国内総生産
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用語解説


GDPデフレーター

GDPデフレーターは、名目GDPを実質化して実質GDPを計算する際に用いる一種の物価指数である。このGDPデフレーターの変動が物価変動となり、変化率がプラスであればインフレーション、マイナスであればデフレーションとみることができる。

GDPデフレーターが消費者物価指数企業物価指数など他の物価指数と著しく異なる点は、GDPデフレーターは輸入物価の上昇による影響を控除した国内の物価水準を表しているという点である。このため、原油価格の上昇など輸入物価が上昇して国内のガソリン価格が上昇するというような場合には、消費者物価指数や企業物価指数が上昇しているにも関わらず、GDPデフレーターが下落をするということがしばしば起こる。

消費者物価指数は家計消費支出のみを対象とし、企業物価指数は企業間で取引される商品だけを対象としているなど、消費者物価指数や企業物価指数は、経済活動の一部だけを対象とした物価指数である。これに対してGDPデフレーターは経済活動全般を対象とした総合的な物価指数であるが、輸入物価が上昇すると下落しやすく、逆に輸入物価が下落すると上昇するという、直感と異なる動きをすることがある。

このため1990年代末から2000年代初頭にかけて、日本経済で物価の下落が続くデフレーションが続いているのかどうかを判断する際に、GDPデフレーターを使うことが適切であるかどうかについては見解が分かれた。下落が続いていた消費者物価は2005年にはいると下落幅が縮小し、10月には消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年同月比はゼロとなって、11月以降はプラスが続いた。しかし消費者物価の上昇には原油価格の上昇による影響がかなりあったため、GDPデフレーターは前年比で1%以上の下落が続いていた。量的緩和政策の解除時期を巡って政府と早期解除を望む日本銀行の間で議論が起こり、政府はGDPデフレーターの動きにも配慮すべきであるとして、量的緩和政策の解除に対しては慎重な姿勢をみせた。

なお、2006年4月現在、日本のGDPデフレーターはパーシェ型の連鎖指数で、実質GDPはラスパイレス型の連鎖指数であり、米国の実質GDPはフィッシャー型の連鎖指数が採用されている(パーシェ、ラスパイレス、フィッシャー及び連鎖指数の説明については、指数を参照)。


GNPとGDPの違い

国の経済の規模・成長を測る物差しとして、1980年代頃までは国民総生産(GNP)がよく用いられたが、これは外国に住む国民の生産量も含んでおり、本来の国の生産量を正確に計ることができない為、近年では外国での生産活動分を除いた国内のみの生産を計る国内総生産を使用することが多くなった。

GNPとGDPは、日本の場合はほとんど同額で、若干GNPのほうが多い。これは「外国での国内居住者の生産」が外国で運用されている日本資本の受け取る金利・配当も含むからである。日本は、対外債権国であるため海外へ支払う金利・配当よりも海外から受け取る金利・配当のほうが多い。このため日本ではGNPのほうが多くなる。一方で、中南米諸国などの対外重債務国は、外国へ支払う金利が多いため、GNPよりもGDPが多い。このようにGNPとGDPの違いは対外的な債権債務の国民総生産(あるいは国内総生産)に対する割合が高い国にとっては重要である。

国内総生産を推計する体系を国民経済計算(体系)と呼ぶように、国民概念がもともと利用されてきたが、国内の経済活動状況を判断する基準としては国内総生産を使用することが一般的となり、日本でも1993年から国民総生産に替わって国内総生産を使用するようになっている。

しかし、近年になって国内労働力の減少と、対外資産からの所得収支の黒字増大などを背景に経済構造が変化しつつあるとの見方も増えている。このため、海外からの純所得収入を加算するGNPが経済政策の目標として再評価されつつある。[要出典]

実際の統計では、国民であるかどうかの区別は、国籍ではなく国内居住者であるかどうかによって判断されている。従って、日本国籍を有していても国外に2年以上滞在している海外居住者が行う生産活動は、日本の国民総生産には反映されない。逆に、外国国籍を有する人々の生産活動であっても日本に6ヶ月以上滞在している居住者であれば、日本の国民総生産に計上される[1]。日本の国内総生産には含まれないが国民総生産に計上される海外での生産活動の例としては、日本に居住している歌手が海外公演を行って得た出演料があげられる。


域内総生産

国内総生産が一国内において生産された付加価値額を表すのに対し、域内総生産 (Gross Regional Product) は都市圏や経済圏、州や県など、一定の地域内で生産された付加価値額を表す。域内総生産には中央政府が行う生産が含まれない場合もあり、全国の域内総生産を合計しても、必ず国内総生産と一致するとは限らない(日本の経済産業省が公表している地域間産業連関表のように、不整合を項目として設ける等の調整を行わない限り、全国計と一致することの方が珍しい。例えば中国の各省の域内総生産を合計すると、国内総生産よりも大きな値となる)。

都市圏同士の比較や地域経済間比較といった各種分析で使用される他、ロシアの統計でよく使われる。


日本

日本の国内総生産(実質GDPと名目GDP、GDPデフレーター)の経年変化[2]。1955年?1979年1980年?1993年1994年?2007年

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター
1955年5,501.930,696.6
1956年6,061.333,433.21.2
1957年6,788.436,142.23.6
1958年7,277.138,417.90.8
1959年8,150.841,633.83.4
1960年9,395.446,232.33.8
1961年11,030.951,038.96.4
1962年12,653.454,891.96.7
1963年14,772.459,714.47.3
1964年17,028.166,152.24.1
1965年19,239.269,963.56.8
1966年22,142.176,976.84.6
1967年25,405.184,975.83.9
1968年28,973.692,232.95.1
1969年33,299.8101,768.84.2
1970年38,332.5109,286.67.2
1971年43,230.0115,291.26.9
1972年49,900.9125,640.35.9
1973年60,307.8136,705.011.1
1974年72,912.1136,590.221
1975年84,762.7142,605.411.3
1976年95,783.7146,752.09.8
1977年107,076.2152,671.07.5
1978年117,923.1160,690.44.6
1979年130,077.9171,113.03.6

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター
1980年240,969.2313,140.1
1981年259,034.0322,325.94.4
1982年271,887.8331,236.12.1
1983年282,803.3336,575.02.4
1984年300,940.8347,072.53.2
1985年323,541.2364,712.22.3
1986年338,674.0375,502.91.7
1987年352,530.0389,753.20.3
1988年379,250.4416,119.10.8
1989年408,534.7438,135.72.3
1990年440,124.8460,925.22.4
1991年468,234.4476,369.42.9
1992年480,492.1480,999.61.6
1993年484,233.8482,190.50.5

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター
1994年486,551.7469,969.1
1995年493,588.1479,181.4-0.5
1996年504,261.9492,340.1-0.6
1997年515,249.1500,072.30.6
1998年504,842.9489,824.1-0.0
1999年497,628.6489,130.0-1.3
2000年502,989.9503,119.8-1.7
2001年497,719.7504,047.5-1.2
2002年491,312.2505,369.4-1.5
2003年490,294.0512,513.0-1.6
2004年498,328.4526,577.7-1.1
2005年501,734.4536,762.2-1.2
2006年508,925.1549,772.7-1.0
2007年515,732.5561,356.2-0.8



単位は10億円

1955年?1979年は、平成2年基準(68SNA)連鎖

1980年?1993年は、平成7年基準(93SNA)連鎖(固定基準年方式)

1996年?最新年 は、平成12年基準(93SNA)連鎖(連鎖方式)

いずれも速報値


国の国内総生産順リスト

国の国内総生産順リスト(MER)上位10位。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki