1970年の台湾独立建国連盟設立後を境に前期・後期と分けられる。
初期の独立運動は、日本へ留学した留学生が活動の中心となった。これは日本統治時代の影響で日本語を習得していた人間が多く、台湾から日本の大学への留学が比較的容易だった事が背景にある。
中華民国国外における本格的な独立運動の先駆けとしては、廖文毅による日本での台湾共和国臨時政府樹立が挙げられる。しかしながら、臨時政府は財政問題や国民政府の圧力などによっていきづまり、廖文毅の「投降」後に瓦解した。
他にも、日本では許世楷や黄昭堂、金美齢および夫の周英明らが中心に活動し、台湾独立を主張した雑誌『台湾青年』をはじめとする諸著作の出版や中華民国政府による人権抑圧や、中華民国政府に好意的な日本政府に対する抗議デモ、また当時台湾で軟禁状態だった彭明敏亡命の支援など積極的に台湾独立運動が行われた。この時期に出版された諸著作は台湾独立運動の法学・歴史学上の基礎となっている。
こうした日本の活動参加者やアメリカへの留学生などにより、台湾独立建国連盟が設立された。その後、アメリカが台湾独立運動の中心となった。これは日本語を常用していた学生が年月の経過により減少したことや、中華民国政府の対米影響力が減少した事が背景にある。彭明敏や黄文雄など、日本語能力を持つ者も、アメリカに滞在している。
ちなみに、後の台湾の民主化によって台湾独立運動は一気に加速するが、台湾の民主化は、主に国民党に入党した李登輝ら台湾人(許國雄の項参照)の手によって推進された。李登輝は、国民党による大陸との統一路線である「反攻大陸」のスローガンを破棄し、「二国論」を展開。大陸は中華人民共和国が有効に支配し、台湾にはこれとは別の国家である中華民国が存在すると主張した(中華民国在台湾)。李登輝は更にこの主張を前進させ、「台湾中華民国」という呼称を提唱、国民党総裁を離職してからは、「台湾団結連盟」(後述)という「台湾」と名の付く初めての政党を結成した。現在は台湾正名運動に取り組んでいる。
民進党では、1999年に台湾前途決議文を採択し、党綱領にある台湾独立を棚上げした。これは、2000年総統選挙に向けて、党内最大派閥の新潮流と穏健派が妥協した結果であった。同選挙で勝利し、陳水扁政権が成立すると米国政府の意向を汲み、「四つのノー、一つのない」を唱えた。そのため、民進党と従来の台湾独立派との間には、亀裂が生じた。
李登輝前総統は、かつての中国国民党李登輝派である台湾本土派の一部に台湾団結連盟(台聯)を結党させ、自らはその精神的指導者となった。台聯は綱領において、台湾新憲法の制定と、国号を台湾にすることをうたっている。当初、台聯は民進党を支援する目的で結成された。しかし、中国国民党の台湾本土派を十分に取り込むことが出来ず、固定的な支持基盤を獲得できなかった。そこで、急進的な独立派路線により、民進党と独立派に近い(深緑)支持者の票を奪い合うことになった。そのため、民進党と台聯の間で、独立的な主張を競い合うという循環に陥り、中間票を取りこぼす結果も生まれている。
一方、本来の台湾独立派は、陳水扁政権において総統府国策顧問や資政(上級顧問)に就任するものも現れた。しかし、顧問職の者も含めて、陳政権とは一線を画している。むしろ、台湾正名運動を推進し、最終的には陳水扁政権が放棄した国号改称も行うよう、求めている。また、現行憲法を廃止し、台湾新憲法の制定も求めている。
その他、政治体制についても、五院体制から三権分立への変更を求める者もいる。対中国政策については、台聯や台湾独立派は、経済交流(貿易、投資、人的交流)規制の継続と強化を求めている。
香港を拠点として活動した人物
廖文奎(1905年-1952年):第二次世界大戦後の早期に台湾民族主義思想の理論を築き上げた運動家。1950年代に「台湾再解放連盟」が発表した『福爾摩沙發言(Formosa Speaks)』の著者。
廖文毅(1910年-1986年):第二次大戦後の最初期に活動した運動家。1948年に香港で「台湾再解放連盟」を成立させ、後に日本へ渡る。
謝雪紅(1901年-1970年):「台湾再解放連盟」の創始者の一員。二二八事件後に台湾から逃れてきた。
日本を拠点として活動した人物
廖文毅(1910年-1986年):第二次世界大戦後の最初期に活動した運動家。1956年に東京で台湾共和国臨時政府を樹立させ、初代大統領に就任。後に台湾国民政府へ「投降」。
陳智雄(1916年-1963年):元台湾共和国臨時政府の東南アジア巡回大使。自己の政治信念を貫いたがために、1963年に台湾国民政府によって銃殺される。そこから、「少しも死を恐れない台湾独立の勇士(視死如歸的台獨勇士)」と称される。
辜寛敏:日本における台独運動の重要な指導者。『台湾春秋』、『黒白新聞週刊』などの雑誌を創設し、台湾青年会の委員長を歴任。現在は中華民国総統府で資政。
郭栄桔:日本における台独運動の指導者であり、事業に成功した企業家。世界台湾同郷会連合会の元首任会長。
侯栄邦:日本における台独運動の指導者。台湾独立建国連盟(台独連)日本本部中央委員を歴任。
黄文雄 (評論家):現任の台独連日本本部委員長。日本に滞在する有名な台湾人作家であり、中国史に関する著作などを日本語で40冊以上執筆。