労働組合
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作り方

日本の場合、複数の労働者が組合結成に合意することにより労働組合を結成できる。結成についていかなる届け出も認証も許可も必要ではない。ただし、法人登記を行うためには、地域の労働委員会に規約その他必要書類を提出し、労組法上の規定を満たしている証明を得る必要がある。


定義

ウェッブ夫妻(シドニー・ウェッブとベアトリス・ウェッブ)の古典的著作『労働組合運動の歴史』の冒頭では、「労働組合とは、賃金労働者が、その労働生活の諸条件を維持または改善するための恒常的な団体である」と定義している(日本語訳は、荒畑寒村監訳/飯田鼎・高橋洸訳『労働組合運動の歴史』上巻(日本労働協会、1973年3月))。

日本労働組合法では、その第2条で「……労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう」と定義している。これは、上記のウェッブ夫妻による定義を踏襲したものであると言われている。

労働組合は、職業別組合から出発し、一般組合を経て産業別組合へと発展していくのが、多くの工業国でみられる展開過程である。ただし日本においては、職業別組合から企業別組合へという過程が特徴的である。

日本最初の労働組合は、アメリカ合衆国で近代的な労働組合運動を経験した高野房太郎片山潜らによって1897年に結成された職工義友会を母体に、同年7月5日に創立された労働組合期成会である。現在のような企業別組合が発達したのは、第二次世界大戦以降である。

労働組合員および労働組合のシンパに対しては、経営者にとって不都合な場合が多いため「共産主義者」「アカ」などのレッテル貼りがおこなわれ、時折職場でのイジメが問題となる場合がある。実際には資本主義経済のなかで自身の労働に対する取り分を主張しているだけであり、サラリーマンを中心とした労働者は給与賃金に対する主張を行うためにも労働組合を利用すべきである、という意見もみられる。


労働者

労働者とは、労働基準法第9条で「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われるものをいう」とされる。契約上において、請負、個人事業主とされている者についても、実質的な「使用従属関係の有無」で判断される。(厚生労働省労働基準局の通達を参照すること。) 他方、労働組合法では、第3条で「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者」と定義されており、失業者も含まれるものとされる。


労働組合の組織

労働組合を組織する権利(団結権)および組合活動をする権利(団体交渉権)は、日本国憲法第28条で「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と認められている。

労働組合たる条件については、労働組合法により詳細が決められている。その条件の主なものは、所在地(本拠地)・名称を明らかにすること、使用者に相当する者・組織から資金援助を受けないこと、最低年に1回は総会を開くこと、政治・市民運動が主な活動目的ではないことなど(第2条)。

使用者は労働組合を組織することや加入すること、労働組合を通じて労働運動をすることを理由に不当な待遇をしたり、解雇するなどをすると「不当労働行為」となる。また、使用者は労働組合の正当な団体交渉には必ず応じなければならない義務を負っている(第7条)。

ストライキなどの争議行動は、本来刑法上では「住居不法侵入」、民法上では「労働契約違反」などに相当するが、日本国憲法上で保障される労働運動の権利を守る観点から、労働組合法で正当な争議行動に対しては刑罰を科されないこと(第1条第2項)、その行為によって発生した損害について賠償を請求することができない(第8条)としている。

解散は、規約で定めた解散事由の発生、組合員または構成団体の4分の3以上の議決による(第10条)。


憲法上の労動組合


労働組合法上の労働組合


様々なショップ制

労働組合の団結を維持し、その機能を強化するために、労働組合法第7条第1項の但し書きで認められている労使間協定である。但し、その事業所で組織される労働組合が同事業所の労働者総数の過半数で占めるものでなければ、この協定は無効とされる(ここで言う「ショップ」とは、労使間で様々な約束事や取り決め事を交わす「協定」の意である)。


オープンショップ制

使用者が雇用する労働者に対し、特に労働組合員であることを雇用条件にするといったことを決めていないもの。基本的に労働組合員とそうでない者との労働条件等の処遇の違いは無い。


クローズドショップ制

使用者が雇用する労働者は労働組合員から雇用しなければならないとする制度で、労働者が組合員である資格を失った時は使用者はその労働者を解雇することになる。この制度は産業別労働組合が存在する国々に見られるが、日本では見られない。 アメリカ合衆国では、 ⇒タフト・ハートレー法によってクローズドショップ制を禁止している。


ユニオンショップ

使用者が労働者を雇用する時は、労働組合員であってもそうでなくても構わないが、雇用された労働者は一定期間内に労働組合員にならなければならないとする制度で、一定期間内に労働組合員にならなかったり、組合員である資格を失った時は使用者はその労働者を解雇することになる。日本の大手企業に存在する主な労働組合に見られる。但し、実際はいわゆる「尻抜けユニオン」という体制が敷かれていることが多く、労働組合員である資格を失っても雇用については別途労使間で協議し、決定することが多い。従って、労働組合を脱退したからと言って必ずしも退職しなければならないことはない。

ユニオンショップ制は、労働者に組合への加入を義務付けるものではないが、実質的に見れば労働者に労働組合への加入を強制することになるため労働者の結社の自由(組合に加入しないという消極的な結社の自由)との緊張関係を生じる。そのため結社の自由を保障する憲法21条に違反しないかが問題となるが、結社の自由によって労働組合を結成する権利が憲法上既に保障されているにも関わらず、あえて特別の規定によって憲法が団結権を保障している点に鑑みると、憲法は団結権の保障に特別の意味を与え、個々の労働者の組合に加入しない自由よりも労働者の生存の基盤となる組合を強化することを優先していると見るべきであるから、労働協約や労働法制においてユニオンショップ制を採用しても憲法に違反しないとされる事が多い。

日本においては、過去の判例で、労組から脱退した場合でも他の労組に加入していれば解雇されないとされている。また、過去に労働組合を辞めない旨を特に合意していた場合でも「労組の組合員は脱退の自由を有する」とされている。

アメリカ合衆国の場合、州によっては労働権利法(Right-to-work law)を適用し、ユニオンショップ制を禁止している。


エイジェンシーショップ制

労働組合への加入は労働者の意志によるが、労働組合員でない者でも、団体交渉にかかる経費と苦情処理にかかる経費を会費として支払わなければならない。ただし、労働組合員でない者はそれ以外の経費(ロビー活動にかかる経費や、労働組合員のみに与えられる特権の経費など)を支払う必要はない。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki