最近になって、国語以外の言語、即ち台湾語、客家語、原住民語の教育が義務付けられたが、中国国民党による戒厳令時代はすべて標準中国語(北京語)のみで教育する事とされていた。このため、高齢者や農村部では台湾語または客家語のみで北京語が話せない者がいる。その下の世代では基本的には「国語」と台湾語の両方とも話せるが、在中年世代以下では北京語のみで台湾語を「聞いて理解できるが話せない」という者も少なくない(特に外省人が人口に占める割合多い都市部)。従って、同じ「台湾人」であるはずなのに世代間でコミュニケーションが成り立たないということも珍しくない。また、日本統治時代においては日本語での教育が義務付けられたため、高齢者には日本語を話せる人が多く、中には母語並みに日本語を使いこなせる(書くこともできる)人も少なくない。
この他、英語の教育熱が高く、幼稚園時代から英語のみ使用する施設などに子供を預ける者も多い。アメリカへの修士号への取得、学士号の取得を目標とする留学者も多い。また、若者の間では日本ブームなどの流れに乗り日本語の学習者も増えている。彼らの中には日本の大学や専門学校の日本語を専攻とし、日本で就職する者も少なからず存在する。
詳細は台湾の教育を参照
現在の台湾の教育制度は、中華民国憲法の規定(第二十一条、第百六十条)と各種の教育関連法に基づいて体系化されている。学制は6・3・3・4制が採用され、国民小学6年、国民中学3年、高等中学3年、大学4年となっている。ただし大學の教育、建築学部は5年、歯学部6年、医学部は7年とされている。普通学校と並行して特殊学校(盲学校、聾学校、養護学校など)と補習学校(専科学校や語学学校など)がある。義務教育(台湾語では国民?育)は、当初は国民小学の6年のみであったが、1968年度から国民中学3年も含めて9年制とされ、公立校の教育費は無料とされている。学年度は8月1日から翌年7月31日までで、日本の4月1日〜3月31日とは異なる。中華民国には二十歳の男子国民に兵役の義務があるが、大学と専科学校の在学生は卒業まで徴兵延期が許されている。
一般に台湾人は教育に熱心であり、国語(中国語)識字率は96.3%(2002年度)に達する。しかし教育熱心な人が多いゆえに台湾は学歴社会となっており、就職では日本以上に学歴が重視される傾向にある。この為、日本の高校に相当する高等中学校の進学率は92.02%、大学への進学率は70.07%(共に1997年度)と共に高い。特に有名高等中学校・大學への入試は熾烈を極める。大学進学・卒業後に海外の大学・大学院へ留学する学生も多く、台湾には日本やアメリカの大学・大学院が出した学位・博士号を持つ者も多い。
大学には総合大学のほかに短期大学(2年制)、工科大学、文科大学、国立空中大学(日本の放送大学に相当)があり、2002年度時点で大学総数154校、学生総数は約124万人に及ぶ。このような大学増設の影響から、最近では大学合格率が100%を超える問題も生じている。著名な大学として、台北市の国立台湾大学(1945年改編)・国立台湾師範大学(1946年創立)・国立政治大学(1954年復校)、新竹市の国立清華大学(1955年復校)・国立交通大学(1958年復校)、台南市の国立成功大学(1961年創立)、桃園県の国立中央大学(1968年復校)がある。
国外には華僑子息・子女のための教育機関として、約3750校の華僑学校(日本での名称は中華学校)が設置されており、日本には横浜中華学院、東京中華学校、大阪中華学校の3校がある。日本の華僑学校は歴史が古く、1897(明治30)年に孫文が設立した私塾に由来する。華僑学校は中国語教育および中華文化の普及を目的としている。教育対象の年齢は各学校によって異なる。
近年日本では台湾出身者だけでなく大陸人や、台湾に親類のいない日本人のあいだにも華僑学校の人気が高まっている。横浜中華学院では、2005年度の入試に定員の約3倍に及ぶ応募があり、建学以来初めて入学試験を実施した。日本人の間での華僑学校人気の要因として、日本国内の公立小学校での不登校やいじめ、「ゆとり教育」による学力低下といった問題や、語学教育が充実し英語・中国語の二ヶ国語が学べる点、土曜日の授業実施など儒学に基づいた厳格な教育を行なっている点が挙げられる。
詳細は台湾の文化を参照
台湾住民の大部分の文化的基盤は漢文化である。しかしその内容は豊富であり、ホーロー(民族)系住民は福建南部系のホーロー文化に、客家系は客家文化に、外省人は出身省それぞれの文化に属し、近年は通婚などにより相互影響や融合が深まっている。なお原住民族はマレー・インドネシア文化に属しているが、これも漢人文化の影響を受けている。
台湾におけるいずれの文化においても顕著な現象として伝統要素が色濃く残っている点が挙げられる。社会主義化に伴う文化表現の規制、弾圧により中国本土では廃れていった漢人の伝統民俗が今日まで数多く残存している他、ヤミ(タオ)族を始めとする各原住民でも民族独自の文化が保持・継承され続けている。
漢民族では、各出自の共通概念として家族が社会組織の重要な社会単位となっており、先祖崇拝などの伝統家庭行事が現在でも重要な役割を担っている。また二十四節気を基とした旧正月や、清明節(ただし客家人の一部などは祝わない)、中秋節などの季節行事も毎年盛大におこなわれている。この他にも出身地ごとの伝統文化が存在しており、例をあげれば福建系の伝統文化としては布袋劇(人形劇)や歌仔戯(台湾オペラ、コアヒ)などがある。また、外省系移民がが台湾に与えた文化としては、中華民国政府のイデオロギー的影響や中国各地の料理などが挙げられる。
中国以外の外来文化としては日本とアメリカの影響が大きい。日本に関しては過去に日本による統治を受けていたため温泉、演歌、日本酒、おでん、武士道などの伝統的な日本文化が残留する以外に、戦後の日台関係の中で新たに流入したカラオケ、Jポップ、漫画、アニメ、テレビゲーム、ファッションも台湾で根付いており、1990年代後半には日本文化に傾倒する台湾青年層を哈日族と特に称すようになった。