台湾地域の住民は、漢民族と原住民族に大別される。原住民族は平地に住んで漢民族と同化が進んだ「平埔族」と高地や離れ島に住む「高山族」13民族(アミ族、タイヤル族、パイワン族、プヌン族、ピュマ族、ルカイ族、ツオウ族、サイシヤット族、ヤミ(タウ)族、サオ族、トゥルク(タロコ)族、クヴァラン族、サキザヤ族。なお、「高砂族」は日本統治時代の呼び名。)に分かれる。台湾の漢民族は、戦前(主に明末清初)から台湾に居住している本省人と、国共内戦で敗れた蒋介石率いる国民党軍と共に台湾に移住した外省人に分かれる。本省人が台湾で85%を占めており、本省人は福建(?南)系と客家系に分かれる。外省人13%、原住民2%(タイヤル、サイシヤット、ツオウ、ブヌン、アミなど13民族)。左図を参照
台湾の公用語は中国語(北京語)であり、国内では国語と称されている。国語は中華人民共和国の公用語である普通話と基本的に同一言語であるが、現在では語彙などの細かい部分に多少の相違点が生じている。他にも日常生活では福?語、場所によっては客家語、原住民の諸言語が使用される。福?語は言語上は福建方言の一種である?南語であるが、平埔族の言語や日本語の影響を受けており、その意味でも?南語とは分化し福?語と呼称される。
注:台湾に固有な言語という意味から、台湾語は客家語、原住民諸語をも意味するのではないか、という指摘があり、最近では福建南部系言語を台湾語と呼ばず、代わりに福?語(ホーロー語)と呼称するケースが増えてきている。
なお?は虫・蛇の意味で侮蔑的であるうえ、福建南部においても?南語だけが使われているわけではないこともあって、「?南語」の呼称は廃れつつある。ポリティカル・コレクトネス、多文化主義を参照。
音声言語の他、日本手話と比較的近い(共通性は6 - 7割といわれる)台湾手話を母語とする人たちがいる。
国語は普通話と同様に漢字により表記されるが、中華人民共和国で使用されている簡体字ではなく、伝統的な繁体字(正字体)が用いられている。ただし、日常生活でははある程度略字の使用が行われている。(「臺灣」を「台灣」と表記)
また発音記号としては注音符号という発音記号を現在でも教育現場で使用しており、小学生向けの教科書にルビとして振られている他、鉄道貨車の形式を表したりするのに使われている。それ以外にもラテン文字系の通用ピンインや注音符号二式、ウェード式のような発音表記方式も存在している。
日本統治時代に教育を受けた世代ではひらがなやカタカナを利用している例もあるが、現在では日本語を使用して福?語を表記(台湾かな)している台湾人は極めて限定的となっている。
電子機器の文字入力台湾式キーボードの例
パソコン等の文字入力方法は、マイナーなものもふくめれば十数種類の入力方法が存在しているが、習得が容易なことから日本のかな漢字変換に似た注音輸入法がもっとも一般的である。注音輸入法はパソコンだけでなく携帯電話での文字入力にも利用されている。また、習得が困難だが入力速度の速い倉頡輸入法、嘸蝦米などもプロ向けの入力方法として人気がある。
最近になって、国語以外の言語、即ち台湾語、客家語、原住民語の教育が義務付けられたが、中国国民党による戒厳令時代はすべて標準中国語(北京語)のみで教育する事とされていた。このため、高齢者や農村部では台湾語または客家語のみで北京語が話せない者がいる。その下の世代では基本的には「国語」と台湾語の両方とも話せるが、在中年世代以下では北京語のみで台湾語を「聞いて理解できるが話せない」という者も少なくない(特に外省人が人口に占める割合多い都市部)。従って、同じ「台湾人」であるはずなのに世代間でコミュニケーションが成り立たないということも珍しくない。また、日本統治時代においては日本語での教育が義務付けられたため、高齢者には日本語を話せる人が多く、中には母語並みに日本語を使いこなせる(書くこともできる)人も少なくない。
この他、英語の教育熱が高く、幼稚園時代から英語のみ使用する施設などに子供を預ける者も多い。アメリカへの修士号への取得、学士号の取得を目標とする留学者も多い。また、若者の間では日本ブームなどの流れに乗り日本語の学習者も増えている。彼らの中には日本の大学や専門学校の日本語を専攻とし、日本で就職する者も少なからず存在する。
詳細は台湾の教育を参照
現在の台湾の教育制度は、中華民国憲法の規定(第二十一条、第百六十条)と各種の教育関連法に基づいて体系化されている。学制は6・3・3・4制が採用され、国民小学6年、国民中学3年、高等中学3年、大学4年となっている。ただし大學の教育、建築学部は5年、歯学部6年、医学部は7年とされている。普通学校と並行して特殊学校(盲学校、聾学校、養護学校など)と補習学校(専科学校や語学学校など)がある。義務教育(台湾語では国民?育)は、当初は国民小学の6年のみであったが、1968年度から国民中学3年も含めて9年制とされ、公立校の教育費は無料とされている。学年度は8月1日から翌年7月31日までで、日本の4月1日〜3月31日とは異なる。中華民国には二十歳の男子国民に兵役の義務があるが、大学と専科学校の在学生は卒業まで徴兵延期が許されている。
一般に台湾人は教育に熱心であり、国語(中国語)識字率は96.3%(2002年度)に達する。しかし教育熱心な人が多いゆえに台湾は学歴社会となっており、就職では日本以上に学歴が重視される傾向にある。この為、日本の高校に相当する高等中学校の進学率は92.02%、大学への進学率は70.07%(共に1997年度)と共に高い。特に有名高等中学校・大學への入試は熾烈を極める。大学進学・卒業後に海外の大学・大学院へ留学する学生も多く、台湾には日本やアメリカの大学・大学院が出した学位・博士号を持つ者も多い。
大学には総合大学のほかに短期大学(2年制)、工科大学、文科大学、国立空中大学(日本の放送大学に相当)があり、2002年度時点で大学総数154校、学生総数は約124万人に及ぶ。