元首が宗教の首長を兼ねる例
イギリス国王 - イギリス国王とイングランド国教会の地上における唯一最高の首長を兼ねる
ローマ教皇 - バチカン市国元首とカトリック教会の首長を兼ねる
ネパール国王 - ヒンドゥー教の神とされている
ダライ・ラマ - チベット亡命政府元首とチベット仏教の法王を兼ねる
日本の天皇 - 旧憲法では国家神道(神社神道)の総攬者で天皇が現人神として言説化された。現在は皇室神道は神社神道から分離しており、天皇は神社本庁の長ではない。皇室は大嘗祭等をはじめとした多くの神道の祭祀を執り行い伊勢神宮や勅祭社に定期的に勅使を派遣している。
ここでいう「元首」は上記のものとは異なる意味である。古代ローマで元首(princeps)は、ローマの「市民の第一人者」の意味で、内戦を勝ち残ったオクタウィアヌスが共和政の形式を残して身に帯びた称号の一つである。これにちなみ、ローマ帝政の前半は元首政として時代区分される。
象徴天皇制に関する基礎的資料(衆議院憲法調査会事務局 編)h15.2 ⇒[2]
注釈^ リヒテンシュタイン家は、ハプスブルク家の重臣として家産を蓄積した。つまり、公国とは無関係なので、「国民の財産を取り返す」というようなことができない。また、第二次大戦時、大権によって選挙を停止し、ナチズムの台頭を阻止した。そのため、今でも大権の行使が正当化されている。このような経緯で、象徴・儀礼的存在にとどまらず、強大な政治的権限を有している。そのため、ヨーロッパ最後の絶対君主制と言われる。
^ スウェーデンでは、国王は首相の任命や議会の招集・解散の権限を形式的にも失っており、元首と行政府を完全に分離している。そのため、世界で最も象徴的な立憲君主制とされる。
^ いわゆる「社会主義国」の場合も一人の人物に権力が集中していることがあるが、その場合その人物が国家元首だからではなく一党独裁制をしく共産主義政党の書記長・総書記だからという場合が大半であり、元首自体には権限が殆どない場合が多い。例えば、中国では、国家主席の地位にある人物が、外交・内政での強大な権力を行使している場合があるが、これはその人物が中国共産党の総書記をも兼任しているためである。国家主席は全人代や中央委員会の決定を追認しているに過ぎず、実質的な権限を有さない。主席と総書記が別の人物である場合も当然にあり得る。
^ 例えば、オリンピックの開会宣言は開催国の元首が行う慣例になっているが、日本で開催されたオリンピックでは天皇が開会宣言を行っている。また、CIA各国要覧の日本の項では、「chief of state: Emperor AKIHITO (since 7 January 1989)」と明記している。
^ 衆議院憲法調査会における「天皇」に関するこれまでの議論(平成17年2月衆議院憲法調査会事務局) ⇒[1]
^ 昭和29年6月30日総理府令第40号
^ 自衛隊法施行規則第39条 隊員となつた者は、次の宣誓文を記載した宣誓書に署名押印して服務の宣誓を行わなければならない。学生、予備自衛官等又は非常勤の隊員が隊員となつたときも同様とする。宣誓 私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
^ 『基本法コンメンタール 憲法』(別冊法学セミナー)、第5版、2006年、23頁。
^ 1973年6月28日参議院内閣委員会、政府委員吉國一郎内閣法制局長官答弁
^ 1988年10月11日参議院内閣委員会、大出峻郎内閣法制局第一部長答弁
^ 1990年(平成元年)5月14日の参議院予算委員会における内閣法制局長官答弁。もっとも、「天皇は国の象徴であり、さらにはごく一部では…外交関係において国を代表する面」もあるという限定された意味における「元首」であるとする。
^ 2001年6月6日第151回国会参議院憲法調査会、阪田雅裕内閣法制局第一部長答弁
^ ただし、明治憲法に基づいた判決。現在においては明治憲法は事実上失効し、”不敬罪”は戦前の天皇制の概念に基づく刑罰である。そのため、この判決には、現在の憲法においてどのような意味があるかは、議論が必要だろう。
^ 「国家と法?」放送大学出版会
^ 『基本法コンメンタール 憲法』(別冊法学セミナー)、第5版、2006年、23頁。
^ 天皇と内閣総理大臣が内外の代表性を分有するとしたうえで、単一の存在としての元首は存在しない、とする。清宮? 186頁。当ページの末尾(参考資料)「象徴天皇制に関する基礎的資料」7頁に引用あり。
^ 小林直樹 憲法講義(上)155頁
^ 芦部信喜はこの説に立つ。