往来・補給のために1380 mの滑走路があり、島の一辺は滑走路だけである。船の波止場もあるが、浅いサンゴ礁に阻まれて大型船は接岸できないため、大型船は沖合いに停泊し、そこから船積みの小型ボートで島にやってくる。海上自衛隊は、島に7 m型の交通船を所有している。
かつては、アメリカ合衆国の沿岸警備隊が電波航法施設ロランC局を運用していた。現在は海上保安庁千葉ロランセンターが業務を引き継ぎ運用している。213 mのアンテナから1.8 MWの送信出力でロランパルスを発信している。
島に駐在する職員のため、航空自衛隊のC-130H輸送機が月に1度、海上自衛隊のYS-11が週に1度、食料の補給や荷物の配達のために飛来する。また、不定期で海上保安庁のYS-11が利用されることもある。物資等の輸送だけではなく、交代の職員もこれらの飛行機を利用する。硫黄島と共に郵便事業株式会社より「交通困難地」[1]の指定を受けており、南鳥島の住所を記載しても郵便は届かない。
所要時間はC-130が入間基地からの直行で約4時間、YS-11が厚木基地(自衛隊機)または羽田航空基地(海上保安庁機)から硫黄島を経由して約8時間。但し、絶海の孤島で周囲に緊急着陸が可能な飛行場が存在しないために、何らかの理由で着陸ができないと帰路に燃料不足の懸念がある。よって、確実に着陸可能である場合にしか飛んでこない。また半年に一度、海上保安庁の巡視船が南鳥島沖合に停泊し、その際、巡視船に搭載されているヘリコプターによる吊り下げ搬送で大きな荷物が島内に運び込まれる。
その他の情報
一般人は原則としてこの島には上陸ができない。上陸できるのは海上自衛隊・海上保安庁・気象庁の職員のみである。例外的に工事関係者など特別の許可を得た人間は上陸できるが、島内に宿泊施設はないので、資材搬入などで短期滞在する場合は沖に船を停泊させて寝泊りし、建設工事などで長期滞在する場合は自前で仮設住宅を用意することになる。
硫黄島とウェーク島から1,300km程度の等距離にあるため、かつてはアイランドホッピングで太平洋を横断するセスナ機の給油で使われることが多かった。現在では、航空機の性能向上により殆ど使われることはなくなったが、今も緊急着陸用飛行場に指定され、IATAの空港コードも設定されている。
第二次世界大戦の際に戦闘を想定して島を要塞化した(実際には米軍による上陸・戦闘は起きなかった)。そのため、今もなおその時代の戦車や大砲などが残っている。
南鳥島にも電話はある。NTTドコモが運用している通信衛星、N-STARを利用するもので、島に常駐する職員向けに公衆電話(テレホンカードとクレジットカードが使える、フェリー船内などにあるタイプ)が設置されている。
島には、上記の通り海上自衛隊施設・気象庁施設及びアメリカ沿岸警備隊撤退後にその施設に入居した海上保安庁施設がそれぞれある。ただし食事については、海上自衛隊と気象庁が共同で海上自衛隊施設で摂っている。
島で使う電気は発電機で発電する。発電用の燃料は、半年に一度、航空燃料と一緒に船で運びこまれる。水は、溜めた雨水や海水を浄化して作った水を使用。水と電気の管理は気象庁職員が行っている。
かつて、作家の池澤夏樹がどうしても南鳥島に行きたいということで、補給船に乗って1日だけ上陸したことがある。この時の状況は彼の著作「南鳥島特別航路」に書かれている。
島の周囲はサンゴ礁で浅くなっているが、潮流が速く、サメもいるため泳ぐのは極めて困難。サンゴ礁の外側はすぐに深さ1000 mの断崖となり、その落差には恐怖を感じるという。
台風が時折通る。しかし、風と波を遮るものが無いため、不幸にして遭遇した職員は施設に閉じ篭ってやり過ごすしかない。2006年9月1日、猛烈な台風12号の接近に伴い、返還後初めて全員が硫黄島へ避難をした。
急病人が出た場合は本土から航空機を飛ばすことになるが、場所柄どうしても片道だけで半日かかるため、重篤な患者は不幸にも手遅れになってしまうことがあるらしい。
アマチュア無線クラブ局JD1YAA局(気象庁南鳥島測候所ハムクラブ)が開設されている。アマチュア無線の大陸区分においては、南鳥島はオセアニア(OC)に含まれる。
ヤモリ科の1種、ミナミトリシマヤモリが生息している。国内ではここと南硫黄島にのみ生息が認められ、ミクロネシア方面から流木などに乗って分布を広げたものと考えられている。
その名称から、しばしば日本最南端と誤解され、沖ノ鳥島と混同されている。
アフリカマイマイが多数生息するが、人体に有害な寄生虫を持つため、絶対に触れてはいけない。
関連項目
中ノ鳥島 - 存在が確認できなかったにもかかわらず、日本の領土として海図などにも記載されていた架空の島。仮に存在していたならば、南鳥島よりも東にある日本最東端の島だった。
参考文献
池澤夏樹『南鳥島特別航路』新潮社(新潮文庫)、1994年。ISBN 4101318123
外部リンク
⇒国土地理院 地図閲覧サービス ウオッちず 2万5千分1地形図名:南鳥島 (南東)