つい最近までPh.D.所持者の肩書きの訳を「哲学博士」と訳すことが多かったが、現在では「学術博士」で統一されている。
各種用語
博士課程
博士の学位の授与を受けるために在学する大学院の課程のこと。
博士論文
「博士の学位」の授与を受けたときの学位論文のこと。
博士号
「博士の学位」のこと。
最近は各国で、高等教育への関心が高まりつつある。そのため、社会人大学院や夜間大学院、通信制大学院といった形態で、働きながら研究して博士の学位を取得する人が増えている。またそうした社会経験の豊富な人口が大学の教員になることで、学問と社会の接点を拡大しているという面もある。
理系の博士は、企業からも一定の研究能力を持つ者として認知されることが多く、一部の産業では何人の博士を雇用しているかが信用の指標とされる場合がある。実際、日立製作所には博士号取得者から成る「へんじん会」が存在している。
しかし、基礎研究を重視しがちな大学・研究機関においては、社会的応用が第一義とされていないことが少なくなく、企業の求める人材との溝が指摘されることがあり、職域・活動に応じた知識や技能の向上は他の社会人と同様に重要である。
国際的な知識社会化、生涯教育の拡大、高度専門職の増加などが進行する中、社会において博士号取得者をいかに活かすことができるかが、日本を含む多くの国々で問われている。
しかしながら現実には、博士号取得者の新規雇用に積極的な企業や大学はそれほど多くはないのが実状である。
企業の立場では、人事体系に技術専門職種及び一部の経営幹部を除き博士号取得者を処遇する体制が整っていないこと、大学側では博士号取得者は研究者(学者)であり外部への就職は自力で行うものという思考があるためといえる。
博士号の学位制度は、各国によって異なる。
英語圏の国々では、学術による(専門博士でない)博士は、伝統的にDoctor of Philosophyの学位を授与される。このPhilosophyは一学問分野としての哲学ではなく、広く学術一般を意味し、Ph.D.と略される。中にはMITのようにDoctor of Scienceを選択できるところもある。主な博士の種類には、以下がある。日本語の訳は意訳であり、あくまで参考。
博士 (医学)(英Doctor of Philosophy in Medicine)
博士 (薬学)(英Doctor of Philosophy in Pharmaceutical Science)
博士 (歯学)(英Doctor of Philosophy in Medical Dentistry)
博士 (獣医学)(英Doctor of Philosophy in Veterinary Science)
博士 (理学)(英Doctor of Philosophy in Science)
博士 (農学)(英Doctor of Philosophy in Agriculture)
博士 (工学)(英Doctor of Philosophy in Engineering)
博士 (文学)(英Doctor of Philosophy in Literature)
博士 (言語学)(英Doctor of Philosophy in Linguistics)
博士 (応用言語学)(英Doctor of Philosophy in Applied Linguistics)
博士 (経営学)(英Doctor of Philosophy in Business Administration)
博士 (政治学)(英Doctor of Philosophy in Political Science)
博士 (経済学)(英Doctor of Philosophy in Economics)
博士 (商学)(英Doctor of Philosophy in Commercial Science)
博士 (社会学)(英Doctor of Philosophy in Sociology)
純粋な基礎研究ベース以外に、アプリケーションを含む学位には、Doctor of Philosophyを用いず、以下のようなものがある。
博士 (神学)(英Doctor of Theology 略称 ThD)
心理学博士 (臨床分野)(英Doctor of Psychology 略称 PsyD)
博士 (教育学)(英Doctor of Education 略称 EdD)
博士 (法学)(英Legum Doctor 略称 LL.D.)
これらの学位名、略称、取得方法・条件は、大学や専攻によって違いが大きい。
専門職学位においても、PsyDは、アメリカでは、5年間のフルタイム就学が必須であるが、似たような学位や終了証が博士号に満たない能力で取得できるケースもある。日本の臨床心理士などは、修士号取得者が取得できるが、欧米では、専門職技術者は、博士号が必須であり、博士号がなければ、心理学者、または臨床心理士と自称することは、時として違法である。
イギリスの博士号は、PhD又はDPhilと略記される。イギリスには、博士号のさらに上位に上級博士の学位がある。修学期間は多くの場合、標準で学士取得後3年間であり、このうちの1~2年は修士課程の扱いとなっている場合がある。
少なくとも、以下の学位が存在する。
博士 (農学)(Dr. agr. (agriculturae): Doktor der Agrarwissenschaften)
博士 (工学)(Dr.-Ing. (Doktor-Ingenieur): Doktor der Ingenieurwissenschaften)
博士 (法学)(Dr. iur. (iuris): Doktor der Rechtswissenschaften)
博士 (数学)(Dr. math. (mathematicae): Doktor der Mathematik)
博士 (医学)(Dr. med. (medicinae): Doktor der Medizin)
博士 (歯学)(Dr. med. dent. (medicinae dentariae): Doktor der Zahnmedizin)
博士 (哲学)(Dr. phil. (philosophiae): Doktor der Philosophie)
博士 (林学)(Dr. rer. hort. (rerum horticulturarum) Doktor der Gartenbauwissenschaften)
博士 (理学)(Dr. rer. nat. (rerum naturalium): Doktor der Naturwissenschaften
博士 (国家学)(Dr. rer. pol. (rerum politicarum): Doktor der Staatswissenschaften)
博士 (行政学)(Dr. rer. publ. (rerum publicarum): Doktor der Verwaltungswissenschaften)