地下鉄
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地下鉄の安全性

地下鉄は(ひょう)などには強いものの、地震水害火災テロリズムなどには弱く、地下鉄の構造上、これらの被害にあった場合大惨事になる可能性が極めて高い。そのため安全に関する取り組みは開業以前から研究され続けている。


地震

かつては地下鉄は地震に強いとされていた。しかし、阪神・淡路大震災神戸市営地下鉄神戸高速鉄道で多大な被害を出した(特に神戸高速鉄道の大開駅は上の道路が陥没するほどの被害となった)。後の研究で路線が地下を走行する都合上、路線区間はトンネルとして建設されているため、地形が大きく変動することのある地震には弱いことが分かっている。地盤の柔らかい土地では特に注意が必要である。また、路線上の地面が低海抜の場合は、防波堤の決壊により海水が流入することが想定されるので下記の水害を併発する恐れがある。


水害

地下鉄のシステムは地面よりも低い位置にあるため、地上に降り注いだなどの水が地下鉄の設備に浸入してくる。そのため十分な防水・排水設備を持たない場合、水没することもあり得る。このため、地上の駅への出入口を一段高くしたり大雨の時などは駅出入口の防潮板や線路上の防水扉を展開して閉鎖されることがある。東海豪雨などの浸水などがその例である。


火災

古くに建設された地下鉄駅では防火対策が十分になされておらず、駅構内で火災が発生した場合、瞬時に煙が充満し被害が一層深刻化することも問題視されている。この例としては1987年11月18日、ロンドン地下鉄キングズクロス駅で起きた火災で31名が死亡した事件が挙げられる。ロンドンの地下鉄には古い木造の構造物が多く残っていた事が指摘されたが、これをきっかけにして日本では地下鉄駅構内の終日全面禁煙が実施された。また、2003年2月18日韓国大邱広域市の駅構内で発生した放火による地下鉄火災(大邱地下鉄放火事件)が挙げられる。この火災は2編成12両を全焼し死者192名、負傷者148名を出したが、被害がここまで深刻化した原因としては車両の内装に可燃性の素材を使用していたことと駅構内の排煙設備の不備によることが主で、車両の材料が燃焼した際に生じた一酸化炭素などの有害な物質による中毒により死亡した者が特に多かった。また、死亡者には火災現場に後から入線した列車の乗客で当該列車が延焼しはじめた際、運転士が逃げ出すときに運転キー(マスコンキー)を抜き、自動的に扉が閉まった状態になってしまったため、車両に取り残されて焼死した者も多い。


テロ事件

1995年3月に東京で起こったオウム真理教による地下鉄サリン事件2005年7月にロンドンで起こったロンドン同時爆破事件に代表されるように、地下鉄がテロリストの標的にされやすいことも問題となっている。また、2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件ではテロリストの直接の標的にはならなかったものの、倒壊した世界貿易センタービル(WTC)の直下に地下鉄の駅があったため、建物の下敷きになって押し潰されたことで駅が破壊された。


人身事故

前述の様に、トンネルの断面積を狭くすれば地下鉄の建設費用は安く済む傾向にある。同様に地下駅のプラットホームもなるべくなら狭い方がよい。しかしここで問題になるのが人身事故である。通勤・通学のラッシュ時催事のある時などには大勢の人がプラットホームに集まり、人身事故の起こる確率が高くなる。これを解決するために、ホームドアや可動式ホーム柵が採用されることが増えてきている。ロンドン地下鉄の一部駅などではレールを道床から高くかさ上げして敷設し、転落者を道床に落とし込んで触車させないような構造がとられている。


世界の主要な地下鉄

地下鉄一覧も参照


ヨーロッパ

ヨーロッパではロンドンでの開通以来、20世紀半ばまでに主要大都市の多くに地下鉄路線が建設された。
イギリス
世界で最初に開業した地下鉄であるメトロポリタン線は1860年に工事に着手し、3年後の1863年に開業した。営業状況は開業当初から大変良好で、開業初年度は約950万人の乗客を運んだ。当初は車両に蒸気機関車を採用していたが、1905年に電気を動力源とする電車に切り替え、20世紀前半までにほぼ現在の路線網が完成するに至った。ここまで盛んにロンドンに地下鉄が建設された背景にはロンドンの市街地は道が細く入り組んでおり、地面や高架橋に走らせることが困難であったことに加え、地上の景観を損ねるわけにいかなかったことなどがある。グラスゴーなど他の都市にも地下鉄があるが、多くはロンドンの場合と同様、狭いトンネル断面に合わせた小型の車両を用いている。
ドイツ
ドイツではU-Bahn(ウーバーン)と呼ばれるものが一般的に地下鉄と認識されている(同じドイツ語圏であるオーストリアでも同様)。他国の地下鉄と形態の近いUバーンは現在、ベルリンハンブルクミュンヘンニュルンベルクに存在する。これら4路線とも、第三軌条集電方式を採用している。首都のベルリンに地下鉄を建設する案は1880年に浮上していたが、地下水が多く地下鉄には不適な地質だとされた。それが理由の反対運動によって計画が進まなかった。しかし建設技術の発達や他所での成功から建設推進の動きが活発化し、1902年にベルリン地下鉄が開業した。その後、1912年にハンブルクで開業。残る2都市は、東西分裂時代にいずれも西側で建設された。一方、フランクフルト・アム・マインケルンシュトゥットガルトデュッセルドルフエッセン等には、パンタグラフ集電の小型電車を使用したシュタットバーン(Stadtbahn:軽快電車網)の地下線が存在する。既存の路面電車を都心区間では主に地下化、郊外では専用軌道化することで高速化を図ったものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki