博士号
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日本における博士学位の意義と問題点

博士の学位は、明治・大正期において「末は博士か大臣(大将)か」と言われた程、信頼の高い称号であった。現在でも博士の学位は、日本の学術研究の指導的立場に立つ人材の育成、国際機関などに人材供給をしていく上で大きな意義を持つ。近年、外国人留学生が日本の大学を敬遠する傾向が強いため、文部科学省も各大学に対し博士号の授与を奨励している。

博士学位の周辺事情として、理系の研究領域において、博士号の授与例が多い一方、文系における博士号は、大学人が生涯の研究の集大成として博士号を取得する歴史がながく、授与例が少ない傾向にある。そのため、大学教授であっても、そのすべてが博士号を保有しているわけではない[2]。近年、博士号は研究者の最終目標ではなく始発点との考えが日本で広まりつつあり、2001年学位規則改正後は、若いうちから博士号を取得する方向に大学院指導も変化してきている。他方、博士号の取得は、博士号を有しながらも定職に就けない、余剰博士(オーバードクター)問題を発生させている。

博士号には高い信用と専門性があるものの、現実の社会ではその効果が最大限に活かされていないと疑問の声もある。また、大学院教育が諸外国と比較して遅れている面が指摘される。また、博士の学位授与基準が厳格でその取得に時間と費用がかかるとの指摘もある。さらに、このようなマイナスの面ばかりを必要以上に強調した情報が広まったために、博士を積極的に活用しようとする動きが抑制されているとの見方もある。


ディプロマミルによる学位偽造

博士学位の問題に偽造学位の問題がある。主に海外の大学にて、学位を審査・授与するに足らないディプロマミルという機関が大学を称して、形式的な審査と料金を支払うことで、正式な博士の学位であるかのように学位を授与する組織が存在する。アメリカでは、ディプロマミルを用いた経歴詐称が深刻であり、日本においても2004〜2006年度で全国4大学に4人、「ニセ学位」によって採用・昇進した教員がいたことを2007年末文科省が発表した[3]。このような問題を回避するために学位の表明には取得大学名を併記するようになっている。欧米およびその影響の強い国々では称号として氏名に博士を付けて呼ぶ(英語圏の場合、博士号所持者はMr.○○ではなくDr.○○と呼ばれる)ことが通例であるが、日本社会ではそうした慣例は殆どなく、その点でも欧米に比べると一般社会における学位取得利点は薄い。その一方、日本には日本の博士号より、海外のPh.D.を格上と見なす者も多いため、ディプロマミルにより海外のPh.D.を手っ取り早く取得することには十分な旨みがあり、そのことがディプロマミルの潜在的な需要の一つになっているとの見方もある。


関連項目

専業非常勤講師

律令

学歴

学位

Ph.D.

Ed.D.

ドクター

法科大学院

法務博士

博士論文

修士

学士

名誉博士


外部リンク

博士論文データベース (国立情報学研究所)


脚注^ 過去においては慣習として経歴として満期退学で博士課程修了と記すことがまま見られたが、これは厳密には経歴の詐称になる。日本では履歴書には「博士課程(後期課程)中途退学」「博士課程(後期課程)単位取得退学」「博士課程(後期課程)満期退学」等と記すのが一般的である。なお、欧米では一般に満期退学はキャリアとはみなされない。
^ 欧米からの研究者の中には、日本で博士号を所持していない人物が教授の職位にあることを訝しがることがあるが、これは嘗て日本での非自然科学領域での博士号取得例が少なかった歴史の変遷による誤解である。一般に日本では50歳位以上の人文科学、社会科学の研究者では博士号の所持如何は能力のバロメーターとは看做されない。
^ 朝日新聞、2008年1月6日朝刊、東京版、34面。
カテゴリ: 学位

更新日時:2008年7月2日(水)19:03
取得日時:2008/08/07 00:58


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki