すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。(地方公務員法第30条)
以下に述べる服務上の義務規定に違反した場合は、懲戒処分の対象となる。
職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。(地方公務員法第31条) ただし、職員の服務上の義務は、任用(採用)によりいわゆる特別権力関係に入ることによって当然に生じるものであり、服務の宣誓をすることによってはじめて義務が生ずるわけではない。
職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、かつ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。(地方公務員法第32条)ここでいう上司とは、職務の遂行についてその職員を指揮監督する権限を有する者をいう。
職務上の命令とは、上司から、指揮監督下にある職員に対して発せられる命令をいう。 その内容は、職務の執行についての他、職務の執行に関連した合理的な範囲内で必要となる身分上の義務(例えば、制服等の着用や、過度の飲酒を差し控えることなど)を含む。
職務命令が有効に成立するためには、次の要件を満たしている必要がある。
権限ある上司から発せられる命令であること
上司の職務権限内の事項であること
実行可能な内容であること
職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合は、無効であるから従う必要はない。 ただし、当該命令が無効であるか否かは、客観的な認定によるべきものであり、部下が上司の職務命令について実質的な審査権を持つとまではいえないものと解される。 また、当該職務命令を無効であると判断した職員は、その判断した結果について責任を負わなければならない。
職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。(地方公務員法第33条)
職務の遂行に直接関係がある行為のみならず、職務に直接は関係のない行為であっても、それが「その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となる」ものであれば、ここでいう信用失墜行為にあたる。 なお、具体的にどのような行為が信用失墜行為にあたるかは、一般的な基準を立てることは困難であり、社会通念に基づいて個別具体的に判断されることとなる。
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする(地方公務員法第34条第1項)。 秘密を漏らすとは、秘密事項を文書で表示すること、口頭で伝達することをはじめ、秘密事項の漏洩を黙認する不作為も含まれる。
法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。この許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。(同法第34条第2項、第3項)
守秘義務に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。(同法第60条第2項)
すなわち、この義務に違反することは公共又は個人の利益を直接に侵害するため、行政庁内部の処分(懲戒処分)のみならず、刑事罰の規定を設けることによってその利益を保護しているのである。
ここでいう「秘密」とは、一般的に了知されていない事実であって、それを一般に了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものをいう。法律上の「秘密」に該当するか否かは、公的・私的を問わず、それが客観的にみて秘密に該当する「実質的秘密」でなければならない。
「職務上知り得た秘密」とは、職員が職務遂行上知り得た秘密をいう。
自らの担当外の事項であっても、これに含まれる。ただし、職務に何ら関係なく、偶然に見聞したに過ぎないものはこれに含まれない。
「職務上の秘密」とは、当該職員の職務上の所掌に属する秘密をいう。
したがって、「職務上知り得た秘密」であって「職務上の秘密」でないものについては、証人、鑑定人等となった場合において、同法第34条第2項にいう任命権者の許可を要しないこととなる。これは、職員が職務に関係のない一私人として証言、鑑定等を行う場合であっても同様である。
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。(地方公務員法第35条)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、
営利を目的とする私企業の会社その他の団体の役員等を兼ね、若しくは、自ら営利を目的とする私企業を営み、または、
報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事し
てはならない。(地方公務員法第38条第1項)
営利企業等の従事制限は、身分上の義務であることから、勤務時間の内外を問わず、また休職中であっても適用がある。 これは、職員の職務専念義務を全うし、かつ職員が営利企業などに従事することによって行政に対する不信が生ずるのを防ぐためのものである。
なお、講演料や原稿料を得て講演や原稿作成を行う場合や、職員が寺院の住職の職を兼ね法要を営む際などに御布施を受けている場合、これら講演料・原稿料・御布施は労働の対価としての「報酬」とは考えられないため、任命権者の許可を必要としないと解されている。 また、農業協同組合や水産業協同組合等は、実質的には営利活動を行っているが、それぞれ農業協同組合法、水産業協同組合法等の特別法により非営利法人とされているので、法第38条の営利企業等に当たらないと解されている。したがって、これら営利を目的としない団体の役員になることについて任命権者の許可は必要とされていないが、役員として報酬を得ることについては任命権者の許可が必要となる。
公務員の有給の休息時間(15分)については、2006年11月時点で、全国の82%の自治体が導入している(総務省調査)[1]。2006年に国家公務員の有給の休息時間(15分)が廃止され、2007年から地方公務員でも廃止が広がり、お昼休みが1時間から45分へと短縮された。
その結果、官庁付近の飲食店の売上が減少し、いくつかの商店街で「お昼休みを1時間に戻して欲しい」との要望を挙げる動きが起こった[1]。要望を受けた自治体の中には、昼休みの時間を見直すところもある[1]。
関連項目
公務員
公営企業
地方公営企業
人事委員会
国家公務員
公務員試験
国籍条項
階級
ヤミ専従
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