架空の物語では、大きく分けて三つの意図から双子を登場させることが多い(もちろん、複数の意図が被る場合もある)。
酷似した外見を持つ存在
双子(特に一卵性双生児)の酷似した外見をもって、一見して双子であると視聴者や読者に分からせ、双子の入替わりを正当化することが可能となり、しばしば悲喜劇や推理劇に利用される(シェークスピアの『間違いの喜劇』、『刑事コロンボ』第17話など)。酷似した外見であっても性格の異なる人物として描かれる場合も多く、当人達の努力や意思、そして経験による後成的変異の影響を強調する物語展開となりやすい。マナカナが幼少時代を演じた『ふたりっ子』や、『聖闘士星矢』の登場人物のサガ・カノン、さらには児童文学の『ふたりのロッテ』におけるロッテとルイーゼが代表的な存在だろう。また、絵本『ぐりとぐら』のぐりとぐらやディズニー作品のチップとデールのように、似た外見をもった二人組が並んでいると、それだけで視覚的な可愛らしさを演出できるメリットもある。さらには微妙な差異をもってキャラクターグッズ等を別商品として展開できるメリットもあるため、手軽な販売戦略としても利用されうる(ハローキティとミミィなど)。ただ、『きかんしゃトーマス』の双子車両(ドナルドとダグラス、ビルとベン)のように、公式には双子のうち一方だけを販売するような場合もある。
精神的肉体的な分身
母親の胎内に同居し同時に出産されたという、非常に強い連帯感を相互に持った二人組という演出が可能となる。場合によっては、相反する(相互補完的な)性格付けがなされたり(『海の闇、月の影』、『ゲームの達人(第三部)』など)、テレパシー等を有する超能力者として登場する(『ミラクル☆ガールズ』など)。この場合、登場する双子が強い精神的絆を持っていれば、二人の外見や学力、身体能力が似ていなくとも良い(『生徒諸君!』や成長後の『ふたりっ子』など)。また、一方が亡き後に夢や事跡を継ぐ『タッチ』のような形で描かれることも多い。さらには、オカルトチックながら肉体的精神的な相互干渉がある場合もある(『コルシカの兄弟』など)。また、理論上では一応はあり得る話ではあるにせよ、双子の登場する作品の中には異性双生児であるにも関わらず、一卵性として描かれたり、一卵性とは明示しないまでも二人の外見が非常によく似ているように描写されたりするものもあるが(単純な作劇ミスの場合もあろうが)、これも絆や双子達の分身性を強調したい故だろう。逆に分身性を強調するために「双子」という設定を利用する物語もあり、勇者王ガオガイガー等では設定上双子であるロボットも登場する。
親子以上に濃い関係の血縁
双子の二人が何らかの差異(外見や立場など)があっても、同格の存在として描くことが出来る。なかには、双子達本人が気がついておらずとも、その濃密な血縁関係そのものが重要な場合もある。映画『ツインズ』でアーノルド・シュワルツェネッガーとダニー・デビートが演じた双子や『スター・ウォーズ』のルークとレイア姫は、外見上の酷似や精神的感応がなくとも、非常に濃い血縁関係であること自体が重要な要件である。川端康成の『古都』に見られるように、出生を同じくしても立場や運命の違いを強調する展開になる場合もある。また、双子という濃密な血族関係から、『鉄仮面』や旧約聖書のヤコブとエサウなどに見られる双子の王位継承や家督相続などの場面では、その継承順位が誕生のわずかの後先により決まってしまい、継承の不公平さ・理不尽さ・運の有る無しといった違いが際立つことになる。
※現実の双子有名人は双子の有名人の一覧を参照。本項では代表的な双子の紹介に留める。
酷似した外見
元女性デュオのザ・ピーナッツは、双子ゆえの可愛らしさを売りにした代表的なタレントだろう。女優のマナカナも酷似した外見を持つ双子として、双子(三つ子)役をしばしば演じている。お笑いタレントのザ・たっちも酷似した外見を「幽体離脱」等のネタとして利用している。また、元気な100歳の双子としてテレビCMに登場したきんさんぎんさんも、国民的な人気を博した。アメリカTVドラマフルハウスにおいては厳しい就労規則の都合から双子のオルセン姉妹(当時8ヶ月)を採用し、二人が交互に一役を演じた。
同様の境遇・環境
同じような生育環境や経験を持つことから、似たような能力と機会を得て、同様の職業で活躍する双子も珍しくない。評論家のおすぎとピーコや、マラソンの宗兄弟とスキーの荻原健司・荻原次晴の兄弟、そしてポーランドの政治家であるカチンスキ兄弟(兄のヤロスワフ・カチンスキ元首相 、弟のレフ・カチンスキ大統領)などが代表例としてあげられる。
参考文献^ 「クローン(一卵性双子等)を活用した畜産新技術の実用化」 ⇒家畜改良センター
^ 「1つの卵子に精子2つ“第3の双子”確認」 ⇒Nikkansports.com
^ Yuhang Shek, Amy Huang, and Louis G. Keith, M.D.. “Twinning Trends in Asia and Western Countries: Similarity and Dissimilarity”. ⇒multiplebirth.com
^ 「遺伝子発現の確率性」 ⇒北海道大学 遺伝子病制御研究所 CRG バイオインフォマティクス
^ ⇒肌チェックで双子も見分ける──ニブンビジョンの顔認証ソフト
^ ⇒Twins Matter(Virginia Commonwealth University medical center)
^ Gedda L, Sciacca A, Brenci G, Villatico S, Bonanni G, Gueli N, Talone C (1984). “Situs viscerum specularis in monozygotic twins”. Acta Genet Med Gemellol (Roma) 33 (1): 81-5. ⇒PMID 6540028.