狭義の共犯として、教唆犯と従犯がある。 教唆犯とは、ある者を唆せて、犯罪を決意させ実行させる犯罪である。 教唆の故意と教唆行為と被教唆者の実行行為と被教唆者の構成要件該当性と違法性を要件とするのが通説である(共犯従属性説?制限従属形式)。
従犯とは、正犯者の犯罪実行を助け容易にさせる犯罪である。 幇助の故意と幇助行為と被幇助者の実行行為と被幇助者の構成要件該当性と違法性を要件とするのが通説である(共犯従属性説?制限従属形式)。
ある者が共同正犯や教唆犯や従犯の要件を満たしていても、その者についてはさらに違法性・責任の検討を要する。その意味でこれらはいずれも、構成要件該当性レベルでの議論であり、構成要件の修正形式として位置づけられる。
本来的一罪とは、1つの構成要件によって1回的に評価される事実をいう。数個の構成要件該当性があるかにみえる場合、構成要件該当性判断の最後に、本来的一罪か否かという罪数処理が考慮される。
例えば、着衣の相手の胸をナイフで刺す行為には、衣服を損傷させる意思もあったといえるから器物損壊罪の構成要件該当性があるかにもみえるが、衣服の損壊は殺人罪に吸収され(吸収関係)殺人罪の構成要件該当性しか認められない。
詳細は、本来的一罪の項を参照のこと。
ただし、本来的一罪の議論は瑣末的事項ととらえる傾向があり、特殊な事例でない限り議論せずに済ますのが一般的である(上記の例では一般に、器物損壊罪には言及しない)。
犯罪が成立する場合は、法定刑から、刑法第72条に従って加重・減軽されるが、1人の者について成立する犯罪が複数あるときは、併合罪であるか、科刑上一罪であるかを判断しなければならない。
科刑上一罪刑法第54条には、観念的競合と牽連犯がある。
一個の行為で数個の罪名に当たる場合は、観念的競合とされる(例:ピストルを1発撃ったところ、2人が死亡したとき2個の殺人罪が成立する)。
数罪について一方が他方の手段・結果の関係にある場合は牽連犯と呼ばれる(例:住居侵入罪と窃盗罪)。
これらは科刑上一罪(54条)と呼ばれ、数個の犯罪のうち、法定刑が最も重い罪の刑が基準となる。
併合罪とは、確定裁判を経ていない2個以上の罪をいう(45条)。
例えば、ナイフで甲を刺した直後にナイフで乙を刺し、甲も乙も死んだ場合、甲に対する殺人行為と乙に対する殺人行為があり2つの行為であるから観念的競合ではなく、2つの行為は手段・結果の関係にもないため併合罪となる。併合罪では、懲役や禁錮にあたる犯罪が数個あったときは、刑の長期は、47条により最も罪の長期の1.5倍となる(併合罪加重)。
その他の諸犯罪 カテゴリ: 刑法
更新日時:2008年9月10日(水)05:10
取得日時:2008/09/23 23:17