ソ連時代にはレーニン勲章や赤旗勲章など数多くの勲章があった。
レーニン勲章は"東側のノーベル賞"とも呼ばれていた勲章で、軍事、思想、文化、芸術など各分野での卓越した人物、組織に与えられ、ソ連邦英雄称号や労働英雄称号等にも付随して授与される。東側の指導者は勿論のこと西側の人物にも授与者は多い。日本人授与者もいる。
赤旗勲章はソ連邦最初の勲章で、一番発行された勲章で20年代初期に制定された。赤旗勲章は軍事功績を称える勲章で労働功績には労働赤旗勲章がある。赤旗勲章の前衛的なデザインは他の社会主義国の勲章やソ連邦成立初期の各共和国独自制定の勲章に非常に影響を与えた。
勝利勲章はソ連邦で一番豪華な材料を使用した勲章でダイヤモンドやルビーをふんだんに使用している。これは軍の最高司令官にのみ授与される、完全なる軍将官のみの勲章である。授与した軍人はスターリン、ジューコフ、ワシレフスキーなどの著名人ばかりで外国人ではアイゼンハワーやチトーが授与されている。ブレジネフも授与されたが授与される理由が無いにも関わらず授与された為、ゴルバチョフ政権下で剥奪された。
ロシア連邦の賞勲制度
現在のロシア連邦ではそれまでのソ連邦の賞勲制度を引き継いだが帝政時代の勲章を復活させたり、ロシア共産党の独自制定勲章やメダルも多いがそれらは大抵が記念メダルで、ソ連邦時代の出来事や組織の記念日、個人の軍歴などを記念するものが多い。大祖国戦争50周年・55周年・60周年記念メダルや10月革命80周年記念メダルなどが有名である。レーニン勲章に似たスターリン勲章もある。各自治共和国政府が発行するものもある。
旧ソヴィエト連邦構成国CISの賞勲制度
ソ連崩壊後ほとんどの旧ソ連構成国で独自の賞勲制度が制定されたがやはりほとんどはソ連邦やロシアの制度に模した制度の国も多い。独自の制度を作り別の形になっている国もある。ウクライナやベラルーシなどは比較的ロシアの賞勲制度に近いがカザフスタンやトルクメニスタンなどの国では比較的独自のものも多い。バルト三国ではソ連併合前の賞勲制度を復活させている。ソ連邦時代に制定・授与された勲章も大半の国ではその国の勲章の1種として重宝されている。またロシア連邦発行の勲章・メダル類も自国の物として発行している国もある。
英雄称号
ソ連(現ロシア)をはじめとする旧共産圏には英雄称号という制度があり正確には勲章とは僅かながら異なる。それぞれの非常に卓越した功績を称えるもので国家の称号として個人・組織などに授与される。戦争などで命を失った故人に対しても授与される。ソ連邦の場合は連邦英雄称号と、社会主義労働英雄の二種が存在する。他の共産圏でもほとんど同じように二種類ほど存在する。勲章でもそうだがこちらはそれ以上に授与される事が少なく、進歩的な科学の発展、命をかけた軍事行動、国際的な競技大会での優勝など国家や国民に対して全力を尽くした功績のみに対してはじめて授与される。授与された者の生活は一般人に比べ圧倒的に優遇され給料や配給の大幅増量、交通機関の無料利用など授与者本人だけでなく一家が生活するに当たって苦労しないような、さまざまな特典や年金がもらえる。また二回以上授与では故郷の学校に授与者の名前が付くなど授与者はまさに英雄として扱われる。称号には付随したメダルがありほとんどの国で似たようなデザインで、赤色の綬のついたリボンで吊り下げる形式の金色の星を象ったメダルで、レーニン勲章などの高級勲章もほぼ同時に授与される。ソ連邦の著名人や歴代書記長のほとんどはこれらの英雄称号を授与している。着用する場合、いかなる勲章でもその上に英雄メダルを取り付ける(北朝鮮に限りその上に金日成バッジを付ける事が多い)。またメダルの形式は勲章型でも略綬は存在せず(東ドイツに限り存在する)平常時でも取り付ける。平常時も着用する場合は略綬の上に取り付けるか、英雄メダル単体を取り付ける。英雄称号の授与者は国家のプロパガンダによって人々の労働意欲向上のため全国的に大きく取り上げられ宣伝ポスターなどで具体的な功績と本人の肖像画入りで紹介される。ソ連邦では第二次大戦中のさまざまな軍人・民間人に多数授与されその中には戦争の犠牲となったり軍隊に協力した子供たちもいる。
満州帝国の勲位と勲章は、1934年(康徳元年)4月19日勅令第27号「勲位及勲章に関する件」で定められた。勲位は、大勲位及び勲一位から勲八位までの9位とされ、勲章は大勲位蘭花章頸飾、大勲位蘭花大綬章、龍光大綬章、景雲章とされた。1936年(康徳3年)9月14日勅令142号により勲章に柱国章が加わった。
大勲位蘭花章頸飾
大勲位蘭花章頸飾は、大勲位に叙せられた者が特旨により賜る。日本の大勲位菊花章頸飾に相当する。
大勲位蘭花大綬章
大勲位蘭花大綬章は、大勲位に叙する者に賜る。日本の大勲位菊花大綬章に相当する。
龍光大綬章
龍光大綬章は、勲一位に叙する者又は叙せられた者に特旨により賜る。日本の勲一等旭日桐花大綬章(現・桐花大綬章)に相当する。
景雲章
勲一位景雲章から勲八位景雲章がある。日本の旭日章に相当する。
桂国章
勲一位柱国章から勲八位柱国章がある。日本の瑞宝章に相当する。
現在の中華人民共和国に国家の発行する勲章は存在せず各組織や省単位で制定・授与されている事がほとんどである。中国ではメダルの事を一般的に奨章という。中華人民共和国成立前の中国共産党軍でも早期からメダル型の従軍章や功労章などが多く生産され成立後も東北解放記念メダルや抗美援朝記念メダルなどといった従軍章や記念章が多く生産された。中ソ友好記念メダルなどソ連人に授与されたソ連と関係する物もこの頃は多かった。また朝鮮戦争時に参加した中国人民志願軍将兵の多数が北朝鮮政府から勲章を授与した。1955年には中華人民共和国最初の国家単位発行の勲章・奨章制度が制定された。三種類三等級とそれに伴う奨章で構成された八一、独立自由、解放の三種類が制定された。これらの勲章は人民解放軍の将兵にのみ授与されるものでそれぞれ、南昌蜂起からはじまる共産党初期の戦い、抗日戦争、国共内戦の従軍者に授与された。等級は当時及び55年までの解放軍内での役職・階級によって、奨章は尉官級、兵下士官級に主に授与された。これらの勲章は後の中ソ対立を経て文化大革命によって完全廃止となり文革当時は授与者が紅衛兵などにより摘発され階級の敵として打倒された挙句勲章を破壊されるなどの事件が数多く起きた。文革終結以降、国家単位の勲章は殆ど制定されなくなったが人民解放軍内や中国公安などの組織単位での独自制定の奨章が制定されるようになった。現在でも国家単位の勲章はなく国家組織や省単位、果ては工場や会社単位での奨章も存在する。
韓国併合前の大韓帝国(旧韓国)の勲章は、日本の勲章と類似した体系をもっている。1900年(韓国年号で光武4年)4月17日に勅令19号として「勲章条例」が定められ、金尺大勲章・李花大勲章・太極章・紫鷹章の4種の勲章が制定された(旧韓国官報光武4年4月19日号外に掲載)。また、翌年4月16日に勅令16号で同条例が改正され(旧韓国官報光武5年4月18日1864号に掲載)、八卦章が追加して制定された。1902年(光武6年)には、旧韓国官報光武6年8月25日2287号の「正誤」欄での訂正という形で瑞星大勲章が追加された。なお、これに関しては同年8月12日(15日官報掲載)に詔勅が出されている。さらに、1907年(光武11年)3月30日勅令20号で勲章条例が改正(4月3日官報掲載)され、瑞鳳章が制定された。