東京近郊ではおみおつけとも呼ぶ。御味御付。「おみ」は「味噌」、「おつけ」は「汁」を意味する女房言葉。江戸時代に江戸の地で使用され始めた。または御御御汁と書き、おつけにさらに接頭辞が付いたという説もある。 特にこの地域では伝統的に、味噌汁の中身の固形物のことを「具」とは呼ばず「実」と呼ぶ(「おつけの実」、など)。
京阪神では汁を総じておつゆと称する。おつゆをすまし汁と味噌汁を区別して使用する場合もある。なおつゆは現在ではこの地方でも一般にそうめんやそばのつけ汁のことである。
味噌汁が庶民の食卓に登場したのは室町時代の頃と言われている。元々は田舎料理で主に農家などで作られていたものであったが、時期が経つにつれ様々な階層にも次第に普及し、やがて日本人の食卓に欠かせないものになる。
調理が簡単で大量に作れるみそ汁は戦国時代に陣中食として考案されたとする説がある。里芋の茎を味噌で煮しめた芋がら縄は、ちぎって陣笠に入れて熱湯をかければ簡単に味噌汁ができる陣中食だった。石田三成は、「熱湯に焼き味噌をかき立てて飲めば、終日米がなくとも飢えたることなし」と語ったとの言い伝えがある。陣中食としての味噌汁は、むしろご飯に味噌をかけて湯を入れたものであることも多く、元々「汁かけ飯」だったものが、後にご飯と味噌汁の組み合わせに変化していったとも言われる。各地に残る味噌には、戦国武将の考案によるものとされるものがある(上杉謙信の越後味噌、伊達政宗の仙台味噌など)。
調理時間も10分ほどと、食事をする少し前でも作ることが出来る。 おふくろの味と称されるように、作る家庭によって十人十色の味となる非常に特徴的な料理でもある。
調理に際しては、味噌を加えた後に強く煮立たせると、味噌の香りが揮発して風味が減じることに気を配る必要がある。具材によっては「鱈汁」、「豚汁」、「三平汁」などのような名称を用いる。鍋物を味噌で仕立てた場合には味噌汁とは言わないのが普通である。一般的には日本の一般家庭の朝食時にご飯と共に供される感も強いが、近年は朝食にご飯を食べない人が多くなったため、夕食時に味噌汁を飲む人が増えた。朝食に限らず食事の時の白米のご飯の付け合せの汁物として飲まれている。日本人の食に一番密接している料理ともいえ、欠かすことの出来ない存在である。味噌汁、特にシジミの味噌汁はアルコールの分解を助け二日酔いに効果があるとも言われている。
使用する味噌は各家庭によりまちまちだが、地域レベルで見ると相対的に赤味噌が好まれる地域・白味噌が好まれる地域などにブロック化することができ、それがそのままその地域の代表的な味噌の銘柄にもなっていることも多い(味噌を参照)。しかし、戦後は流通経路の発達に伴って特に信州味噌が全国的に普及し、これを使う家庭も多い。
一杯分の味噌の使用量は15gが標準とされているが、好みや使用する味噌の違いなどによって若干幅がある。汁としての塩分濃度は概ね1%程度である。
出汁は、主に昆布・煮干し・鰹節が多く使われる。これも、各家庭で千差万別であるが、近年は化学調味料でとる家も多い。最近ではだし入り味噌と称して売られる物がある。
味噌汁の具(実)には、地方風土により様々な差異があるがここに一例を記す。
魚介類・海藻類
ワカメ -- 乾物の場合、水で戻し、切ってから使う。元々切ってある場合は、戻さずに入れる。塩ワカメは塩抜きをする。
シジミ 、アサリ-- 貝ごと洗って水から入れ、全てが口を開いたら味噌を加える。
アオノリ
野菜・加工品
ネギ -- 小口切りにして吸い口として使われる。また、ザクきりにして、主たる具材としても使われる[1]。
豆腐 -- さいの目切りにする。
ナメコ -- ぬめりを落として入れる。独特の舌触りを楽しむ。
大根 -- 水から入れる。厚めの輪切りにするほか、細長く切って入れる場合もある。
油揚げ -- 油抜きをする。
納豆 --包丁で叩き割ったり、すりつぶしてから入れることもある(納豆汁)[2]。
その他
鶏卵--味噌を入れてから入れる。椀に盛った状態で半熟になるタイミングで入れる。
ちくわ
豚肉
沖縄県の食堂では「味噌汁」というメニューがある。読みは「みそじる」で、大きな汁物椀に豚肉、ポーク(ランチョンミート)、ソーセージ、豆腐、野菜類、鶏卵などが盛りだくさんに入った汁である。さらにこれを頼むと、どんぶりに盛ったご飯も一緒に出てくるので、注文する際は注意が必要である。逆に沖縄出身者が本土で味噌汁を注文すると、具や量のあまりの少なさに驚くことになる。なお、沖縄のみそ汁では調理時に油を入れるのが普通であり、具に肉が含まれない場合はラードを入れるなどする。これは野菜を軟らかく煮るのに効果があるという。また、沖縄では豚肉、かまぼこ、こんにゃく、しいたけなどを白味噌仕立てにしたイナムドゥチや、魚汁(さかなじる)という魚(まるごと、あるいはぶつ切り)を具材とした味噌汁などもポピュラーである。
フリーズドライの具と粉末味噌をお椀に入れ、熱湯をかけるだけで出来る。その後、インスタント味噌汁は生味噌を用いた製品が主流となる。現在、豚汁や殻付きのあさりが入ったカップ味噌汁など品揃えも豊富になっている。
脚注^ 白いネギを大きめに切って実とした味噌汁を関東では根深汁という。
^ かつて東京の町中では納豆を刻み、ネキも加えて味噌汁に入れるばかりになった物を朝方、納豆売りが売り歩いた。