国立国会図書館
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理念

国立国会図書館法の前文は、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命としてここに設立される」と、その設立理念を明らかにしている。前文の一節「真理がわれらを自由にする」は、図書館が公平に資料を提供してゆくことで国民に知る自由を保障し、健全な民主社会を育む礎となっていかねばならないとする国立国会図書館の基本理念を明らかにしたものであると解釈されている。

国立国会図書館法はアメリカ図書館使節団の原案をもとに起草されたと言われているが、この前文は歴史学者参議院議員羽仁五郎(当時の参議院図書館運営委員長)が挿入したとされる。「真理がわれらを自由にする」の句は羽仁五郎の創案になるもので、羽仁がドイツに留学していた当時、留学先のフライブルク大学の図書館の建物に刻まれているのを見て感銘を受けたという銘文「WAHRHEIT WIRD MAN FREI MACHEN(真理は人を自由にする)」をもとにしたといい、その句は『新約聖書』の「Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΣΕΙ ΥΜΑΣ(真理はあなたたちを自由にする)」(ヨハネによる福音書 8-32)に由来していると言われる[2]

1961年(昭和36年)に開館した国立国会図書館東京本館では、本館2階目録ホールの壁に金森初代館長の筆になる「真理がわれらを自由にする」の句が大きく刻まれ、この句は多くの人の目にとまるようになるとともに、ひとり国立国会図書館のみならず図書館一般の原理として理解されるようになった。戦後日本の図書館運動・図書館界の発展においてこの句が与えた影響は少なくない。


組織関西館 陶器二三雄設計

国立国会図書館は日本の立法府である国会に属する独立した国の機関で、衆議院および参議院議長及び両議院に置かれる常任委員会である議院運営委員会の監督のもと自立して運営される。図書館の事務を統理する国立国会図書館長は、両議院の議長によって任命される。

その組織は国立国会図書館法に基づき、中央の図書館と支部図書館からなる。中央の図書館には、東京・永田町の東京本館と京都府精華町関西文化学術研究都市)の関西館があり、支部図書館のひとつである国際子ども図書館の扱うものを除き、国会図書館の所蔵する各種の資料を分担して保管している。また、国会議事堂内には、中央の図書館に付属する国会分館がある。

支部図書館は、国際子ども図書館東洋文庫そして行政および司法の各部門におかれる図書館がこれに該当する。このうち国際子ども図書館は、納本制度によって国会図書館に集められた日本国内の出版物や購入・国際交換によりもたらされた日本国外の出版物のうち、18歳未満を読者の主たる対象とする資料の保存・提供を分担しており、その性格は実質的には中央の図書館の分館に近い。また、支部東洋文庫はアジア研究専門の図書館兼研究所である財団法人東洋文庫の寄託を受け、文庫の図書館奉仕部門を国立国会図書館の支部として国会図書館の組織内においたものである。

行政および司法の各部門、すなわち各省庁および最高裁判所に置かれる図書館については行政・司法に対するサービスの節で改めて詳しくあつかうが、各省庁や裁判所に置かれる付属図書館を制度上国立国会図書館の支部とすることで、日本唯一の国立中央図書館である国立国会図書館と各図書館を一体のネットワークに置いたものである。これらの図書館は、設置主体は各省庁や裁判所であるが、同時に国立国会図書館の支部図書館として、中央の図書館とともに国立国会図書館の組織の一部とされる特別な位置付けにある。

東京と関西の2つの施設に分かれた中央の図書館はおよそ900人の職員を擁しており、業務ごとに部局に細分化されているが、そのうち唯一国立国会図書館法を設置の根拠とする特別な部局として「調査及び立法考査局」がある。調査及び立法考査局は国会に対する図書館奉仕に加えて、衆参両院の常任委員会が必要とする分野に関する高度な調査を行う特別職として置かれる専門調査員を中心に、国会からの要望に応じた調査業務を行っている。


サービス

国立国会図書館のサービスは、以下の3本の柱から成り立っている。

国会へのサービス - 立法の際に必要となる資料の収集と分析、提供を行う。

行政・司法へのサービス - 各府省庁と最高裁判所に支部図書館を設置し、図書館サービスを行なう。

国民一般へのサービス - 一般利用者が直接、または他の公共図書館などを通じて間接的に受けるサービス。また、地方の議会や公務員へのサービスもここに含まれる。

「国会図書館」という名称から明らかなように、国会へのサービスを第一義とするが、国民一般へのサービスも国立国会図書館の重要な要素である。国民へのサービスは日本の国立中央図書館としての機能であり、納本制度に基づく国内出版物の網羅的収集や全国書誌の作成が行われる。また、図書館間協力や国際協力にも力を入れており、国際協力では資料の国際交換、資料の貸出・複写・レファレンスサービス、日本語図書を扱う外国人司書の研修などを行なっている。


一般利用者へのサービス

一般利用者へのサービスは、来館利用、利用者の身近にある図書館などを通じた間接的な利用、そして後述するインターネットを通じた電子図書館サービスの提供などから成り立っている。

国立国会図書館の各サービスポイント、すなわち東京本館、関西館、国際子ども図書館などを利用者が直接訪れる来館利用では、利用に許可の必要な貴重書や特別の事情があって利用の制限されている資料を除き、国立国会図書館の所蔵する膨大な資料が利用者の求めに応じて提供される。国立国会図書館の所蔵する資料は現在では3館に分散しているが、それぞれに取り寄せて来館利用することが可能である。

間接的な利用では、一般の図書館利用者が最寄の図書館では入手できなかった資料を網羅的なコレクションをもつ国会図書館から図書館間貸出で取り寄せたり、最寄の図書館では解決できなかったレファレンスサービス(図書館員の行う参考調査)を国立国会図書館に依頼したりすることができる。

図書館間貸出は、利用者の身近にある公共図書館、大学図書館や各種の資料室(ただし国立国会図書館の図書館間貸出制度に加入申請し、承認を受けた機関のみ)を窓口として、国立国会図書館の資料を利用できる制度である。ただし、あくまで図書館間貸し出しであるため借り出し先の図書館の館外に持ち出すことはできず、図書館資料を所蔵館外で複写することを禁じた著作権法の規定のため複写も認められない。

国立国会図書館は資料の保存を大原則としているため、利用者の身近にある多くの図書館と違い、来館利用でも個人に対する貸出を行っていない。また、所蔵する資料が膨大であり、サービスの対象とする地域も日本全国から諸外国にまで及んでいるため、個人からの利用には数多くの制約がかけられていたり、不便に感じられる点も多い。そのため、利用者は求める資料の入手をはかる場合、身近な公共図書館や大学図書館を利用した場合のほうが容易に資料に達することができることがしばしばであり、他の図書館で見当たらない資料のみに限って国立国会図書館を利用すべきとされる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki