原子間に働く静電相互作用(クーロン力)により、原子は分子として集合している。力の作用がその力の種類により方向性や距離による力の強度変化が異なる為に分子はその構成する原子の種類や配置により秩序だった構造を取る。分子の内部あるいは分子間で相互の原子に作用する力は化学結合と呼ばれる。(その分類や特徴は記事化学結合に詳しい)
言い換えるならば、同じクーロン力を元にしていても化学結合の種類と作用距離に応じて分子は構造的な特徴を現わすとともに原子、分子、結晶といったような構造的な階層を形成する。
すなわち分子の内部構造が分子間に働く相互作用に変化を及ぼすために、物質の性質はそれを構成する原子の構成比率だけでは決定づけることはできず、分子構造が物性の発現に強くかかわっている。例えば、無機化合物の一種に見られる高温超伝導は特定の精密な分子構造が要因となり発現することが知られている。
無機化合物も精密で複雑な分子構造を持つが、有機化合物においては更に多様な分子構造とそれに応じた機能を持つ。今日では有機化合物の分子構造とその構造に特有な機能により生命現象が成り立っていることが明らかとなり、生命の本質と化学構造について分子生物学の分野で研究が進められている。
分子の表示方法である化学式も分子構造をどの程度まで意識するかで使い分けられる。最も単純に原子の組成のみを示した組成式は化学構造の違いを区別する必要のない場合に利用される。構造が単純で異性体など構造的な紛らわしさがない場合はトポロジカルな、つまり実際の配置を抽象化し原子の連結関係を示した示性式で表現される。更に複雑な構造においては構造式が利用される。
構造式は分子構造を抽象的に表現するが、分子動力学など原子の配置の向きや距離を厳密に識別する場合においては分子モデルが分子構造の表現方法として採用される。
脚注^ 『世界大百科事典』(参考文献)
^ カニッツァーロの再評価を発表した1860年のカールスルーエ国際会議以前は原子あるいは分子のモデルやその原子量、分子量の定義は研究者によってさまざまに提唱され、統一されていなかった。記事アボガドロの法則に詳しい。
^ もちろん原子の構成比は物質により一定である。
関連項目
原子
化学結合
共有結合
高分子
金属元素
金属
化学
物理学
分子動力学法
出典
' ⇒Molecule', "IUPAC GOLDBOOK"; P.Muller 'Glossary of terms used in physical organic chemistry.'(IUPAC recommendation 1994), Pure & Appl, Chem., Vol.66, pp.1077-1184(1994).
井口洋夫「分子」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
長倉三郎 ほか(編)「分子」『岩波理化学辞典』第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。
外部リンク
⇒Jmol版「分子の学習帳」 - Webサイト「生活環境化学の部屋」
表・話・編・歴物理学における粒子の一覧
素粒子フェルミ粒子: クォーク: u ・ d ・ c ・ s ・ t ・ b ? レプトン: e? ・ e+ ・ μ± ・ τ± ・ ニュートリノ(ν e ・ ν μ ・ ν τ)
ボース粒子: ゲージ粒子: γ ・ ウィークボソン(W± ・ Z0 ) ・ g
その他: ゴースト場
複合粒子ハドロン: バリオン/ハイペロン/核子: p ・ p ・ n ・ Δ ・ Λ ・ Σ ・ Ξ ・ Ω ? 中間子: π ・ K ・ ρ ・ J/ψ ・ Υ
その他: 原子核 ? 原子 ? 分子 ? イオン ? 異種原子: ポジトロニウム ? ミューオニウム ? ハイパー核
仮説上の
素粒子超対称性粒子: ボシーノ: ゲージーノ(フォティーノ ・ ウィーノ ・ ジーノ ・ グルイーノ ・ グラビティーノ) ・ ヒッグシーノ ・ ニュートラリーノ ・ チャージーノ ・ アクシーノ ・ スフェルミオン: スクォーク ・ スレプトン