国籍
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国内管轄の原則

国際法の原則上、国籍の得喪に関する立法は各国の国内管轄事項であるとされている。もっとも無制限に妥当するものではなく、国籍の決定に関する条約を締結した国家は、国内立法に際して条約による制約を受けるのはもちろんである。

国籍の得喪に関する国内法の存在形態については、憲法典に規定を置く形態(ドミニカ共和国ジャマイカなど)、民法典に規定を置く形態(フランススペインなど)、複数の法典に分散させる形態(ポルトガルパナマなど)もあるが、多くの国では国籍の得喪に関して規定した一つの法典を制定している(日本アメリカ合衆国ドイツ大韓民国など)。


国籍唯一の原則

人は必ず国籍を持ち、かつ唯一の国籍を持つべきとする原則である。国籍単一の原則とも呼ばれる。

多重国籍の場合、複数の国家から国民としての義務の履行を要求されたり、いずれの国家の外交的保護を認めるかという点で紛糾を生じる場合がある。また、無国籍の場合、居住国で不当な扱いをされた場合でもいずれの国家からも外交的保護を与えられないことになるし、外国人を国外退去させる場合に引取要求先となる国家が存在しないことになる。このような不都合を避けるために、立法上の原則として認められている。

もっとも、国籍法の内容が各国により異なるため、無国籍や多重国籍は完全には防止出来ない。そのため、国内立法においてはこれを出来るだけ防止するようにすべきという一つの理想に過ぎないともいえる。

現在では多重国籍を容認すべきという考え方が広まっており、欧米を中心に容認する国が増加しているため、原則とは言い難い状況になりつつある。 アメリカイスラエル、またイギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国など、数多くの国において以前より二重国籍を認めている。

ヨーロッパのサッカー1部リーグで活躍する選手の中には、所属チームの外国人枠を空けるため、ヨーロッパの国籍を取得し二重国籍となる選手もいる(ボスマン判決も参照)。ブラジル代表経験のある有名選手を例に挙げると、ロマーリオオランダロナウドロナウジーニョロベルト・カルロスらはスペインカカエジミウソンイタリアの国籍を取得している。なお、EU圏内の国籍であれば、規定により、別な国のリーグでも外国人とはみなされない。

韓国は2007年10月現在、日本と同じように20歳以前に出生などにより国籍取得の場合満22歳になる前、20歳以降に他国国籍を取得した場合は取得より2年以内にどちらかの国籍を放棄することと、韓国籍を取得した外国人は取得より6ヶ月以内に元の国籍を放棄することを法で決めている。しかし、専門家や優秀な人材の国外流出を防ぐことを目的として、「兵役を終えた韓国人」と「専門知識を持つ外国人」などに限り、制限的に多重国籍を許容する方向で検討を行うこととなった。


国籍自由の原則

かつては永久忠誠の原則が支配し、国籍の変更・離脱は自由には認められていなかったが、その後、国家による国籍の強制は決して望ましいものではないという考え方が支配的になり、国籍離脱を認める国内立法がされるようになった。

もっとも、国籍唯一の原則との関係から、無国籍や二重国籍になる自由を含むものではないので、それらを防止する限度では制約がある。


国籍の取得


出生による取得

出生による国籍の取得については、親の血統と同じ国籍を子に与える立法、すなわち自国民から生まれた子に自国の国籍の取得を認める血統主義と、出生地の国籍を子に与える立法、すなわち自国で生まれた子に自国の国籍の取得を認める生地主義とがある。

日本、大韓民国、ドイツなどは血統主義が原則であるのに対し、アメリカ合衆国、アイルランドなどは生地主義が原則である。

もっとも、いずれの国の立法も一方の主義に徹底しているわけではなく、無国籍防止や子どもの人権擁護の観点から両者を併用しているのが実情である。上記のドイツも含め、EU諸国では血統主義であっても、少なくとも自国に永住する外国人の子や孫には国籍の取得を認めている例が多い。


身分行為による取得

国によっては、外国人が自国民との間で婚姻養子縁組などの身分行為をした場合に国籍の取得を認める立法例がある。このような事由による国籍の取得が認めるのは、家族によって国籍が異なると、国籍を異にする国家間で戦争などがあった場合に家族が崩壊する恐れがあるとの考慮などによる。

もっとも、このような立法例は少なくなっており、日本の国籍法でも準正の場合に届出がされる場合を除き採用されていない。


帰化による取得

出生後に国籍を取得すること全てを指す場合もあるが、基本的には、出生後の国籍取得のうち本人の志望に基づき国家が国籍を付与する場合を帰化という。

法律で定められた条件を満たす場合は当然帰化できる立法例(アメリカ)と、定められた条件を満たす場合でもなお帰化の決定について行政機関に一定の裁量が認められる立法例(日本、イギリス)がある。


国籍の喪失


志望による外国籍取得による喪失

国籍自由の原則から、本人が志望した場合は国籍の離脱を認めるべきとも言えるが、国籍唯一の原則による制約を受ける。そのため、立法例としては志望により外国籍を取得した場合に国籍離脱を認める例が多い。

日本の場合は、本人が志望して外国籍を取得した場合は、法律上当然に日本国籍を失う。


身分行為による喪失

このような立法がされる趣旨は身分行為による取得と同旨である。しかし、外国籍の取得が本人の志望によるものではないため(もちろん、外国籍の取得を目的で婚姻等をする場合はある)、このような立法例は少なくなっており、後述の国籍離脱の届出による喪失に吸収されるのが実情である。


国籍離脱の届出による喪失

国籍自由の原則から認められるが、無国籍を防止するため、外国籍を有していることを条件とする立法例が多い。日本にも国籍離脱の届出制度が存在するが、外国籍がない場合の離脱を認めていない。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki