なお、東洋医学を体系的に学ぶための学科は日本には無い(ただし医学部以外では存在する)が、医学科では、2007年度時点にて、日本のすべての大学の医学科にて、東洋医学の講義が行われるようになった。
医学博士号を取得するためには、医学部卒業後または修士号取得後に4年制の医学系の大学院へ入学する必要がある。医学部以外を卒業してから入学することも可能だが、医師国家試験を受験するためには医学部医学科で6年間の教育を受ける必要があるため、大学院の卒業要件だけでは国家試験を受験できない。言い換えれば、医師でなくとも医学博士の学位は取得可能である。医師は卒後研修後数年したら医学系大学院に進学し、そこで4年間基礎医学の研究に携る者が多かった。これによって日常診療での限界をどのように医学が発展し克服してゆくのか見定めることが出来る。また、学問的な思考過程を身に付けた上でもう一度臨床に戻ることは日常診療では見落としていがちな視点を補完できる等の利点もある。
世界には公衆衛生の観点を重視して保健学部医学科なども存在する。日本では沖縄復帰前の医療体制が、これに類した体制であったため、復帰に際して日本初の保健学部医学科を創設する機運もあったが、実現はしなかった。
医学部のうち、医学科は日本全国に80あり、いずれも一学年100人程度と少人数で編成されている(「近年難化を示す医学部入試」などという場合、「医学部」とは「医学部医学科」のことをさしている。以下、医学部=医学科とする)。入学志望者の競争倍率は高く、受験者には過年度生が非常に多い(3浪以上の多浪生も珍しくない)。医学部は医師免許を取得できるため、浪人や留年や休学や再受験等で、卒業までに要した年数が合わせて3年以上余分であっても、他学部に比べると就職で大きく不利になることはない。また、前述の浪人生だけでなく、一旦社会人として就職しているにも関わらず志望する者や(社会人入学者と呼ぶ)、既に他学部に入学、もしくは中退や卒業をしているにも関わらず志願する者(仮面浪人生や再受験生と呼ぶ)も多い。それ故、20歳代後半や30歳代で、医学部に入学する者も数多く、医学部の学生の平均年齢は非常に高齢傾向にあると言える。
医学部卒業生の生涯賃金は同等の偏差値の他学部卒業生より低いが、「高給の医師」というイメージの先行もあり、高所得を希望して医学部を志望する受験者も多い。また、卒業後の医師の過酷な生活や労働環境について正確な知識を持って医学部を志望する受験者は少なく、情報公開の遅れが結果的に誇大広告になっている点を指摘する声もある。
理系受験生の約3割が医学部志望者だと言われている。また、難関大学合格者数を売りにしている一部の私立中高一貫校による(特に国公立の)医学部合格者の寡占状態が問題視されることもある(ただし、地方では地元の公立高校から大量合格者が出るケースも散見される) ⇒[1]。近年では女性受験者が目立って増加しており、すでに海外では女性の入学者数が過半数となっている医学部も多い(ガールパワー)。
教員数の割に学生数が少ない、研究部門が大きいなどの理由から、特に私大において教育研究費が他の課程に比べて高額となる場合が多い。私立大学の授業料は年に200?500万円が相場とされているが、私大医学生の中には授業料や設備費などを含めた学費が1000万円を超える学校も少なくない(一方で自治医科大学のように、条件を満たせば授業料が殆どタダという大学もある)。
卒業時には卒業論文はなく「卒業試験」に合格することで修了となる(一部例外あり。三重大学では2008年度より卒業試験を廃止予定)。
最近では、卒後臨床研修必修化に伴い、研修病院への就職活動が激化している。重点研修内容が、内科・外科・産科・小児科などのCommon Disease(罹患率の高い疾患)や救急医療などとなっているため、都市部の市中大規模病院での研修を望む者が多い傾向がある。大学病院は、医師の数が多い上、罹患率が低かったり、高度な医療が必要だったりする特殊な疾患を主に扱い、研修医が重点研修内容を実際に扱う機会が少ないとみなされる点や、給与や福利厚生も市中病院に比べ悪いため、大学病院離れの傾向が強い。病院の数自体が少ない地方ほど、大学病院の高度医療化が進んでいるため、研修医が集まらずに定員割れがおきている(自治医科大学、東北大学、東海地方の大学では、伝統的に市中病院での研修を推奨、または義務としてきたので、大学病院の研修医は少ない)。
近年は少子化による大学入試の易化や理系離れが指摘されているが、バブル崩壊後長く続いた不況による企業の倒産やリストラの影響などもあり、医学部志望者が大幅に増え、特に国立大学の医学部の入学試験が難化する傾向にあり、景気回復後も人気が高止まりしているのが現状である。国公立大学の医学部入試は、他学部と同じ問題を出題している大学がほとんどであることもあり、センター試験、二次試験共に合格最低点や入試偏差値は他学部と比して極めて高く、最難関学部(学科)と称され、東大の理T(主に工学部)・理U(主に理学部、農学部、薬学部)と同程度、もしくは、それらより上の難易度とされる(但し、大学毎で試験の科目、配点等の条件が異なるため、東大入試と国公立大学医学部入試は単純には比較できない)。さらに2006年度入試から国公立大の医学部において、センター試験理科3科目(化学、物理、生物)全てを受験しなければならない大学も出てきている。さらにほとんどの医学科では面接を課している。
このような入試状況から、現在の大学受験界では、東京大学理科III類(医学部)が最難関入試とされている。
地方の大学の中には卒業生の流出を防ぐため、大学入試時における地元枠を設ける大学も出てきている(最多は旭川医科大学で、地元推薦枠が45名、編入学のうち地元枠が5名である)。そのため医学部入試は難化傾向である一方、推薦という手段により地元の高校生が恩恵を受けるといった新たな傾向も生まれている。ただし、推薦入試の導入により入学者の学力低下が危ぶまれており、国試合格率の低下が心配されている。また、推薦生達が地元に残らないケースも少なくなく、卒後の進路について何の制限もないことから、推薦入試を「医学部に簡単に入る究極の裏ワザ」と称する受験参考書も存在する。
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