内閣総理大臣
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職務歴代内閣総理大臣の花押(初代から44代まで)。閣議で作成される文書には、署名の代わりに花押が用いられる。

日本国憲法と現行の内閣法が規定する内閣総理大臣の地位は次の通り。

地位

行政権は、内閣に属する(憲法65条)。

内閣は、法律 (内閣法) の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する(憲法66条1項)。

内閣総理大臣は「行政府の首長」と位置付けられている。

資格

内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない(憲法66条2項)。

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決(首班指名)でこれを指名する(憲法67条1項)。

天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する(憲法6条1項)。

内閣総理大臣の資格は、文民であり、国会議員であること、この2点のみである。ただし実際には、衆議院において最大勢力を占める政党党首、又は連立を組む複数の党のいずれかの党首がその責に任じる。また国会議員として首班指名を受け続ける限り、内閣総理大臣の再選に制限はない(ただし、実際には内閣総理大臣の所属する党の党首としての任期制限が内閣総理大臣の任期制限となっている)。

国会議員でなくなっても内閣総理大臣を続けることができるのは、(1)内閣総理大臣が衆議院議員であって、衆議院解散により失職中の場合、(2)所属の院にかかわらず、次の選挙に当選せず(落選又は不出馬)、選挙後の特別国会又は臨時国会が召集されて内閣が総辞職するまでの期間、の二とおりだけである。(例えば、内閣総理大臣が衆議院議員であって、その間衆議院の解散がなく、任期満了に伴う総選挙で当選しない(落選又は不出馬)場合、衆議院議員の任期満了に伴う総選挙後の臨時国会の召集は、原則として新任期開始から30日以内(国会法第2条の3第1項)であるため、任期満了により衆議院議員を失職後も臨時国会召集までは内閣総理大臣のままである。)つまり、選挙による一時的な欠格を想定しているわけで、それ以外の理由で、国会議員を失職後も長期間にわたり継続的に内閣総理大臣の職に就くことはできない。

代理

内閣総理大臣が欠けたとき、または衆議院総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職しなければならない(憲法70条)。

「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、「内閣総理大臣が死亡又は失格(議員の議席を失う)などの理由によって欠けたとき」と内閣では解釈している。

旧内閣は、次の内閣総理大臣が任命されるまでは引き続きその職務を行う(憲法71条)。

内閣総理大臣に事故のあるとき、または内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が臨時に内閣総理大臣の職務を行う(内閣法9条)。

内閣総理大臣が外遊などの一時的な理由で国内で職務を行えない場合にも、この内閣法第9条に基づいて国務大臣の1人が内閣総理大臣臨時代理としてその職務を行う。以前は組閣時に内閣総理大臣臨時代理予定者に指名された国務大臣を副総理と呼ぶ慣行があったが、2000年(平成12年)4月以降、組閣時に内閣総理大臣臨時代理の就任予定者5名を指定して官報に掲載するように方針が改められた。これにより、原則として内閣官房長官たる国務大臣が第1順位となった。

主任の大臣

内閣府の長は、内閣総理大臣とする(内閣府設置法6条)。

内閣総理大臣は内閣府主任の大臣であるが、自らを助けるものとして内閣府に特命担当大臣を置くことができる。内閣総理大臣は、また内閣官房内閣法制局の主任の大臣でもあるが、こちらは内閣官房長官内閣法制局長官が事務を統括している。


権限首相政府紋章、「五七の桐花紋」自衛隊で用いられている内閣総理大臣旗

日本国憲法及びその他の法令が規定する内閣総理大臣の権限は次のとおり。

他の国務大臣を任命し、任意に罷免すること(憲法68条)。

在任中の国務大臣に対する訴追に同意すること(憲法75条)。

内閣を代表して議案を国会に提出すること(憲法72条)。

内閣を代表して一般国務及び外交関係について、国会に報告すること(憲法72条)。

内閣を代表して行政各部を指揮監督すること(憲法72条)。

法律及び政令への連署をすること(憲法74条、権限であると同時に義務でもある)。


閣議を主宰すること(内閣法4条2項)。

内閣総理大臣及び主任の国務大臣の代理を指定すること(内閣法9条、10条)。

行政各部の処分又は命令を中止せしめ、内閣の処置を待つことができる(内閣法7条、「中止権」)。

緊急事態の布告を発すること(警察法71条)。

布告時における警察の統制(警察法72条)。

自衛隊の最高指揮監督権を有する(自衛隊法7条)。

武力攻撃事態又はその発生が切迫していると認められるに至った事態に際して、自衛隊の全部又は一部に出動を命ずる(自衛隊法76条、「防衛出動」)。

間接侵略又はその他の緊急事態に際して、一般の警察力をもっては治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部に出動を命ずる(自衛隊法78条、「命令による治安出動」)。

防衛出動又は治安出動による自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があった場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れること(自衛隊法80条)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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