。

MO には、磁気によって偏光面が回転する性質(磁気光学カー効果)を持った物質が含まれており、レーザー光を照射して反射してきた光の偏光面を検出してデータを読み取る。

3次元映像の手法としても用いられる。左右の映像にそれぞれ縦横の偏光をかけて重ねて映写し、偏光フィルターの付いたメガネで分離する。比較的低コストでカラー映像を映写できる利点があるが、非平面スクリーンでは偏光がズレてしまうため映写できない。


生物の眼と偏光の認識

人間の眼は光の強度と色を識別することはできるが、偏光はほとんど識別することができない。わずかに網膜の中心部に偏光特性があり、注意深く見ればハイディンガーのブラシとして知られるかすかな黄色と青色の筋が見えるが、これには個人差がある。 そのため一般には人間が偏光を識別するためには偏光子を通して見なければならない。

一方、昆虫は偏光を識別できる。昆虫の複眼の中には、特定の偏光方向に敏感な視細胞が色々な方位に規則正しく集合しているからである。昆虫は自然界の偏光をうまく利用している。例えば、ハチは天空の光の偏極を元にして太陽の見えない曇空であっても方向を間違えずに長距離を飛ぶことができる。また、ある種のカゲロウは生殖期になると水溜まりの反射光の偏光を頼りに集合する。カメムシタマムシなどの一部の昆虫の体は液晶のような構造色を持っており、片方の円偏光のみを選択的に反射する。さらにシャコにいたっては、円偏光の回転方向を識別できる[1]


ポアンカレ球

任意の偏極状態は球上の点で表現できる。左円偏光は +z 極、右円偏光は ?z 極である。水平偏極を +x とすると鉛直偏極は ?x であり、+y と ?y は対角方位の偏極となる。赤道上の他の全ての点は他の方位の直線偏光である。二色性の波長板を通ることは球を回転することに等しい。編極子の y 軸を横切る編極 x の振幅の大きさは x 軸と y 軸の鏡面との距離の 1/2 となり、すなわち強度は (xy + 1)/2 となる。

球による表現はアンリ・ポアンカレによって考えられたものであり、ウィリアム・シュルクリフ (William A. Shurcliff) によって英語で拡張されて論じられた。


偏光の呼称

電波を扱う電気工学を扱う光学が歴史的に別の学問として発展してきたため、偏光には以下のようにさまざまな名称がある。なお、導波管FDTD法での偏光の名称は電気工学と同様であるが、その定義は逆である。

電磁波の性質電気工学光学
電界成分が入射面に垂直な電磁波

TE波(Transverse Electric Wave, 電界成分が入射面に対し横向き)

H波(磁界 H が入射面に平行な電磁波)

水平偏波(電界成分が反射面に水平)

直交偏波(電界成分が入射面と直交)


s波(入射面に垂直、senkrecht, ドイツ語)

σ光

電界成分が入射面に平行な電磁波

TM波 (Transverse Magnetic Wave, 磁界成分が入射面に対し横向き)

E波(電界 E が入射面に平行な電磁波)

垂直偏波(電界成分が反射面に垂直)

平行偏波(電界成分が入射面に平行)


p波(入射面に平行、parallel)

π光

進む方向に向かって時計回りの電磁波右旋偏波(進む方向に右回り)左円偏光(受け止める側から見て左回り)
進む方向に向かって反時計回りの電磁波左旋偏波(進む方向に左回り)右円偏光(受け止める側から見て右回り)


直交偏波と垂直偏波が異なり、また水平偏波と平行偏波が異なる点に注意


脚注

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^ Tsyr-Huei Chiou et. al., Curr. Biol., 18, 429-434 (2008)


関連記事ウィキメディア・コモンズには、 ⇒偏光 に関連するカテゴリがあります。

旋光

光学異性体

フレネルの式

ブリュースター角

偏光顕微鏡

複屈折

カテゴリ: 偏光 | | 光学 | 結晶 | 鉱物学 | 撮影技術 | 電気工学 | 電磁気学 | 物理学

更新日時:2008年9月6日(土)08:41
取得日時:2008/10/14 00:46


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki