国家公安委員会の警察庁に対する「管理」の概念であるが、元来国家公安委員会は警察行政の民主主義的・中立的運営の為に存在し、又、警察庁自体に警察事務の執行権限を与えている。この事から、個々の案件に対して深い指揮監督を行うのではなく、大綱方針を定め、その運営が適切に行われているか否かを事前事後に監督する事を意味しているとされる。従って、具体的事件について、「逮捕すべきである」とする指示や、「事件鎮圧のための射殺命令」などを行う事は出来ない。但し、「監察」については、国家公安委員会がその職権として、必要があると認める場合、個別案件についても随時行う事ができ、警察庁に対し調査を指示できる。
国家公安委員会は、委員長が招集する。国家公安委員会は、委員長及び3人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をする事が出来ないとされ、国家公安委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数の時は、委員長の決するところによる。国家公安委員会の企画、運営は警察庁が行い、警察庁を管理する事を含めて国家公安委員会の職権行使については、警察庁の補佐を受ける。警察庁長官官房に課長相当職として国家公安委員会会務官が置かれている。
国家公安委員会は、検事総長と常に緊密な連絡を保つものとするとされ、刑事訴訟法上における検察官の警察官に対する一定の指揮権のようなものは存在しない。
また、警察庁は国家公安委員会以外の機関から監督を受ける事はない。司法警察活動に際し、個別の警察官は一定の指揮を検察官から受ける事がある。警察官は正当な理由がある場合には、この検察官の指揮に従う必要はない。この時、検事総長、検事長又は検事正は、国家公安委員会が懲戒権限を持つ者、つまり、国家公務員たる警察官に対する懲戒の訴追を国家公安委員会に行う事が認められている。
また、検察官は、司法警察員又は司法巡査に指定された警察官に対しては「捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするために必要な事項に関する一般的な準則を定める」一般的指示を行うことが刑事訴訟法193条で定められている。同条により、検察官が自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができる。
だが、検事総長、検事長又は検事正自身には懲戒権限はないため、この正当性の判断や必要性等は国家公安委員会が独自に判断する事となっている。これは警察を他の機関からの不必要な干渉を避けるためのものと解する事も出来るが、この規定の存在自体に疑問が出されているのも事実である。国家公安委員会の管理権と検察官の捜査指揮権が相反する場合にどちらが優先されるかが問題となるが、あくまでも正当性の判断主体は国家公安委員会であるため、国家公安委員会の管理権が優先される。尚、司法警察活動たる捜査活動に対し、犯罪の予防・鎮圧活動を主とする行政警察活動については、原則、警察が独自に行う事となっており、他からの指揮や干渉を受ける事はない。
委員長及び委員
委員長職の詳細及び歴代の委員長一覧については、国家公安委員会委員長の項目参照。
5人の委員は、衆・参両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する。
委員の任期は5年で、1回に限り再任が可能である。
委員長不在(外遊・短期間の疾病等)の場合に備えて、委員のうちの1人があらかじめ委員長代理として互選されており、会議の招集・議長役を代行する。
ただし、この委員長代理には「国務大臣たる委員長」の代理権限まではないため、国家公安委員会規則の公布文署名等の行為は、内閣総理大臣が一時的に指名する国務大臣が「国家公安委員会委員長事務代理」の名で代行する。
1955年11月28日から1956年12月23日まで、委員長の政務を補佐する職として定数1人の政務次官(辞令上の職名は「国家公安政務次官」)が置かれ、大谷瑩潤が在任した。
2000年以降、日本では警察官の不祥事が相次いで発覚し、国民の警察への不信感は今なお拭えずにいる。この一連の警察不祥事に対処するため、上部組織である国家公安委員会は警察刷新会議の設置を行った。だが、現状の不祥事の発生件数を見ても成果が出ているとは言いがたく、国家公安委員会の形骸化が懸念されている。
下部組織等
警察庁
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^ 2001年(平成13年)1月6日に金融再生委員会が廃止されて以降、唯一の大臣委員会となっている。
関連項目
国家公安委員会委員長
公安委員会
外部リンク
⇒国家公安委員会
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