法務大臣へ届出時に国籍取得
父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満の者(日本国民であったものを除く)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であったとき
例えば、父のみが日本国籍を有する場合で、出生時に父母間で法律上の婚姻関係がなかったが、出生後に法律婚をして、子を認知した場合で子が未成年の場合に子は届出により日本国籍を取得することができる。しかし、現行規定では、父が胎児認知をしないまま子が出生し、出生後も法律婚をせずに父が生後認知した場合、子は日本国籍を取得できないこととなる。このことについて、出生後に父母が法律婚をして婚姻準正された子には日本国籍が認められることと比較して、準正を受けない子が日本国籍を取得できないのは法の下の平等に反するとして、本規定の合憲性につき裁判で争われたが、2008年6月4日最高裁判所大法廷は本規定が憲法第14条に違反するとして、日本国籍を認めなかった2審判決を破棄し、準正を受けない子の日本国籍取得を認めた(参照:違憲判決)。
したがって、日本人父と外国人母の子で生前認知を受けてない子が日本国籍を取得する方法は、判例上は父母の婚姻の有無にかかわらず、父の認知を受けるかあるいは強制認知の確定判決を得て法務局で法務大臣宛てに国籍取得届を提出する方法により日本国籍を取得することになる。この場合、国によっては国籍取得届の提出とともに外国籍を自動喪失する場合があるので注意が必要である。
帰化による国籍取得(第4条?第9条)
法務大臣の許可により官報告示日に国籍取得
少なくとも、以下の要件を満たすこと(最低要件)が必要であるが、以下の要件を満たしたからといって必ず帰化が許可されるというものではないこと(例えば、日本語による読み書きができることなどが必要であるとされている)に注意を要する。
1 引き続き5年以上日本に住所を有すること(居住要件)
2 20歳以上で本国法によって行為能力を有すること(能力要件)
3 素行が善良であること(素行要件)
4 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技術によって生計を営むことができること(生計要件)
5 国籍を有せず、又は日本の国籍によってその国籍を失うべきこと
外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があるときは、帰化を許可することができるとされている(第2項)
6 日本国憲法施行の日(1947年5月3日)以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと
一定の要件の下(日本人との親戚関係など)に、居住要件、能力要件、生計要件が緩和、免除される場合がある。
日本に特別の功労がある外国人に対し、国会の承認を経て特別に普通帰化の要件を満たさなくても帰化を許可できるが、実例は2007年1月現在ない。
国籍留保届の未提出により国籍を喪失した者のうち、20歳未満のもので、日本に住所を有するときは、法務大臣への届出の日に国籍を再取得する(第17条第1項)
官報による公示による催告を受けて、国籍選択をせずに国籍を喪失した場合に、日本国籍を失ったことを知った日から1年以内に法務大臣に届け出ることによって、国籍を再取得できる。ただし、天災等その者の責めに帰することができない事由によってその期間内に届け出ることができないときは、その期間はこれをすることができるときに至ったときから1月とする(第17条第2項)
自己の志望によって外国の国籍を取得した時(第11条第1項)
外国の国籍を有する日本国民については、その外国の法令によりその国の国籍を選択した時(第11条第2項)
出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外に生まれたもので、国籍留保届出を提出しなかったときは、出生時にさかのぼって国籍を喪失する(第12条)
20歳未満のもので、日本に住所を有するときは、法務大臣への届出の日に国籍を再取得する(第17条第1項)
外国の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることで、日本国籍を離脱できる(第13条)
外国の国籍を有する日本国民で22歳になるまで国籍選択届を出さなかった場合で、法務大臣が催告した場合で1月以内に国籍の選択をなお行わないとき。ただし天災等によりその期間内に国籍を選択できなかった場合で、2週間以内に日本国籍を選択したときはこの限りではない(第15条第3項)
官報による公示による催告を受けて、国籍選択をせずに国籍を喪失した場合に、日本国籍を失ったことを知った日から1年以内に法務大臣に届け出ることによって、国籍を再取得できる。ただし、天災等その者の責めに帰することができない事由によってその期間内に届け出ることができないときは、その期間はこれをすることができるときに至ったときから1月とする(第17条第2項)
選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を喪失していないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であっても就任できる職を除く)に就任した場合で、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反する場合は、法務大臣はその者に対し日本の国籍の喪失を宣言することができ、宣告の告示があった日に日本国籍を喪失する
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなった時が20歳未満のときは、22歳までに、その時がその後であったときはその時から2年以内に国籍の選択をしなければならないとされている(第14条第1項)。
その場合において、日本の国籍を選択する場合は、外国の国籍を離脱する(事後に外国国籍喪失届提出)か、国籍選択宣言(日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する宣言)を行うことによってする。しかし、日本の官庁に提出する国籍選択宣言によって当然に外国の国籍を離脱したことになるわけでなく、放棄しようとする国の国籍法の定めによって、国籍が離脱できるか否かが決まることとなり、多重国籍状態が国籍選択宣言を行うことによって直ちに解消されるとは限らない。このような規定になっているのは、日本法によって外国の国籍を喪失させることはその国への内政干渉になるために不可能であるからである。ただし、日本の国籍の選択の宣言をした者は、外国の国籍の離脱に努めなければならないという努力義務規定がある(第16条第1項)。
なお、22歳に達するまでに国籍を選択しなかった者について、市町村長はその旨を管轄法務局または地方法務局に通知することとされており(戸籍法第104条の3)、法務大臣による催告が行われた場合は、1月以内に国籍選択をしないと日本国籍を喪失することとされている(第15条)。